2019年06月30日

私定時で帰ります あの業界は今どうなっているのか?




TBS系でドラマも放送されていた

私定時で帰ります
















11月にビデオが発売される。

わたし、定時で帰ります。Blu-ray
吉高由里子
アミューズ
2019-11-06


TBSのドラマでは、次のような配役だった。

主人公:東山結衣(吉高由里子)
婚約者:諏訪巧(中丸雄一)
元婚約者・種田晃太郎(向井理)
上司:福永清次(ユースケ・サンタマリア)
会社に住み着く非効率男・吾妻徹(柄本時生)
辞めたがりの新人男子・来栖泰斗(泉澤祐希)
仕事命の皆勤賞女・三谷佳菜子(シシド・カフカ)
双子を育てるワーキングマザー・賤ヶ岳八重(内田有紀)

小説のあらすじはいつも通り詳しくは紹介しない。

主人公の東山結衣はウェブ制作会社のディレクター。会社に住みついている様な非効率社員や、絶対に会社を休まない皆勤賞社員までいて、残業が普通の職場の中で、定時退社を宣言し、それを貫いてきた。

今はリタイアした父親が、現役の時には仕事優先で、家庭を顧みないモーレツ社員だったことも、反面教師として、定時退社を貫く理由となっている。父親の好きなCMソングが、「リゲイン」のCMだ。



筆者が思うに、極めつけは次のCMだ。



結衣は、仕事では生産性を上げて時間内にやるべきことを片付け、退社後は行きつけの中華料理屋でビールを楽しみ、婚約者もいる。仕事と私生活を楽しむタイプだ。

一方、結衣の元婚約者は、やり手のウェブディレクターで、生産性は断トツに高いうえに、仕事のためには連続徹夜も辞さないのめり込むタイプ。結衣との婚約が解消されたのも、徹夜続きで両家挨拶の日に自室で倒れていたためだった。

その元カレが、上司とともに結衣の会社に移ってきたことから、結衣の定時退社生活に波風が立ち始める。新しい上司が、コネのある先から採算割れの注文を受けてしまったのだ。

これをなんとかこなすため、結衣が指導する新人社員、双子を育てるワーキングマザーなど、周りの人も巻き込んで、事態は進んでいき、最後には…というストーリーだ。

インパール作戦もキーワードとして登場する。




筆者も2007年までインターネットサービスの会社に出向していたので、ウェブ制作の仕事には、なじみがある。

ウェブサイトをリニューアルした時には、サイトチェック(入力画面からの動作や、リンクなどが正しく表示されるかを、手分けしてすべてのページをチェックする)のために、副社長の筆者も他のスタッフと一緒になって、会社で徹夜で検証にあたったこともある。

その時は、ウェブ制作担当者が1000ページほどもあるチェックリストをつくって、各人の担当をきめて配布し、自分の担当の数十ページ分の動作、リンクを一個一個チェックする。不具合があると、そのチェックリストに「表示されない」や「リンク間違い」などと記入して、間違って表示されるページを画面印刷して、ウェブ制作者にチェックリストと一緒に戻すのだ。

今はたぶんかなり自動化できているのだと思うが、当時はウェブ制作は相当手作業の部分が多かった。

ウェブ制作者はクリエイターなので、やはりセンスのある、なしが問われる。センスのあるウェブ制作者は、独立していろいろな会社から注文を受けていた人もいた。今は、たぶんこの小説の舞台となったようなウェブ制作会社を立ち上げているのだと思う。

多くの会社は「働き方改革」で、残業を厳しく管理して、極力規定範囲内の残業に抑えていると思う。小説では、この会社の社長も同様に残業を減らす方針だったが、残業を強いられる職場も、まだあるかもしれない。そんなことを考えさせられる楽しめる小説だった。


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Posted by yaori at 21:30│Comments(0) インターネット | 小説