2016年12月25日

韓流経営 LINE LINEの世界展開を推し進めた中心人物とは

韓流経営 LINE (扶桑社新書)
NewsPicks取材班
扶桑社
2016-07-02


日本発のSNS、LINE株式会社の成功の裏側をNewsPicksに移籍した「週刊ダイヤモンド」の4人の記者が取材した本。

NewsPicksとは、経済情報に特化したニュースサイトだ。

LINEは日本企業だが、親会社は韓国最大のIT企業ネイバーだ。ネイバーは韓国での検索サービスNO.1で、韓国ではGoogleを寄せ付けない73%という圧倒的なシェアを誇っている。

この本では、次の3つの疑問を記者が追いかけている。

1.誰が本当の経営者なのか?

2.どこが本当の本社なのか?

3.LINEはどのように開発されてきたのか?


ネタバレ的に事実を示すと、LINEのストックオプションのランキング(本書238ページ)で、この答えが大体わかる(数字は丸めている)。

1位 シン・ジョンホ(LINE取締役 CGO 最高グローバル責任者 10.3百万株(想定売却益 152億円)

2位 イ・ヘジン(ネイバー会長) 5.6百万株(82億円)

3位 イ・ジュンホ 1.6百万株(24億円)

4位 パク・イビン 11万株(1億6千万円)

5位 出澤 剛  9万7千株(1億4千万円)

6位 舛田 淳  9万5千株(1億4千万円)

14位 森川 亮 5万3千株(8千万円)

想定売却益は、取得株価を1,320円、公募価格の2,800円で計算したものだ。

上記のストックオプションのランキングは本書238ページに掲載されているが、元々の情報はIPOの時に公開されているLINEの有価証券届出書(新規公開時)の最後の「株主の状況」に記載されている。

これを見るとネイバーの二人が圧倒的な貢献度であることがわかる。LINEは、もともと東日本大震災の際に、電話が機能しなかったことを見たイ・ヘジンが、新たにインターネットを使ったコミュニケーション手法として日本に来て短期間に開発したものだ

LINEの世界展開は目覚ましいものがあると感じていたが、実は韓国にあるLINE+(プラス)が世界展開の中心となっており、初期段階で各国に送り込まれたのは韓国のLINE+の人材だった。

日本のLINEの社員がかかわることは、ほとんどなかったという。

LINEの開発や、世界展開では日本のLINEがかかわることは少なかったが、LINEのマネタイズ(収益アップ)には2010年に買収したライブドアの人材がおおいに貢献した。

スタンプを広告商品として開発したのだ。この本では、その初期のヒットが「 アメイジング・スパイダーマン」の映画キャンペーンの一つとして導入されたスパイダーマンのスタンプだ。



LINEのスタンプのおかげで、スパイダーマンの情報を受け取るフォロワーは113万人に達したという。

LINEは2016年7月にニューヨークと東京で同時上場した。東証のルールは上場会社の35%以上の株式がオープンな市場で取引されなければならないというものだが、同時上場の場合は、このルールは免除される。だから韓国ネイバーが株の80%強を保有したままLINEは東京市場で上場できたのだ。

筆者もLINEを使っており、家族間のコミュニケーションは、昔はメールだったが、今はほとんどLINEだ。非常に便利なLINEは、実は日本の会社というよりは、韓国の会社だったわけだが、そんなことはLINEの価値には関係ない。

世界にはFacebookが買収したWhatsAppという手ごわい競合がおり、LINEはアジア、WhatsAppは欧米というテリトリーわけができている。

上場で資金を得たLINEが、今後どのように世界展開を拡大していくのか。興味のあるところである。

上記のシン・ジョンホさんと、イ・ヘジンさんのリンク先の日経ビジネスの記事を見ただけでも、かなりの情報がわかるが、この本もわかりやすく、よくまとまっている。

お勧めの一冊である。


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Posted by yaori at 23:53│Comments(0)TrackBack(0)ビジネス | インターネット

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