2012年10月13日

もし小泉進次郎がフリードマンの「資本主義と自由」を読んだら マンガもしドラ

もし小泉進次郎がフリードマンの『資本主義と自由』を読んだらもし小泉進次郎がフリードマンの『資本主義と自由』を読んだら
日経BP社(2011-11-25)
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このブログでも紹介した「もしドラ(もし高校野球のマネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら)」の路線でミルトン・フリードマンの「資本主義と自由」を題材にしたマンガ。

資本主義と自由 (日経BPクラシックス)資本主義と自由 (日経BPクラシックス)
著者:ミルトン・フリードマン
日経BP社(2008-04-10)
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もしドラはマンガのような表紙だが、ビジネス書だ。一方、この本は表紙も内容もマンガで、もしドラのような驚きはない。

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだらもし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
著者:岩崎 夏海
ダイヤモンド社(2009-12-04)
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ちなみにもしドラは元AKB48の前田敦子主演で映画にもなっている。



小泉進次郎が首相になる前の近未来日本図

時は2015年。「主民党」は2011年の東日本大震災の対応のまずさで国民の信頼を失い、2013年の総選挙で「民自党」に敗れ、政権を奪還された。

民自党は、「山柿定和」首相のもとで、「教明党」との連立で政権にあたったが、2014年に消費税を10%に上げたものの、不況による税収減少で、ほとんどプラスマイナスゼロとなり、財政赤字は増え続けた。

2015年初の国債の入札で、国債が大量に売れ残る「札割れ」が起こり、長期金利は急上昇した。山柿総理は日銀引き受けを実施させたが、これが「日本の財政はついに破たんした」というシグナルを市場に送る結果となり、日本の銀行は一斉に国債を売り始めた。

長期金利が1%上がると、1兆円の損失が出るといわれるメガバンクが大量に国債を売り始めると、ほかの金融機関も追従し、外資系ファンドも大量の空売りを浴びせかけたので、国債は暴落して長期金利は10%を超えた。

まさに現在スペインやギリシャなどEUの国々で起こっている事態だ。

たちまちのうちに邦銀は軒並み数十兆円の含み損をかかえ、日経平均は6,000円を割った。


狂乱物価で200%を超すインフレに

長い間デフレが続いていた日本経済だが、いったんインフレが起こると、増幅するのはや訳、邦銀が売った国債を日銀が買い取ると、市場に50兆円以上の通貨が供給され、物価は1か月で10%以上上昇し、インフレ率は200%になり、狂乱物価が始まり、金が暴騰した。

円建て資産を売って、外貨に換えようという動きが広がり、円は1ドル=150円まで下がり、輸入物価のインフレを引き起こし、それによって金利が上がるというインフレ・スパイラルが起こった。

ちなみに、日本人で年率200%のインフレを体験したことがある人はほとんどいないと思うが、筆者は1978−1980年の間にアルゼンチンに駐在していたので、200%のインフレを経験した。

給料は現地通貨のペソ建てだったので、給料をもらったら、すぐにドルや金貨に変えていた。インフレ率は月15−20%で、為替の下落率は10−15%だったので、ドルに換えても目減りはするが、それでもペソのまま置いておくよりは良かった。

1週間からある銀行の定期預金金利も月15%くらいだったので、大幅な為替の切り下げが予想されない時は、銀行預金に預けてドルベースで5%前後の金利を稼いでいた。

ドルベースで半年で30%くらいの利率となり、元手はすくないものの、結構エンジョイしたが、大幅な切り下げがあるかもしれないという雰囲気となり、定期預金を引き出して金貨にして運用していた。

金も当時は1オンス300ドル台だったのが、ピークでは800ドルを超え、結局売った時は600ドル台だったので、1年でほぼ倍以上になった。

最も得をしたのが、狂乱インフレが始まる前にペソ建てで車のローンや、家のローンを組んだる人たちで、買った時は2万ドルくらいした車が、ペソが下落したために、結局3,000ドルの負担にしかならなかったという人が続出した。

筆者も含めて今は家のローンは変動金利にしている人が多いと思うが、現在1%前後の金利が、これから5−10年くらいのうちに5%から10%くらいに上がる可能性がある。

だから、この本で想定しているような国債の「札割れ」がもし将来起こったら、すぐにローンを固定金利に切り替えることをおすすめする。

閑話休題。


小泉進次郎首相登場

経済の大混乱を招いた山柿首相は交代し、民自党総裁選挙の結果、小泉進次郎が総理大臣に選ばれる。

「主民党」の「後原誠司」代表とか、官房長官に「酒中平蔵」、幹事長は「野河太郎」、財務大臣「大山さつき」、防衛大臣「岩破茂」とか、完全にパロディだ。元東京都副知事の「小ノ瀬直樹」、元大阪府知事の「本橋徹」も閣僚になっている。

経済産業大臣兼農業水産大臣には民間から「樫井正」ファーストファッション会長を入れ、農業水産分野は今はGDPの1%もないとして、特別扱いせず、経済産業省の農林水産局として統合するという。


サッチャーの政策の支えとなったハイエク

サッチャー元英国首相は、1975年に就任した時に、ハイエクの「自由の条件」を取り出して、「これが私たちの信じているものだ」と宣言したという。

自由の条件I ハイエク全集 1-5 【新版】自由の条件I ハイエク全集 1-5 【新版】
著者:F.A. ハイエク
春秋社(2007-08)
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それをにならって、小泉進次郎は、ミルトン・フリードマンの「資本主義と自由」を「私のやりたいことはここに書いてあります」と取り出す。それがこの本の表紙に載っている絵だ。

小泉進次郎








マンガなので詳しいあらすじは紹介しないが、「ミルトン・フリードマン」の主張はあまり紹介されていないので、ちょっと看板に偽りありという感じだ。


銀行の取り付け騒ぎが発生し、モラトリアムに

国債が暴落して、金融機関に100兆円以上の含み損が発生したので、銀行の返済能力を怪しんだ民衆が銀行に預金引き出しに殺到し、取り付け騒ぎが起こる。

銀行は一時閉鎖され、日本政府がモラトリアムを宣言し、ペイオフが実施される。

小泉進次郎は、お父さんの小泉純一郎さんがやった「郵政民営化選挙」にならって、「第二の郵政解散」をして、総選挙の結果、史上最大の圧勝を収め、IMFを事実上の進駐軍として、フリードマンの「いらないものリスト」にならって、年金を廃止し「負の所得税」に切り替えて、歳出の大幅カットと、増税で国を建てなおし、2020年までにプライマリーバランスを黒字にするというシナリオとなる。

ミルトン・フリードマンの16の「いらない」ものリストは、池上彰さんの「池上彰のやさしい経済学1」のあらすじを参照願いたい。

池上彰のやさしい経済学―1 しくみがわかる池上彰のやさしい経済学―1 しくみがわかる
著者:池上 彰
日本経済新聞出版社(2012-03-24)
販売元:Amazon.co.jp
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ストーリー展開はさることながら、国債暴落、円急落、メガバンク倒産、ペイオフ、年金廃止、消費税20%など、5−10年くらいのタイムスパンだと、すべて起こりうるシナリオだと思う。

政府には頼れない。結局自分の資産と生活は自分で守るしかない。そんなことをあらためて考えさせられる本である。


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Posted by yaori at 00:00│Comments(0)TrackBack(0) マンガ | 経済

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