2012年02月15日

入社1年目の教科書 ライフネット生命保険会社の岩瀬大輔さんの本

入社1年目の教科書入社1年目の教科書
著者:岩瀬 大輔
ダイヤモンド社(2011-05-20)
販売元:Amazon.co.jp
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このブログでも「超凡思考」を以前紹介したライフネット生命保険の副社長・岩瀬大輔さんの仕事のやり方指南本。

岩瀬さんの「ハーバードMBA留学記」を読んで以来、岩瀬さんの本は大体読んでいる。注目している若手経営者・オピニオンリーダーの一人だ。

金融資本主義を超えて―僕のハーバードMBA留学記 (文春文庫)金融資本主義を超えて―僕のハーバードMBA留学記 (文春文庫)
著者:岩瀬 大輔
文藝春秋(2009-05-08)
販売元:Amazon.co.jp
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岩瀬さんは会社(リップルウッド)をやめて自費でハーバードMBAに留学した。留学時代のブログをまとめた本が「ハーバードMBA留学記」だ。もともとそのつもりだったのかどうかわからないが、本の印税で留学の経費は賄え、今は文庫にもなっているので、会社をやめて留学するという思い切った決断だが、十分リターンはあったのだろう。

もちろん留学して得た知識や人脈は財産となっており、ダボス会議の「ヤング・グローバル・リーダーズ2010」にも選出されている。

この本は、今年就職する長男に参考になるのではないかと思って読んでみた。岩瀬さんの「ハーバードMBA留学記」は既に渡してある。

この本はアマゾンの「なか見!検索」に対応しているので、ここをクリックして目次を見てほしい。「何があっても遅刻するな」や「宴会芸は死ぬ気でやれ」とか、実践的な内容であることがわかると思う。

合計50のタイトルで説明しており、最初に仕事において大切な3つの原則として次を挙げている。

原則1 頼まれたことは、必ずやりきる

原則2 50点で構わないから早く出せ

原則3 つまらない仕事はない


社会人になると「信頼できるかどうか」が重要な判断基準となる。職場の仲間でも、取引先でも同じことだ。岩瀬さんの上記の3原則は、新人が「頼れる人」と見なされる上で重要なポイントだと思う。

特に原則3の「つまらない仕事はない」は、楽天の三木谷さんも「成功の法則92ケ条」に、当時の東京銀行に入行して配属されたルーティン業務の代表格の外国為替部門でも、クサらず積極的に取り組んで成果を出したことを書いている。

成功の法則92ヶ条成功の法則92ヶ条
著者:三木谷 浩史
幻冬舎(2009-06)
販売元:Amazon.co.jp
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外国為替業務といっても、多くの人にはピンと来ないだろう。筆者も商社マンなので、昔は貿易実務を担当していた。

主に原料の輸入をやっていたが、輸出もやったことがある。輸入の場合にはL/C(Letter of Credit)という信用状を銀行に開いてもらって、輸出者が銀行に要求された船積書類を持ち込むと、銀行がチェックして問題なければ、輸出者に輸出代金が支払われる仕組みだ。

三木谷さんの言っているのは、そのような信用状関連の業務だと思う。筆者も大手町の旧・日本興業銀行本店に行ったことがある。

三木谷さんの本では、銀行の外為業務はルーティンでつまらない業務と見なされていたようだが、商社マン、特に若手担当者にとっては銀行経由送られてくる船積書類が要求通り作成されているかどうかをチェックするのが重要な役目だった。

というのはもし輸出者が要求通り船積書類を作成していないと、再作成を要求でき、支払いを延ばすことができるのだ。当時のドル金利は10%を超えており、金額が数百万ドルと大きいので、1週間でも支払いを延ばせればかなりのコストセーブになる。

それこそ目を皿のようにして、船積書類をチェックした。その時代から書類チェックは筆者の好きな業務で、全然ルーティンだなんて思っていなかった。同じ外為業務でも支払い手段を提供している銀行の人と、実際に貿易をしている商社マンとは違うのだと思う。

脱線したが、どんな仕事でもつまらない仕事はない。文字通り「一所懸命」ということだと思う。

「なか見!検索」で目次を見れば、大体の論点は分かると思うので、ここでは参考になった点を紹介しておこう。


★「岩瀬さんは、いい意味でコンサルタントっぽいよね。」

岩瀬さんは、他の業界の人にこういわれたという。

ある業界の市場規模、現在のシェア、シェアの推移、各社の収益率の差異、商品ごとのポートフォリオ、それぞれの収益性、将来の展望、海外との比較、規制や技術革新の状況…。

岩瀬さんが最初に就職したのは、ボストン・コンサルティング・グループだったので、コンサルとしてトレーニングする中で、上記のようなポイントで、常に業界がどのように動いているかというマクロの視点でものを見る習慣がついているのだと。

営業マンは明日のことを考え、部長は1か月先のことと考え、本部長は1年後のことを考え、社長は5年後のことを考えている。

だから経営者と話すときは、時間軸が違うことを念頭に入れておく必要がある。全体像を見る視点を持った人と付き合うことが重要だと語る。


★ライフネット生命の顧客開拓は大学生から

このブログでも紹介した和田浩子さんの「P&G式世界が欲しがる人材の育て方」を読んで、小学5年生から生理用ナプキンを配るという話を知り、岩瀬さんは感心したという。

P&G式 世界が欲しがる人材の育て方 日本人初のヴァイスプレジデ<br>
ントはこうして生まれたP&G式 世界が欲しがる人材の育て方 日本人初のヴァイスプレジデ
ントはこうして生まれた

著者:和田浩子
ダイヤモンド社(2008-08-22)
販売元:Amazon.co.jp
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そこでライフネット生命保険は大学生に向けた宣伝活動を開始した。大学生は生命保険は買わないが、数年後は生命保険を買うようになる。だから「ライフネット生命お薦めの10冊」といった広告を出したのだ。


★趣味を伸ばすこと、本を読むこと、体のコンディショニングなどは、仕事が終わってからの空き時間で済ますような重要度の低いものではない。

岩瀬さんも当初はわからなかったが、だんだんに趣味、読書、健康の重要性に気がついてきたという。少なくとも飲みに行って遊んでいるヒマがあったら、成長するための自己投資に時間を使うべきだと。

筆者は今でこそ、週5冊以上、年間300冊程度本を読んでいるが、20代は月に1冊本を読めばよいほうだった。それがだんだん読書量が増えてきたのは、本好きの家内と結婚したことが大きな要因だと思う。

子どもが生まれる前も一緒に図書館に行っていたが、子供が絵本を読むようになったら、毎週のように図書館に通うようになって、筆者の読書量も増え始めた。通勤時間の2〜3時間はみっちり本を読むようになってきた。

アメリカ駐在の時は、車で通勤していたので本は読めないため、オーディオブックで本を読んで(聞いて)いた。最初はカセットブックだった。日本の電車通勤は時間的に長いが、筆者は日本の通勤の方が好きだ。本が読めるからだ。

筆者の場合、昔は図書館をほとんど利用せず、もっぱら本は買っていたが、本を買うとそれで安心してしまい、「積ん読」になってしまうパターンが多かった。その点で、図書館を利用して2週間以内に必ず読んで返すというパターンは筆者にぴったりだった。だから読書量が増えたのだ。

そうはいっても、筆者は読書量を誇るつもりはない。本を読むだけだったら、たぶん年間500冊だって読めるだろう。問題は本から何を得て、自分の身につけられるかどうかだ。

その意味では、このブログは筆者の「外部記憶媒体」として、大変役立っている。たぶんブログがなかったら、筆者の読書も単に量だけのものだったろう。

ブログの一番のメリットは、本の内容を忘れていても、ブログトップの検索窓でキーワード検索すれば、その記事が出てきて、それを読めば記憶がよみがえることだ。年間300冊位読む本の内容はいちいち覚えきれない。そんな時にこのあらすじブログが役立つ。

2006年にベストセラーとなった「ウェブ進化論」の梅田望夫さんは、「ブログは究極の知的生産の道具」と言っていたが、その通りだと思う。

既にこのブログのエントリー数は750を超えている。紹介した本は全部で1,000冊以上だろう。ぜひ筆者の例を参考にして、自分の「外部記録媒体」としてブログやSNSを活用してほしい。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)
著者:梅田 望夫
筑摩書房(2006-02-07)
販売元:Amazon.co.jp
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閑話休題。


★苦手な人には「惚れ力」を発揮

以前ブライダル関係の人に講演を依頼した時に、「なかなか結婚できない人は、惚れ力を磨け」と言っていたという。

条件に固執して、結婚相手のあら探しばかりしてはいけない。相手のどこか良いところを探して、そこに惚れる。それが「惚れ力」なのだと。

人間関係でも付き合いにくい人がいたら、それを克服するのが「惚れ力」だ。つまり相手の良いところを見て、悪いところばかりみないということだ。

ポジティブシンキングの人間関係版というところだろう。


★いきなりテレビのワイドショーに呼ばれたら

岩瀬さんは消費税や国家財政についてのワイドショーでゲストに呼ばれたという。そのためにまずは10冊ほど関連する本を大人買いした。

次にしばらく会っていなかった財務省の友人に電話して、昼食を取りながら相談したら、財務省の課長クラスの人が2人でレクチャーしてくれることになったという。

次に外資系投資会社の友人に連絡してチーフエコノミストに紹介してもらい、財務官僚とは逆の立場からの意見を聞く機会をつくった。そのチーフエコノミストとは2時間も昼食を一緒にしながら、いままで調べたことで疑問に思ったことを質問したという。

これだけの準備をしてテレビの収録に臨んだので、聞かれても気の利いたことがいえる結果となったという。

参考になる対応だと思う。


新入社員や若手社員を念頭に書かれた本だが、ビジネスの基本を押さえており、参考になる。冒頭で紹介した三木谷さんの体育会系の「成功の法則」とあわせて読むと良いと思う。

お薦めの本12冊に自分の本2冊とライフネット生命の社長の出口さんの本が1冊出てくるのは、やや興ざめだが、もともとライフネット生命保険がターゲットとしている若手社員向けの本だから、自社の宣伝が目につくのはやむを得ないところだろう。

まずは「なか見!検索」で目次を見てみることをお勧めする。


参考になれば投票ボタンをクリック願いたい。





Posted by yaori at 00:38│Comments(0)TrackBack(0)インターネット | 勉強法

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