2011年12月01日

日本酒事典 日本酒を飲み始める人のために

蔵元を知って味わう日本酒事典蔵元を知って味わう日本酒事典
ナツメ社(2011-01-21)
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日本酒の教科書日本酒の教科書
著者:木村 克己
新星出版社(2010-02)
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筆者は1978ー80年のアルゼンチン駐在以来、ずっとワイン派だった。自宅で飲むのはほとんどワイン。昨年くらいから食事によってはロゼも飲むようになったが、ほとんどずっと赤ワインだった。

日本酒は買ったこともないし、法事などでもらったものを飲むほかは家で飲んだこともなかった。

とはいえ、やはり刺身や煮魚などの日本料理には、ワインより日本酒の方が合うのではないかと思っていたことも事実だ。それのあらわれが、昨年からロゼワインを飲むようになったことだ。

そんなワイン党の筆者が宗旨変えして、上記に紹介した「日本酒事典」と「日本酒の教科書」を読んで、日本酒を飲み始めた。(どちらも参考になるが、「日本酒事典」の方が瓶の写真も紹介しており、銘柄ラベル写真だけの「日本酒の教科書」よりもなぜか親しみを感じた)

きっかけは東日本大震災だ。日本酒を飲むことで、すこしでも東北地方の復興の役に立てるのであればと思って飲み始めた。



醸造業の裾野は広い。もちろん原料の農業の振興にもなるし、バイオ技術や醸造設備産業にも貢献するとともに、地元の観光振興にも役立つ。

山梨の勝沼が良い例だ。ワイン産業としては世界的には小規模ではあるが、日本でも最大級のワイン産地として一大観光名所となっている。ワイナリー巡りなど観光客が一年を通して訪問するし、山梨大学工学部にはワイン科学特別教育プログラムもあり教育産業にも波及効果がある。

もちろん筆者が日本酒に切り替えたからといって、効果はたかがしれており、えらそうに言うべきことではない。しかし気は心、同じように賛同してくれる人もあると思うので紹介する。

筆者が飲み始めたのは宮城県塩竃の浦霞。もろに被災地にある酒蔵だ。浦霞自身もかなりの地震の被害を受けたはずだが、一本につき5円という復興資金を寄付することを実施している。

次が浦霞の種類だ。左から本醸造、ササニシキを使った純米酒、特別純米酒の「禅」と外箱というラインアップだ。

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本醸造は仕込みの段階で10%まで醸造アルコールを添加している。本来日本酒は純米酒が正統であり、アルコール添加酒は邪道、儲け主義だという非難の声がある。たとえば「美味しんぼ」では、純米酒こそが日本酒だといい、青リンゴなどの香りのする吟醸酒はハナから受け付けない。

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著者:雁屋 哲
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しかし筆者は浦霞で本醸造、純米酒、特別純米酒を飲み比べた結果、本醸造が一番気に入ったので、本醸造の一升瓶を買った。いままで40年近く酒を飲んでいるが、自分用に一升瓶を買ったのは初めてだ。

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アルコール添加はあくまで仕込みプロセスの一環であり、アルコールを10%添加することによって、いわゆる吟醸香が増し、「キレ」が良い辛口の酒に仕上がる。「美味しんぼ」の作者はアルコール添加酒を全く受け付けないが、筆者はこと浦霞に関しては、本醸造が安くてうまいと思う。

【佐浦】浦霞 本醸造 1800ml
【佐浦】浦霞 本醸造 1800ml

要はその人が飲み比べて一番気に入ったものを選べば良いので、別に純米酒にこだわる必要はないと思う。

ちなみに筆者は次の氷ポケットのあるデキャンターに入れて冷やして飲んでいる。

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キンキンには冷えないが、冷えすぎないで良い。

日本酒はワインに比べて安いので、良い日本酒を何本か飲み比べても、720MLの瓶であれば、せいぜい一本1,000〜2,000円で買える。

冒頭に紹介した「日本酒事典」や「日本酒の教科書」を読んで、基礎知識をつけた上で、日本酒を飲んで頂きたい。大手の酒蔵は江戸時代から続く老舗ばかりであることに驚くだろう。まさに日本酒は日本の伝統文化である。

東北の酒を飲めば東北復興にも微力ながらつながる。そんな気持ちも込めて日本酒を飲んで欲しい。


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Posted by yaori at 13:20│Comments(0)TrackBack(0) 趣味・生活に役立つ情報 | 日本酒

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