2013年11月03日

7つの会議 半沢直樹と同時にドラマ化されたもう一つの池井戸作品

七つの会議
池井戸 潤
日本経済新聞出版社
2012-11-02


大ヒットした「半沢直樹」シリーズと同じタイミングでNHKでドラマ化された池井戸潤さんの作品。

このブログでは池井戸さんの作品は「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」「ロスジェネの逆襲」などの「半沢直樹」シリーズや、「下町ロケット」「空飛ぶタイヤ」「鉄の骨」「ルーズベルト・ゲーム」など中小企業を舞台とした企業小説を紹介している。

この7つの会議は、他のどの池井戸作品とも異なる。主人公がいないのだ。「半沢直樹」が大ヒットして、NHKのこのドラマが陰に隠れたのは、そのせいだろう。

7つの会議








出典:NHK番組紹介ページ

大手電機メーカー・ソニックの子会社の東京建電は、住宅向け設備や家電製品、飛行機や電車のイスなどを製造している。会社の最重要営業部門である営業第1部の坂戸課長が、同じ課の万年係長・八角からパワハラで訴えられ、人事部付となる。

代わって営業第1部の課長になった原島は、板戸の処分には何か裏があることに気づく。飛行機や電車などに使われるイスで使われる重要部品のネジのサプライヤーが、数年前に入れ替わっていた。元は営業のエースだった八角も、自分が板戸おろしに使われた本当の理由を知るために乗り出す。

実はネジのサプライヤー交換は重大な意味を持っていたのだ。

主要な登場人物が出てくるたびごとに、その人の生い立ちとか家庭環境、経験とかを紹介するために、その人が主人公となったショートストーリーが出てくる。これの連続なので、主人公は誰かわからなくなってしまう。

アマゾンのカスタマー・レビューで、☆一つを付けた人が言っているように、ビジネスの現場を知っている人には、ありえない設定や展開だ。

なぜありえないか、一つヒントを書いておく。

サーバとPC、どちらもハードディスクが使われるが、サーバが高価で、PCが安いのはなぜだろう?

その違いは不良率と耐久性にある。もちろん材質も違うし、テストも厳しい。ネジは見かけは同じでも、材料となる棒鋼の規格は全く異なる。民生用と特注品と同じものが使われることなど、ビジネスではありえないのだ。

池井戸さんは元銀行マンなので、あまり実業は知らないなという印象を受けるが、小説は楽しめればいいので、「ありえないなぁ」と思いながらも、引き込まれてしまう本である。


参考になったら、投票ボタンをクリック願いたい。



Posted by yaori at 01:06│Comments(0)TrackBack(0) 小説 | 池井戸潤

この記事へのトラックバックURL