2014年11月03日

人を生かす 稲盛和夫さんの経営相談

稲盛和夫の経営問答 人を生かす 新装版
稲盛 和夫
日本経済新聞出版社
2014-09-04


京セラの創業者・名誉会長で、破綻したJALの経営再建も見事にやり遂げた稲盛和夫さんの経営相談。

このブログでは稲盛さんの「生き方」など、何冊か紹介しているので、これらも参照してほしい。

生き方―人間として一番大切なこと
稲盛 和夫
サンマーク出版
2004-07


稲盛さんの生き方が、「必ず夢は実現する」というマンガになって京セラのホームページにeブックとして掲載されているので、稲盛さんのことを知りたい人は、まずはこのマンガを読むことをおすすめする。

稲盛さんに教えを受けようという経営者の集まりが盛和塾だ。盛和塾は現在74カ所、約9,000名の会員がいるという。

日本各地とブラジル(3カ所)、米国(カ所)、中国(11カ所)にも盛和塾がある。

この本は稲盛さんが盛和塾の塾生からの16の質問に答えたものだ。盛和会の塾生は中小企業の経営者が多いので、質問も父親が創業した中小企業の2代目社長からのものが多い。

カテゴリーとしては次の4つにまとめられているが、どれも企業経営ではよく直面する問題だ。

第1章 活力ある社風をつくる
第2章 社員の心に火をつける
第3章 幹部を育てる
第4章 自らを高める − 尊敬されるリーダーとなる

稲盛さんが熱心に、「あなたを弟だと思って」懇切丁寧に答えている。

中小企業はなかなかいい人材が集まらない。稲盛さんも創業した当時は、なかなかいい幹部をつくれなかったので、「孫悟空になりたい」と思ったという。

社長が必死になって、自分の思いを伝えてくれる「宣教師」のような幹部を養成するように、あらゆる機会を設けて、訴え続ける他はないという。

創業者の父親を継いだ2代目社長が「アレやれ、コレやれ」といっても、古手の幹部が動かないのは、組織が硬直化していることもあるが、よく説得して、納得させたうえで命令することをやっていないからだと。

「経営者は一流の心理学者でなければならない」。働く人たちの気持ちが、どう揺れ動くかが読めないようでは、経営者のうちに入らないと稲盛さんは言う。

中小企業には、そんな立派な社員が来るわけはない。京セラも零細企業から始まったが、当時はどこにでもいそうな人しか来てくれなかった。しかし、そういう人たちをまず大事にするということから始めなくてはならないと。

中小企業は、資金もあまりない、技術もない、徒手空拳で創業するケースが多い。そうすると、そこにあるのは社員を含めた人間の心しかない。

稲盛さんの思想の根底にあるのは、その人間の心を大事にしてあげなければ、人をまとめることはできないということだと。

稲盛さんも、創業当初は「稲盛和夫の技術を世界に問う」を目標に会社を創業したが、すぐに「全従業員の物心両面の幸福を追求すること」に目標を変えたという。

これに「人類、社会の進歩発展に貢献すること。」が加わっている。

「人の心は移ろいやすいが、ひとたび固い絆で結ばれると、これほど強いものはない」と稲盛さんは語る。

社長は社員を惚れ込ませなければならない。惚れ込ませるには、まず社員を大事にすることだと。

このような問答の最後に、次のような稲盛さんの「リーダーの役割10カ条」が紹介されている。

要諦1 事業の目的・意義を明確にし、部下に指し示すこと

要諦2 具体的な目標を掲げ、部下を巻き込みながら計画を立てる

要諦3 強烈な願望を心に抱き続ける

要諦4 誰にも負けない努力をする

要諦5 強い意志を持つ

要諦6 立派な人格を持つ

要諦7 どんな困難に遭遇しようとも、決して諦めない

要諦8 部下に愛情を持って接する

要諦9 部下をモチベートし続ける

要諦10 常に創造的でなければならない

これとは若干異なる「稲盛経営12カ条」が京セラホームページにある稲盛さんの特設サイトに掲載されている。

特設サイトには、稲盛さんのフィロソフィーキーワードが、紹介されており、稲盛さんによる解説へのリンクがあるので、興味のある人は特設サイトも見て欲しい。


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Posted by yaori at 01:12│Comments(0)TrackBack(0) 稲盛和夫 | 企業経営

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