映画が公開されてだいぶ経つが、ロングラン公開されているので、遅ればせながら映画を見た。広い劇場で、ほとんど人がいなかったので、ゆったり映画鑑賞ができた。
話に聞いていた通り、戦闘シーンも迫力あり、特に空母赤城の再現が見事だった。
エレベーテッド・フロアというか、2層構造となっている空母の構造がよくわかった。また、ミッドウェー海戦で米軍機の爆撃で赤城の格納庫に並んでいた爆弾を積んだ飛行機が爆発するシーンなど、大変迫力あった。
映画のストーリーは小説とは若干違うが、よくできた脚本だと思う。
以前日経新聞電子版で読んだ、百田尚樹さんのインタビュー記事で、百田さんが感心したという山崎貴監督の脚本だけに、なるほどと思った。
俳優陣も、この映画を撮り終えてすぐに亡くなった夏八木勲さんといい、主人公の宮部久蔵役で、現在放映中のNHKの大河ドラマ「黒田官兵衛」の主役で大人気の岡田准一はもちろん、凖主役の三浦春馬、吹石一恵、井上真央、脇役の橋爪功といい、大変すばらしい演技で、2時間半の映画に完全に没頭することができた。
原作者の百田尚樹さんは、上記のインタビューで「10年に一度の傑作」と言っている。10年に一度かどうかわからないが、いままでほとんど日本映画を見たことがない筆者が、これからも日本映画を見ようという気にさせるほどの傑作であることは間違いない。
2014年1月11日追記:
映画「永遠の0」が昨年12月に公開された。見てきた人の話では、CGを使った戦闘シーンや空母赤城の再現など、大変迫力ある楽しめる映画だったということだ。
予告編を見てもたしかに面白そうだ。今度見に行こうと思う。
2012年5月22日追記:
いつもは500人/日前後のこのブログのユニークユーザー(UU)数が、5月21日に一挙に1,000人を超えた。
やはり清武さんのナベツネ告発本に興味がある人が多いのかな?と思っていたら、なんのことはない”永遠の0”で検索してこのブログを訪問する人が急増していた。
どうやら”永遠の0”の映画撮影が順調に進んでいるという報道が流れたからのようだ。
V6の岡田准一が丸坊主になるということでも話題になっているらしい。
あらすじを再掲する。映画公開が楽しみだ。
2011年9月21日初掲:

著者:百田 尚樹
講談社(2009-07-15)
販売元:Amazon.co.jp
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図書館でリクエストして百田尚樹さんのデビュー作の「永遠の0」を読んだ。
単行本は2006年、文庫本は2009年に出ているが、依然人気が高く、2ヶ月ほど待ってやっと手に入れた。
このブログでも紹介した「靖国への帰還」の様な小説ではないかと思っていたが、「永遠の0」は特攻で26歳で戦死した祖父の戦友を訪ねて話を聞くというストーリーだ。

著者:内田 康夫
講談社(2007-12-15)
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昭和16年12月に真珠湾攻撃で始まった太平洋戦争開戦から、昭和20年8月の敗戦までの一連の流れを生き残った戦友の口から語るという形で、真珠湾攻撃や珊瑚海海戦、ガダルカナル島の激闘、ラバウル航空隊、ミッドウェー海戦、そしてマリアナ沖海戦、沖縄戦、フィリピン戦、特攻、特攻ロケット兵器桜花などについて説明している。
主人公の祖父は日本海軍のゼロ戦パイロットで、撃墜数何十という超エースながら、「生きて帰りたい」と希望を常に語る当時であれば許されないヒューマニスト軍人で、なぜか終戦直前に特攻に志願して戦死するという設定だ。
次が靖国神社の遊就館に展示されているゼロ戦だ。

出典:以下特に記載ないかぎり出典はすべてWikipedia
戦友の話は資料に基づいて構成しているのだと思うが、圧倒的な戦力と最新鋭軍事技術、そして数ヶ月戦闘に従事すれば、休暇で帰国できるという余裕をもった米軍と対比して、特に補給戦において様々な戦略の誤りを犯し、兵隊・下士官を死ぬまで酷使して消耗品扱いする日本軍のリアルな描写にはフィクションとはいえ思わず引き込まれる。
当初はゼロ戦の敵ではなかったF4F。

そしてアリューシャン列島でほぼ無傷で捕獲されたゼロ戦を徹底的に研究して投入されたF6Fやコルセア戦闘機。


「マリアナの七面鳥狩り」と呼んで日本軍のカミカゼ攻撃をほとんんど無力化したVT信管(電波で飛行機を感知すると自動的に爆発する)などの説明もわかりやすい。

小説のあらすじは詳しく説明すると読んだときに興ざめなので、この程度にとどめておく。予想外の最後の展開に驚くことをつけくわえておく。
文庫で600ページもの小説だが、一気に読めて大変楽しめる作品である。
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