2016年01月17日

ノルウェイの森 1千万部を超える村上春樹のベストセラー

今度あらすじを紹介する村上春樹さんの「職業としての小説家」が大変よかったので、村上春樹作品をいくつか読んでいる。

職業としての小説家 (Switch library)
村上春樹
スイッチパブリッシング
2015-09-10


まずは出世作の「ノルウェイの森」を読んだ。累計で1千万部売れたという超ベストセラーだ。






ビートルズの「ノルウェイの森」はビートルズの楽曲の一つとして、登場人物のレイコさんがギターで演奏する場面が出てくる。



インドの楽器、シタールが印象的な曲だ。ちなみに「ノルウェイの森」という曲のタイトルは誤訳とされている(ノルウェイの木材=安普請の部屋というような意味だそうだ)。

主人公は大学紛争が盛んだった1970年代の初めに入学した学生だ。大学のキャンパスはロックアウトされ、学生のロックアウトを機動隊が実力で排除していた時代だ。

筆者は1972年に大学に入った。最初の2か月は大学がロックアウトされていて授業がなかった。暴力的なものではなかったが、国立大学の授業料値上げに反対して、学生がキャンパスをロックアウトしていたのだ。

ちなみに当時の国立大学の授業料は月千円で、これを3倍の3千円にすることに学生が反対していたのだ。幼稚園より大学の方が授業料が安いといわれたものだ。

筆者の入学年度の学生は、変則的に最初の半年は月千円、残りの3年半は月3千円となっていた。筆者より1年上の年次までは、卒業まで月千円が維持された。当時の授業料は入学年度ごとに決まっていたのだ。

村上さんは筆者よりすこし年上だから、大学紛争が激しかったころを経験しているはずだ。

閑話休題。小説のあらすじは、いつも通り詳しく紹介しない。

大学で演劇を学び、いろいろな大学の学生が住む学生寮に暮らす主人公と、高校の同級生で、恋人が排ガス自殺してしまった女子学生の直子、それと主人公と同じ大学で演劇学を学ぶ実家の本屋が閉店してしまった同級生の緑が織りなす物語だ。

同じ学生寮に暮らす東大法学部の外交官志望の永沢さんや、直子が大学をやめて暮らす精神病療養所の同室の元ピアノ教師レイコさんなどがストリーにひねりを加える。

大学紛争の末期に大学に入った筆者は、同世代の話として、つい引き込まれてしまうストーリー展開で、大変楽しめた。

この小説は松山ケンイチ主演で映画化もされている。



どうでもいいことだが、映画では、永沢さんを演じるマッサンの玉山鉄二は、なめくじを食うシーンはあるのだろうか?たぶんゼリーで作ったなめくじを食べて演技するのだろうけど…。

これといった結論じみたものはないが、なめくじシーンに限らず、強烈な印象を残す小説である。


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Posted by yaori at 01:56│Comments(0)TrackBack(0) 小説 | 村上春樹

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