2015年08月09日

いなくなった私へ 2014年「このミス」大賞優秀賞受賞作



2014年の「このミス(このミステリーがすごい!)」大賞優秀賞受賞作。作者の辻堂ゆめさんは、今年大学を卒業し、都内のIT通信企業に勤めているという

高校、大学の後輩の作品なので、読んでみた。

辻堂ゆめさんは、大沢在昌の「小説家講座」は受講していないと思うが、出てくるピース(話)がそれぞれ有機的に関連づいていない。小説の「トゲ」がないのが、「このミス」大賞で特別賞に終わった原因だと思う。

小説講座 売れる作家の全技術 デビューだけで満足してはいけない
大沢 在昌
角川書店(角川グループパブリッシング)
2012-08-01


「このミス」でも大賞は賞金1,200万円だが、特別賞は200万円を受賞者で分けるので、賞金は100万円だ。賞金100万円では、小説家として独立を目指すのは無理だろう。

出版不況の時代ゆえ、才能抜群の朝井リョウですらも、まずは出版社勤務の道を選んだので、辻堂ゆめさんも一般企業への就職の道を選んだようだが、大沢在昌のテクニックなどを学んで、才能を開花させてほしいものである。

武道館
朝井 リョウ
文藝春秋
2015-04-24




小説のストーリーはいつもどおり詳しく紹介しない。死んだ人の生まれ変わりがいくつも重なって、それぞれの登場人物のストーリーが絡み合っていくという展開だ。

インドの輪廻の泉の話があまり脈絡なく登場するが、なぜ死んだ人の生まれ変わりが、同じ場所、同じ時間に、同じ性別、同じ年齢で登場するのかを、もうすこし研究して欲しかった。1Q84みたいな展開でもよかったかもしれない。



400ページ弱の作品だが、展開にとまどいをいただきながらも引き込まれる作品である。


参考になれば投票ボタンをクリック願いたい。




Posted by yaori at 21:36│Comments(0)TrackBack(0) 小説 

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