2015年04月25日

フォルトゥナの瞳 ぐいぐい引き込まれる百田尚樹さんの新作

フォルトゥナの瞳
百田 尚樹
新潮社
2014-09-26


このブログでもあらすじを紹介した「海賊と呼ばれた男」につぐ、百田尚樹さんの長編小説。




フォルトゥナとはローマ神話の運命の女神だ。

死期が迫っている人間を見分けることができる能力がある木山は、幼いころに両親と2歳の妹を火事でなくし、それ以来、施設で暮らし、中学卒業とともに就職し、現在は自動車のポリッシングサービスの工場で働いている。

死期が迫っている人間は、まずは指が消えて見え、死に近づくにつれて体の部分や顔までもが透明となってくる。

そのように木山には見えるのだ。

木山は死期が迫っている工場の社長の運命を変えようと、自ら仕掛けて社長を災難から救う。

しかし、その途端に激しい動悸に襲われる。

他人の運命を変えてしまった時には、かならず自分の体も痛めつけられるのだ。

木山のポリッシングは好評で、社長は資金を援助して、木山を独立させる。木山は一国一城のあるじとして、事業は順調に拡大する。

ある日、木山は透明になりかかっている人の運命を変えようと、自ら働きかけるが、見知らぬ男に後ろから声をかけられ、制止される。

その男も人の死期が見えるのだ。

男は人の運命を変えると、自分の血管や心臓もダメージを受けると、木山に警告する。「神の領域に足を踏み込む」からだ。死神の邪魔をするなと。

木山は事故死するはずだった携帯電話の販売員の女性の運命を変え、それからその女性と付き合うようになる。

その女性と結婚まで夢見て、木山は二人で旅行にいく計画を立てるが、町のいたるところに、指や手が消え始めてる人が増えていることに気が付く。

多くの人が死ぬことになるのか…。木山と恋人はそれでも旅行にいくのか…。

といったストーリーだ。

映画「ゴースト」のシーンを思い出す



あの映画では、人間は亡霊を見られないが、亡霊は人間に働きかけられるという設定だった。、

この本では亡霊や死神は出てこないが、映画「ゴースト」の亡霊のような、他人には見られないものを見られる力を持った人間が、数名登場する。

感情移入がスムーズにでき、ぐいぐいひきつけられるストーリー展開だ。

360ページ余りの作品だが、一日で一気に読める。大変面白い小説である。


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Posted by yaori at 01:55│Comments(0)TrackBack(0) 小説 | 百田尚樹

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