2013年02月25日

ガリバー旅行記 本物はこんなストーリーだったんだ

ガリヴァー旅行記〈上〉 (福音館文庫 古典童話)ガリヴァー旅行記〈上〉 (福音館文庫 古典童話)
著者:ジョナサン スウィフト
福音館書店(2006-01-20)
販売元:Amazon.co.jp

図書館でたまたま目についたので、ガリバー旅行記を読んでみた。

上記の本の表紙は、筆者が子供のころに読んだものと同じ挿絵を使っている。チャールズ・ブロックという挿絵画家の描いたものだ。1894年作となっている。

上巻は小人国、文庫版の下巻の表紙は巨人国となっている。

ガリヴァー旅行記〈下〉 (福音館文庫 古典童話)ガリヴァー旅行記〈下〉 (福音館文庫 古典童話)
著者:ジョナサン スウィフト
福音館書店(2006-01-20)
販売元:Amazon.co.jp

ガリバー旅行記を読んだといっても、子供向けの本を読んだので、よく知られている小人国(リリパット)と巨人国(ブロブディンナグ)の第1,2編だけで、第3編と4編は読んだことがなかった。

ガリバー旅行記は全部で4編あるが、子供向けの本では、第3編と4編は省かれていることが多い。

第3編は空飛ぶ島・ラピュータがあるバルニバービという学者の国から始まって、ガリバーは次にグラブダブドリッブという魔法使いの国、ラグナグという不死の国、そして日本に旅する。

ラピュタとは、宮崎駿監督の「天空の城ラピュタ」の題材となっている(ことを実は、今回初めて知った)。



ガリバーが日本に来る部分は、非常に短い。三浦半島あたりで上陸して、江戸につれていかれ、最後は長崎から出国するというストーリーで、18世紀当時のオランダ人の書いた旅行記をパクっているものだという。

第4編は馬に似た理性的なフウイヌムと、人間そっくりのけだもののヤフーの国で、馬とサルと入れ替えれば、ちょうど猿の惑星のようなストーリーだ。



ガリバー旅行記の著者のジョナサン・スウィフトは1667年アイルランドに生まれ、聖職者としての活動のかたわら、政党の機関紙を出版したり、時事問題についての小冊子を多く発行した。

個人的には聖職者としても本来の望みだったイングランドの地位は得られず、持病の頭痛とめまいに悩まされ、家庭にも恵まれず、孤独のうちに1745年、76歳で亡くなっている。

人間に近いヤフーより、馬の姿かたちをしたフウィヌムに惹かれるガリバーは、孤独な生涯を送ったスウィフト自身の姿を投影しているようだ。

ガリバー旅行記はいくつかの出版社から出ているが、やはり福音館のものが挿絵が豊富でいい。昔は単行本だったが、現在は上下となった文庫版が出ている。

2010年には現代版ガリバー旅行記として映画化もされている。



本当のガリバー旅行記を再発見するためにも、読んでみる価値のある本である。


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Posted by yaori at 21:43│Comments(0) 趣味・生活に役立つ情報 | 小説