全部で5巻発行されている「日本でいちばん大切にしたい会社」シリーズの第2巻。
第1巻では、
このブログで紹介した知的障がい者が社員の7割を占め、ホタテ貝殻を使って粉の出ないチョークをつくっている日本理化学工業などが紹介されている。
今度は次の8社が紹介されている。
1.
株式会社富士メガネ(北海道)
「困っている人を助けたい」―世界の難民や中国残留孤児に「視力」を贈る感動のメガネ店
松下幸之助や司馬遼太郎が愛用したメガネをつくったことでも有名な株式会社富士メガネは、
世界の難民や残留孤児にメガネを贈る活動をしている。
日本で初めてUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)より「ナンセン難民賞」も受賞している。
2.
医療法人鉄蕉会亀田総合病院(千葉県)
「もう一度入院したい」と患者が言う病院のモットーは「Always say YES!」
先祖は江戸時代に長崎でシーボルトに西洋医学を学んだという
亀田家が運営する総合病院。
浅田次郎の「天国までの100マイル」のモデルにもなっている。
千葉県の鴨川市にある亀田総合病院は、最先端の設備と優秀かつ熱心なスタッフによるサービスだ。
その象徴がホテルのような病院・Kタワーで、この最上階に霊安室があるという。
出典:Wikipedia
このカラフルで奇抜なつくりの建物は、鴨川に行くと遠くからもよく見える。
亀田総合病院のモットーは、"Always say YES!"だという。
このブログで紹介したリッツ・カールトンのサービスのようだ。
3.
株式会社埼玉種畜牧場「サイボクハム」(埼玉県)
「日本人の食糧不足をなんとかしよう」―使命感に燃えて牧場を経営、「農業のディズニーランド」を実現する
元陸軍・獣医の笹崎龍雄さんが埼玉県で1946年に創業したサイボクハムは、日本の食糧自給率を上げることを使命としていた。
サイボクハムのウェブサイトには、創業者の
笹崎さんの「求道豚心」という小冊子がeブック形式で読めるようになっている。
本社・工場には、ミニゴルフ場、アスレティック、レストラン、売店、温泉館、子豚とふれあえるトントンハウスなどが併設されていて、買い物とレジャーが同時に楽しめるような施設となっている。
4.
株式会社アールエフ(長野県)
「小さな命をもっと救いたい」―世界が驚くカプセル内視鏡を開発。「人間の幸せ」を追い求める中小企業
小型のCTや、バッテリー不要のカプセル内視鏡を開発・販売している会社。
カプセル内視鏡は、社員の投票で、「Sayaka」という名前にしたという。初代の製品名は「Norika」だった。
社員食堂では、昼食は「くじ引きランチ」という形にして、くじ引きで昼食の時に座る席を決定し、社員同士のコミュニケーションを促進している。
女性活用にも積極的で、社員175名のうち、女性は1/3だが、部長職は2/3が女性で、課長以上の管理職は半分が女性だ。
病院向けの営業は訪問営業せずに、東京、名古屋、大阪、福岡に巨大なショールームのような店舗を置いて、ソファーやゆったりできる応接セット、子供の遊び場も用意されており、医師が子供連れでも、自由に訪問できるように配慮されている。
店舗にはアールエフの商品が展示してあり、実際に動かすことができるようになっている。
5.
株式会社樹研工業(愛知県)
社員は先着順で採用。給料は「年齢序列」の不思議な会社
プラスティックの射出成形の会社。自社の技術力の高さを示すために、
世界一小さな歯車などマイクロ成形品を製造している。
この会社には出勤簿もタイムレコーダーもなく、社員の採用は先着順だという。給料は「年齢序列」、最高齢の社員が最高給だという。
定年はなく、辞めたい時が定年の時としている。社員からは、「私が定年になったときは、子供を入れてほしい」と言われているという。
6.
未来工業株式会社(岐阜県)
「日本でいちばん休みの多い会社」だから、不況知らずの会社になれる
この会社は現在採用募集はしていないようだが、
会社のウェブサイトの採用ページに「社員への考え方」が述べられている。
「『社員への考え方』
当社は、社員の「やる木」を育てることを経営の柱にしています。
一日の大半を過ごす会社で、何から何までがんじがらめでは、社員はそんな会社のために努力しようという気が起きてくるはずもありません。
そのため、当社は、外せる制約はできるだけ外そうと考えています。
具体的には、作業服は自由にしました。1日の労働時間は7時間15分、年間休日日数は約140日という日本有数の休みが多い会社です。
ところで、個人の能力はまちまちです。個々人の能力に差があるのは仕方ないことですが、各々が持っている能力を100%発揮して、皆が力を合わせていくことが大切だと考えています。
また、社員はプラス思考をすることが大切だと考えています。経験則もないのに「もしも?・・・」というマイナス思考は禁句です。先ず、実行し、その先で万一問題点が発生した時にはその改善をする考え方が、会社発展の基本線です。
そして、何よりも、社員の自主性を尊重します。」
という具合だ。この会社では残業すると、罰金を徴収するという。
7.
ネッツトヨタ南国株式会社(高知県)
全盲の方と行く四国巡礼の旅で、人の本当のやさしさを学んでもらう
トヨタディーラーの顧客満足度で全国NO.1を続ける高知県にあるトヨタ車ディーラー。ショールームはホテルのラウンジのような雰囲気だという。
全車種試乗可能で、試乗期間は、2日間48時間だ。
2回目に訪問したお客は、入口の出迎えスタッフから「〇〇様、こんにちは」と名前を呼びかけられるという。
店の外にいるスタッフが入店してくる車のナンバーを読み上げ、それを別のスタッフがパソコン画面に入力すると、顧客の情報がわかるシステムを全社員が活用しているからだ。
まるで、
このブログで紹介した「リッツ・カールトンで学んだ仕事でいちばん大事なこと」のリッツ・カールトンのドアマンとフロントの連携サービスのようだ。
顧客の名前や住所のほか、何回目の来社か、前回は誰と来たのか、どこへ座ったか、どんな飲み物を注文したのか、コーヒーに砂糖を何個入れたか、ミルクを入れたか、どんな新聞や雑誌を読んだかなどを、詳細に記録するという。
8.
株式会社沖縄教育出版(沖縄県)
本当に世の中に役立つ事業をしたい。一人ひとりの命が輝く会社になりたい
「障がい者を受給者から納税者へ」、というモットーで、障がい者を積極的に活用している沖縄の会社。教育出版という社名だが、物品販売なども手掛けている。
第1巻は、感動を呼ぶストーリーが多かったが、この第2巻は、どちらかというとサービスが優れた会社や、社員扱いが優れた会社を取り上げている。第1巻を読んでから、次に進むとよいだろう。
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