2012年12月26日

ドッグファイトの科学 元戦闘機パイロットが描く戦闘機のすべて

ドッグファイトの科学 知られざる空中戦闘機動の秘密 (サイエンス・アイ新書)ドッグファイトの科学 知られざる空中戦闘機動の秘密 (サイエンス・アイ新書)
著者:赤塚 聡
ソフトバンククリエイティブ(2012-09-20)
販売元:Amazon.co.jp

元自衛隊のF15パイロットという経歴を持つ航空カメラマンの赤塚聡さんの戦闘機の紹介。

アマゾンのなか見!検索に対応しているので、ここをクリックして目次を見てほしい。次のような構成で詳しく戦闘機の基本戦闘行動や使い方、武装などを紹介している。

第1章 戦闘機の機動の基本を知る

第2章 各種の基本戦闘機動

第3章 戦闘機に搭載される武装

第4章 戦闘機の使い方

第5章 曲芸飛行の技

第6章 素朴な疑問

戦闘機は単独で行動することはなく、すべて早期警戒機や地上レーダーなどの情報リンクのもとに行動する。

国籍不明機が領土に接近すると、早期警戒機などの警報に基づき、戦闘機がスクランブル出撃して相手を識別する。そして敵と識別されたら、まずは中距離ミサイルを撃つ。

中距離ミサイルで撃ち漏らした場合は、距離を縮めて今度は短距離ミサイルを撃つ。それも撃ち漏らした場合にはドッグファイトで、機関砲で射撃して敵を攻撃する、というのが戦闘パターンだ。

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出典:本書125ページ

ステルス戦闘機は、レーダーには小鳥くらいのサイズにしか映らないので、早期発見は難しい。いきなり近接戦となったり、あるいは気が付いたら敵のミサイルが発射されていたというような展開となる。

中距離ミサイルを使っての戦闘では、どちらが最初にミサイルを発射するかで勝負が決まる。だから、ステルス戦闘機は圧倒的に有利だ。





戦闘機は大小さまざまなミサイルや兵装を積んでいる。

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出典:本書165ページ

翼の一番外側の細いミサイルが短距離ミサイルの代表作、サイドワインダー。1958年の台湾海峡での空中戦に初めて使われ、台湾軍のF86戦闘機が全部で30機以上のMIG17を撃ち落とした。F86の損失は1機だけだった。MIG17は性能はF86より優れていたが、ミサイルの前には無力だった。

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出典:本書67ページ



これが国産のサイドワインダー代替ミサイルのAAM-5だ。後方のロケットノズルには推力偏向用の羽根(ガイドベーン)がついている。

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出典:本書69ページ

その内側に左右2本づつ積んでいるのが中距離ミサイル。

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出典:本書79ページ

中距離ミサイルの略称はAMRAAM(アムラーム)だ。



その内側は増加燃料タンクだ。この他に、妨害電波を出すユニットなどを積む場合もある。

搭載する数々の武器を並べると次の写真のようになる。

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出典:本書61ページ

この本ではいくつかの曲芸飛行のパターンも紹介している。YouTubeではロシアのSU-30の驚くべき曲芸飛行が掲載されている。



この曲芸飛行のパターンはコブラやクルビットだ。

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出典:本書163ページ


プロペラ戦闘機の戦術も紹介

第2次世界大戦中にドイツ軍のエース・ヴェルナー・メルダースが生み出して、ほかの国でも取り入られた2機の戦闘機の編隊行動をベースとしたロッテ戦術や、アメリカのエースが生み出したサッチ・ウィーブ日本のゼロ戦の木の葉落としなどのプロペラ機時代の伝統的戦法も紹介されている。

写真や図解が多くてパラパラ眺めていても楽しい。さすが元F15パイロットだけあって、戦術や戦い方の説明もリアルだ。航空ファンにはこたえられない本だと思う。


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Posted by yaori at 23:00│Comments(1)TrackBack(0) 趣味・生活に役立つ情報 | 自衛隊・安全保障

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この記事へのコメント
F-2の内側の二本のミサイルは“アムラーム“ではありません。対艦ミサイルです。アムラームは中距離ミサイルなので、まったくの別物です。そもそもF-2はアムラームを使うことは2014現在ではできません。
Posted by 豚汁 at 2014年08月05日 23:44