現役フリーアナウンサーの三橋泰介さんの本。
副題は「現役アナウンサーが教える『稼ぐ人』の話し方」となっている。
この本はアマゾンの「なか見!検索」に対応しているので、
ここをクリックしてまずは目次を見て欲しい。目次を読めば、大体の内容がわかると思う。
次の様な構成だ。
第1章 なぜいま「話し方」が求められるのか
第2章 「稼ぐ人」の話し方 3原則
第3章 「稼ぐ人」の話の組み立て方
第4章 「稼ぐ人」の話し方習慣
第5章 「稼ぐ人」のスピーチテクニック
年収が1分で決まるとは、1分程度であなたがどういう人かを判断されてしまうということだ。
エレベータートークの様に、簡潔に自分の考えを30秒〜1分で説明できなければならない。
それができれば「年収が上がる」のだ。
三橋さんは、「稼ぐ人」の話し方には次の3原則があるという。
原則1.本質を捉え、簡潔に伝える「要約力」
原則2.わかりやすく、広く伝える「マス伝達力」
原則3.相手を納得させる「WHYのあるストーリー」
原則1.の要約力の重要性は筆者も100%同感だ。実は、筆者がこのブログを書いている理由も、要約力をつけるためである。
筆者は大学に入学して、教養学部の
大森弥(わたる)先生のゼミを取った時に、自分の読解力・要約力のなさを痛感させられた。
たしか「組織のなかの人間」という翻訳もののテキストをつかった社会学のゼミで、2〜3章ごとに学生が手分けして要約を説明するというものだった。
大森教授は後期ゼミでは、社会学における幼児教育の重要性を理解するために、当時は世界的に有名だった「スポック博士の育児書」の英語版をテキストとして導入したので、筆者も読んだ記憶がある。当時読んだ本がプレミアム付きでアマゾンで売られている。
話が脱線したが、「著者は何ページで何々と言っている。」という様な引用をつなぎ合わせた説明しか筆者はできず、自分の言葉で内容を要約できなかった。
ところが、
北沢豪みたいな長髪で、麻布だか開成だか出身の学生は、きちっと自分の言葉で要約を説明して、本文の引用はゼロだった。
筆者は大変ショックを受けた。同じ大学1年生とは、とても思えなかった。
それ以降、要約力をつけるべく、読んだ本はあらすじを人に説明できるくらいまで理解するように心がけてきた。あの時の屈辱が、このブログを書く遠因になったともいえる。
今度紹介する中谷彰宏さんの「大学時代しなければならない50のこと」の中でも同様の話が出てくる。
中谷さんの本で、50のことの最初に出てくるのが:
1.「コイツはすごい」という人に出会う。
2.このままではヤバイ、と感じることを体験する。
の2つだ。中谷さんの場合は、早稲田大学に入って文化人類学の
西江雅之先生に出会ったのが、これはヤバイと感じたことだという。
原則1.の「要約力」の説明が長くなったが、原則2.の「マス伝達力」というのは、要は誰にでもわかる言葉で話せということだ。また、「WHYのあるストーリー」は、要は論理的な説明をしろということだ。
第3章「稼ぐ人」の話の組み立て方では、「稼ぐ人」の話の組み立て方として、次の9例を紹介している。
1.プレパ法
2.ホールパート法
3.そもそも法
4.帰納法
5.問題解決法
6.B−ファベ法
7.ギャップストーリー法
8.電気製品法
9.タイムマシン法
プレパ法というのは、一般的にはPREP法と呼ばれ、P=Point(結論), R=Reason(理由), E=Example(具体例), P=Point(結論)という、結論をまず最初に言うやり方だ。三橋さんはこれにA=After that(その後どうなる)を付けて、PREPA法と言っている。
ホールパート法は、まず全体に触れ、それから部分的な説明をするやり方だ。3がキーワードで、最初に「3つのポイントがあります。」とか切りだすやり方だ。
上記9例をすべて知っておく必要はなく、最初のプレパ法とホールパート法さえ覚えておけば足りると思う。
第4章の「稼ぐ人」の話し方習慣、では7例を紹介している。
たとえば、「グチュグチュ法」(このネーミングはなんとかならないのかと感じるが…)として、具体的な事例と抽象概念を組み合わせて説明することで、話の奥行き、説得力が生まれると説明している。
第5章の「稼ぐ人」のスピーチテクニックでは、「一番左後ろの人」を意識しようとか、「Zの視線」と「短い言葉」、アガらないこつなど、アナウンサーとしての経験を基にしたスピーチテクニックを紹介している。
「稼ぐ人」というコンセプトだと、第2章と第3章が役に立つと思う。簡単に読めるので、一度手に取ってパラパラめくってみることをおすすめする。
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