2012年05月14日

グローバル資本主義を卒業した僕の選択と結論 元外資系トレーダーがお受験産業に転身

グローバル資本主義を卒業した僕の選択と結論グローバル資本主義を卒業した僕の選択と結論
著者:石井至
日経BP社(2012-02-23)
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東大医学部(理掘砲鯊感函0綣圓砲覆蕕困法外資系トレーダーの道を歩み、バンカーズトラスト、USBを経てインド・スエズ銀行東京支店でマージング・ディレクターとなった後、32歳で退職して金融コンサルタントの石井兄弟社を設立。現在は慶應幼稚舎などのお受験指導のアンテナ・プリスクールを経営している石井至さんの本。会社の読書家の友人から紹介されて読んでみた。

石井さんは幼稚舎について何冊も本を書いている。

慶應幼稚舎 (幻冬舎新書)慶應幼稚舎 (幻冬舎新書)
著者:石井 至
幻冬舎(2010-05-27)
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慶應幼稚舎入試解剖学(改訂版)慶應幼稚舎入試解剖学(改訂版)
著者:石井至
石井兄弟社(2012-03-30)
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32歳で一生分稼ぐ

本の帯に「32歳で一生分稼いだ頭脳サバイバル仕事術」という宣伝文句が書いてある。石井さんは医者になるのをやめて最初に就職したバンカーズ・トラストで、初任給が650万円だった。それが2年目には5,000万円を超えていたという。

その後もたぶん年収1億円から数億円稼いでいたのだと思う。だから32歳で一生分稼いだという本の帯になるのだ。

石井さんは医学部出身なので、経済や金融のことはまったく知識がなかったが、いわば逆療法で、予備校の経済学の講師になり、人に教えて自分でも覚えるというやり方で経済学を学んだという。


こいつはバカではない

バンカーズ・トラストに入社したら、入社面接の時に会った人は日本人も外人も別の会社からグループで引き抜かれて、そっくりそのまま消えていたという。英語もあまりできず、採用した人もいなくなったので、ほとんど無視されていたところ、英人トレーダーが偏微分方程式に困っているのを助けたら、こいつはバカではないということで、いちやく頼りにされるようになった。

それからはどんどん仕事が来るようになり、3年目には東京のデリバティブ市場を牛耳っていたという。


お受験産業に参入

それから外資系を2社渡り歩き、32歳で石井兄弟社をつくって金融コンサルタントとして独立した。そして長男の「お受験」をきっかけに、小学校受験のアンテナ・プリスクールを設立した。

筆者は「お受験」には全く興味がないが、もし興味あるなら、上記の「慶応幼稚舎」が参考になるかもしれない。

この本では石井さんが雑談風に自分の高校受験、大学受験、外資での仕事、そして「お受験」業界の後進性などについて書いている。

いくつか参考になった点を紹介しておく。

★アメリカの私立大学では究極の裏口入学のようなものがあり、アジアのエリートファミリーの子女を最低100万ドルの寄付金を条件にハーバード大学に入学させている。多額の寄付をもらえるし、アジアの有力一族がハーバードの卒業生となるのだから一石二鳥だという。

★(ハーバードの理事の話)ハーバードには頭が良くて人柄もよい学生を育てるノウハウはない。全米の優秀な高校から成績優秀でリーダーシップのある子どもばかりを集めているから、そういう学生がいるのだ。そんな優秀な高校とはフィリップス・アカデミーとかセント・ポールとかの、ボーディングスクールだという。

ウィキペディアでも紹介されている通り、同志社の創立者新島襄はフィリップス・アカデミーの卒業生だ。1864年に函館から密航してアメリカにわたり、その船のオーナーだったハーディー氏の援助でフィリップス・アカデミーに入学したという。

今度紹介する海老原嗣生さんの「就職に強い大学・学部」にも採用側の評価ポイントが書いてある。このハーバードの理事が語っているところは、まさに採用にも言えることだ。つまりリーダーシップは育てるものではなく、「持っている」人を採用するものなのだ。

偏差値・知名度ではわからない 就職に強い大学・学部 (朝日新書)偏差値・知名度ではわからない 就職に強い大学・学部 (朝日新書)
著者:海老原 嗣生
朝日新聞出版(2012-03-13)
販売元:Amazon.co.jp
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★ヒースロー方式
ロンドンのヒースロー空港には「暴力はもちろん、係員に暴言をはくと逮捕します」という表示がいたるところに貼ってあるという。

石井さんは、これを「ヒースロー方式」として仕事に取り入れ、アンテナ・プレスクールでモンスター・ペアレントを防止するため、「スタッフがミスをしても、やさしく接することを約束してもらう」ことにしたという。

★新聞の本の広告の最大手は電通でも博報堂でもなく、「とうこう・あい」という会社だという。

石井さんが「出羽桜」で日本酒に目覚めたという話は以前紹介した通りだ。それまでワインかシャンパンしか飲まなかったのが、「出羽桜」で日本酒に目覚めたという。

山形県の出羽桜酒造の日本酒純米酒 一耕 1800ml【楽ギフ_包装】【楽ギフ_のし宛書】
山形県の出羽桜酒造の日本酒純米酒 一耕 1800ml【楽ギフ_包装】【楽ギフ_のし宛書】


ワイン党から日本酒に目覚めたという意味で、筆者も全く同じ体験をした。東日本大震災以来日本酒を飲んでいるので、いわゆるカラーバス効果で、日本酒のことが書いてあると、気になる。


話題が豊富で、簡単に読めて楽しい本である。


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Posted by yaori at 12:47│Comments(0) ビジネス | 自叙伝・人物伝