ハル・ビュエル
日経ナショナルジオグラフィック社
2011-12-15
ピューリツァー賞に写真部門が設けられた1942年から2011年までの受賞写真を中心とした写真集。
「ああ、あの写真」と思い出すものが多い。
日本人写真家が受賞した最初の写真は
社会党の浅沼稲次郎の暗殺の場面だ。
出典:
ナショナル・ジオグラフィック「ピュリツァー賞」
YouTubeに当時のNHKの映像がアップされている。
犯人は
山口二矢(おとや)という17歳の学生だ。これだけ日本刀の短刀をうまく扱えるのは背後に何らかのバックがいたからではないかと思う。
ちなみに山口は逮捕後、拘留中に自殺している。いまでも日本の右翼が毎年11月2日に「山口二矢烈士墓前祭」を開催しているという。
太平洋戦争中に硫黄島で米軍海兵隊が
すり鉢山に星条旗を立てている有名な写真もピューリッツアー賞を受賞している。
出典:
ナショナル・ジオグラフィック「ピュリツァー賞」
この写真に写っている6名の海兵隊員のうち、3名はその後数日で戦死したという。米軍にも大変壮絶な戦いだったのだ。
硫黄島の戦闘を題材にして、何本も映画が作られている。
古くはジョン・ウェインの「硫黄島の砂」
クリント・イーストウッドも「硫黄島からの手紙」を映画化している。
そのほかにも見た覚えがある有名な写真ばかりが収録されている。
たとえば次の写真だ。
出典:ナショナル・ジオグラフィック「ピュリツァー賞」
ハゲワシが飢餓で死ぬ直前の子供を見ている。この写真を撮ったカメラマンは、写真を撮るよりも、なんで子供を救わなかったのかという非難に晒され、ピュリツァー賞受賞直後に自殺している。
インターネットで
「ピュリツァー賞」で画像を検索すると、有名な写真がいくつも出てくる。
あらためて見直すと、時代を反映した写真ばかりが選ばれていることがわかる。
興味深い本である。
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Posted by yaori at 00:00│
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