会社の読書家の友人から教えてもらった。
ドイツ留学時代に学生結社「コーラ・レノ・ニカーリア」のメンバーとなり、ドイツで2回決闘した経験のある京都外国語大学の 菅野瑞治也(みちなり)教授の本。
表紙の写真にある黒マスクをしているのが決闘者で、刀を持っているが白っぽい防着を着ているのがセコンドだ。
決闘の様子は、ドイツ語の"Mensur"のページに詳しいので参照してほしい。
菅野教授は3年弱のドイツマンハイム大学留学中に、友人から学生結社「コーラ・レノ・ニカーリア」の会員になるように誘われ、入会した。
ドイツの学生結社は、会員の精神的成長を目的に、メンズーア(決闘)を義務としているので、菅野さんも入会してから剣術の練習をやり、2回の決闘に臨んだ。
決闘といっても、個人間の問題を解決することが目的ではなく、結社会員の精神鍛錬を目的としているので、使う剣は先端が丸くなったもので、突きは禁止なので、死者が出ることはない。しかし、先端から10〜15センチは真剣で、当たるともちろんケガする。
団体戦もあり、真剣勝負のスポーツのような感じだ。
目、鼻、首、そして胴体や腕はワイヤーでできた防具をつけるが、目と鼻を除いた顔と頭は無防備だ。

出典:Wikipedia
だから決闘ではお互いに顔や頭にキズを受ける。
医者が決闘につきそうので、その場でキズの手当、縫合をしてくれるが、無麻酔なので、その痛みは尋常ではないという。
菅野さんも2回の決闘で顔と頭に刀キズを負っている。
いまだに、こんな決闘などが行われているとは信じがたいが、ドイツのビスマルク、ゲーテ、ニーチェ、マルクスなどもすべて決闘経験者なのだという。
決闘を経験することで、はじめてコーラ・レノ・ニカーリアの会員になれるという。決闘を会員資格として要求している学生結社は他にもあるという。
この本ではドイツでの学生結社での生活や、決闘の様子を詳しく紹介していて興味深い。こんな世界がまだあったのだと思う。
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