東京スカイツリー 世界一を創ったプロフェッショナル
NHK出版(2012-05-16)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
東京スカイツリー開業にあわせて2012年5月16日に発売されたばかりの本。
図書館の新着コーナーに置いてあったので、読んでみた。図書館では、発売されたばかりの本も読める。図書館に設置された新着専用書架やホームページの新着コーナーも是非チェックしてほしい。
NHK出版が編者となってまとめた本で、内容は施主の東武鉄道、設計の日建設計、工事の大林組の関係者を中心に、デザイン監修者として設計にかかわった彫刻家の澄川喜一さん、ライティングデザイナーなどのインタビューから構成している。
YouTubeにいくつか東京スカイツリーのビデオが掲載されている。次のビデオが最初からの建設の歩みを紹介していて参考になる。
NHK出版なので、「プロジェクトX」のようなストーリーを期待していたが、淡々と関係者の話を紹介している感じだ。
大林組のナックル・ウォール工法で、東京スカイツリーの地下の長さは地上の634メートルに対して、50メートルで済んでいることや、タワークレーンを駆使した建築の様子、「鋼管トラス構造」で鋼管を溶接して強度を出す工法などが紹介されている。
東京スカイツリーの建設に使われた鋼管は全国19か所の鉄工所で、溶接されて運び込まれたという。
東京スカイツリーの心棒が開いた状態で「スリップフォーム工法」で建設し、ゲイン塔を真ん中の空間からあげるという「リフトアップ工法」なども興味深い。
この本にも載っている2011年3月11日の東京スカイツリーの状況を、次のニュースが詳しく紹介している。この本に登場している人たちに取材しているので、大変参考になる。
東日本大震災の時は、リフトアップ工法によりゲイン塔(アンテナ塔)を押し上げていた時で、最悪のタイミングで地震の揺れが来たが、なんとかスカイツリーは持ちこたえたことがわかる。
簡単に読めて東京スカイツリーに関する豆知識や、使われた工法が詳しく紹介して参考になる本である。ちなみに大林組のホームページに東京スカイツリー建設に関する様々な情報が「東京スカイツリーのつくり方」として紹介されているので、こちらも興味深い。
参考になれば投票ボタンをクリックして頂きたい。