2015年12月31日

日本とトルコ合作の映画 海難 1890を見た

日本とトルコ合作の映画「海難 1890」を見た。



英語の字幕版もある。



kainan1890
















出典:海難1890サイト

トルコでも同時に公開されている。これがトルコ語の予告編だ。



以前、このブログの「トルコ世界一の親日国」のあらすじで紹介したように、筆者のピッツバーグ時代の隣人の元ピッツバーグ・スティーラーズ ラインバッカー トーンチ・イルキンはトルコ出身だった。



ピッツバーグで家を買った時、トーンチとシャロンのイルキン夫妻が挨拶に来てくれて、「自分はトルコ人だ。なんでも困ったことがあったら言ってくれ。是非遊びに来てくれ。」と言ってくれたのだ。

当時はトルコ人が世界一の親日家だとは知らなかったので、なぜ「自分はトルコ人だ」などと言うのか不思議に思っていた。

トルコは世界一の親日国なのだ。そしてトーンチのような2歳でアメリカに移住して、言われなければトルコ人とわからない人でも、日本に対する親愛の情があったのだ。

この映画は1890年に台風の為に難破したトルコの軍艦エルトゥールル号を和歌山県串本町の住民が助けたことと、それから95年後にイラン・イラク戦争が勃発した時に、トルコ政府が日本人救出のためにトルコ航空機を提供してくれたことを題材にしている。

非常に感動的な映画だった。

トーンチにもこの映画のことを連絡しようと思う。

トルコではエルトゥールル号遭難の話は教科書にも載っているというが、日本ではまだ知らない人も多いと思う。

是非この映画を見て、多くの人がトルコへの親近感を抱いて欲しいものだ。


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2015年12月20日

スターウォーズ 最新作 フォースの覚醒を見た

12月18日に全世界で公開されたスターウォーズの最新作:フォースの覚醒を見た。





メイキングも公開されている。



実に鮮明な画面で、映画を見ているような気がしない。まるで本物のようだ。

ストーリーは帝国軍の後継・ファースト・オーダーが星を丸ごと破壊できるような新兵器を開発したことから、これを破壊するために、反乱軍がX-ウィング・スターファイターによる攻撃隊を編成して送り込む。

スターウォーズの最初の作品のエピソード4と同様のストーリーだ。




女性主人公のレイが、宇宙船のスクラップ回収で生計を立てているというのもアナキン・スカイウォーカーと同じだ。

攻撃隊には、スターウォーズの英雄ハリソン・フォードが演じるハン・ソロとか、チューバッカなども昔の宇宙船の ミレニアム・ファルコン号を操縦して加わっている。

ハン・ソロは反乱軍の将軍となっているレイア姫との間に子供がいるが、子供はフォースの影響で、帝国軍のカイロ・レンという指揮官になっている。

そのカイロ・レンと父親のハン・ソロが対面する場面もある。ルークとアナキン・スカイウォーカーの対面の場面を思い起こさせる。

もともとスターウォーズはジョージ・ルーカス監督が構想したもので、当初は全9話だったのが、全6話に短縮され、2005年に公開されたエピソード3「シスの復讐」で一旦完結していた。

それをディズニーがルーカスフィルムを買収し、原案通り9話に仕立て、その第1弾がこのエピソード7だ。

昔のキャストがまた出ているのも楽しい。

現実を忘れ、思わず映画に引き込まれてしまう。全世界で映画の興行収入記録を塗り替えるだろう。大変楽しめる映画だった。


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2014年04月10日

永遠の0(ゼロ) 映画を見た

2014年4月10日追記:

映画が公開されてだいぶ経つが、ロングラン公開されているので、遅ればせながら映画を見た。広い劇場で、ほとんど人がいなかったので、ゆったり映画鑑賞ができた。



話に聞いていた通り、戦闘シーンも迫力あり、特に空母赤城の再現が見事だった。

エレベーテッド・フロアというか、2層構造となっている空母の構造がよくわかった。また、ミッドウェー海戦で米軍機の爆撃で赤城の格納庫に並んでいた爆弾を積んだ飛行機が爆発するシーンなど、大変迫力あった。



映画のストーリーは小説とは若干違うが、よくできた脚本だと思う。

以前日経新聞電子版で読んだ、百田尚樹さんのインタビュー記事で、百田さんが感心したという山崎貴監督の脚本だけに、なるほどと思った。



俳優陣も、この映画を撮り終えてすぐに亡くなった夏八木勲さんといい、主人公の宮部久蔵役で、現在放映中のNHKの大河ドラマ「黒田官兵衛」の主役で大人気の岡田准一はもちろん、凖主役の三浦春馬吹石一恵井上真央、脇役の橋爪功といい、大変すばらしい演技で、2時間半の映画に完全に没頭することができた。

原作者の百田尚樹さんは、上記のインタビューで「10年に一度の傑作」と言っている。10年に一度かどうかわからないが、いままでほとんど日本映画を見たことがない筆者が、これからも日本映画を見ようという気にさせるほどの傑作であることは間違いない。


2014年1月11日追記:

映画「永遠の0」が昨年12月に公開された。見てきた人の話では、CGを使った戦闘シーンや空母赤城の再現など、大変迫力ある楽しめる映画だったということだ。



予告編を見てもたしかに面白そうだ。今度見に行こうと思う。

2012年5月22日追記:

いつもは500人/日前後のこのブログのユニークユーザー(UU)数が、5月21日に一挙に1,000人を超えた。

やはり清武さんのナベツネ告発本に興味がある人が多いのかな?と思っていたら、なんのことはない”永遠の0”で検索してこのブログを訪問する人が急増していた。

どうやら”永遠の0”の映画撮影が順調に進んでいるという報道が流れたからのようだ。

V6の岡田准一が丸坊主になるということでも話題になっているらしい。

あらすじを再掲する。映画公開が楽しみだ。


2011年9月21日初掲:

永遠の0 (講談社文庫)永遠の0 (講談社文庫)
著者:百田 尚樹
講談社(2009-07-15)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

図書館でリクエストして百田尚樹さんのデビュー作の「永遠の0」を読んだ。

単行本は2006年、文庫本は2009年に出ているが、依然人気が高く、2ヶ月ほど待ってやっと手に入れた。

このブログでも紹介した「靖国への帰還」の様な小説ではないかと思っていたが、「永遠の0」は特攻で26歳で戦死した祖父の戦友を訪ねて話を聞くというストーリーだ。

靖国への帰還靖国への帰還
著者:内田 康夫
講談社(2007-12-15)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

昭和16年12月に真珠湾攻撃で始まった太平洋戦争開戦から、昭和20年8月の敗戦までの一連の流れを生き残った戦友の口から語るという形で、真珠湾攻撃や珊瑚海海戦ガダルカナル島の激闘、ラバウル航空隊ミッドウェー海戦、そしてマリアナ沖海戦沖縄戦フィリピン戦特攻特攻ロケット兵器桜花などについて説明している。

主人公の祖父は日本海軍のゼロ戦パイロットで、撃墜数何十という超エースながら、「生きて帰りたい」と希望を常に語る当時であれば許されないヒューマニスト軍人で、なぜか終戦直前に特攻に志願して戦死するという設定だ。





次が靖国神社の遊就館に展示されているゼロ戦だ。

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出典:以下特に記載ないかぎり出典はすべてWikipedia

戦友の話は資料に基づいて構成しているのだと思うが、圧倒的な戦力と最新鋭軍事技術、そして数ヶ月戦闘に従事すれば、休暇で帰国できるという余裕をもった米軍と対比して、特に補給戦において様々な戦略の誤りを犯し、兵隊・下士官を死ぬまで酷使して消耗品扱いする日本軍のリアルな描写にはフィクションとはいえ思わず引き込まれる。

当初はゼロ戦の敵ではなかったF4F

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そしてアリューシャン列島でほぼ無傷で捕獲されたゼロ戦を徹底的に研究して投入されたF6Fコルセア戦闘機

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「マリアナの七面鳥狩り」と呼んで日本軍のカミカゼ攻撃をほとんんど無力化したVT信管(電波で飛行機を感知すると自動的に爆発する)などの説明もわかりやすい。

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小説のあらすじは詳しく説明すると読んだときに興ざめなので、この程度にとどめておく。予想外の最後の展開に驚くことをつけくわえておく。

文庫で600ページもの小説だが、一気に読めて大変楽しめる作品である。


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2013年02月19日

華氏451 「図書館戦争」のさきがけ?

華氏451度 (ハヤカワ文庫SF)華氏451度 (ハヤカワ文庫SF)
著者:レイ ブラッドベリ
早川書房(2008-11)
販売元:Amazon.co.jp

クイズ王選手権だったか、クイズに出題されていたので「華氏451」を読んでみた。この小説はフランソワ・トリュフォー監督により映画化もされているので、映画も見た。

華氏451 [DVD]華氏451 [DVD]
出演:オスカー・ウェルナー
ジェネオン・ユニバーサル(2012-05-09)
販売元:Amazon.co.jp

フランソワ・トリュフォー監督は、スピルバーグの「未知との遭遇」でもフランス人宇宙科学者として登場する。

小説と映画とはエンディングが異なり、映画の方が分かりやすいエンディングとなっている。

映画の予告編で大体のストーリーがわかると思うので、YouTubeに載っている予告編を紹介しておく。



クイズでも出題されていた通り、華氏451度とは紙が燃える温度と言われている。

小説のあらすじは詳しくは紹介しない。

近未来に言論コントロールが発動され、国民はみんな「兄弟」としてテレビを通して啓蒙・連絡される。本など紙の媒体はすべて禁止され、本を持つことはもちろん、本を読むことも禁止されるという設定だ。

そして主人公は消防士ならぬ放火士となって、本を隠し持っている人を見つけては、火炎放射器で本を焼き払うという職業についている。

映画ではこの焼却隊の出動の場面と音楽が印象深い。



映画ではアカデミー賞受賞女優のジュリー・クリスティが、主人公に本を読むことを勧めるクラリスと、主人公の奥さんのリンダの一人二役で出演している。

以前紹介した有川浩の「三匹のおっさん」を読んだ後、有川浩の他の作品の「図書館戦争」なども読んでみた。「図書館戦争」は「華氏451」の発展形のような形となっている。

図書館戦争  図書館戦争シリーズ(1) (角川文庫)図書館戦争 図書館戦争シリーズ(1) (角川文庫)
著者:有川 浩
角川書店(角川グループパブリッシング)(2011-04-23)
販売元:Amazon.co.jp


現代ではたとえ紙の本を禁止したとしても、電子ブックやウェブに掲載されているデータをプリントすれば、本は読める。

ストーリーとしては、もちろんあり得ない話ではあるが、政府などの本の検閲に反対する隠喩を持った小説・映画である。

映画は1966年の作品なので、古臭い場面もある。

通勤手段がモノレールとなっている点は良いとして、電話がロータリー式電話以前の、通話器と聴取器にわかれた形式のものとなっていて、電話交換手が人手でつないでいるのは、ジョークかもしれない。

電話機






電話機








出典:Wikipedia

未来の世界では双方向テレビで人々がコントロールされるというストーリーは、独裁国家が将来も存続するのであれば、今後ありうるかもしれない。

小説は翻訳がやや読みにくいので、まずは上記のYouTubeの予告編(ナレーションは英語)で、どんな内容か見てみることをお勧めする。


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2012年12月11日

"Physics for Future Presidents"再掲 「核の脅威」DVDを見た

2012年12月8日追記:

以前紹介した"Physics for Future Presidents"のリチャード・ムラー教授の、核の脅威についての講義がDVD化されたので、図書館で借りて見た。

ナショナル ジオグラフィック〔DVD〕 今この世界を生きているあなたのためのサイエンス 核の脅威ナショナル ジオグラフィック〔DVD〕 今この世界を生きているあなたのためのサイエンス 核の脅威
日経ナショナル ジオグラフィック社(2011-03-11)
販売元:Amazon.co.jp


カリフォルニア大学バークレー校のムラー教授の物理学の授業は、YouTubeで全編が公開されている。



YouTubeの講義は75分と長いが、こちらのDVDは50分にまとめ、映像を入れてわかりやすく説明している。

このDVDの裏表紙の写真は、ウラン濃縮をモデル化したものだ。

scanner420





円筒形のものが遠心分離機で、ウランをガス化して遠心分離機にかけ、音速以上のスピードで回転させる。安定化しているウラン238は外側に引き寄せられ、軽いウラン235は中心部に集まる、それを上からチューブで吸い出すのだ。

ムラー教授の写真と重なっている同心円の図は、この濃縮の過程を示している。

そしてこのプロセスを何度も何度も繰り返すことによって、天然ウランには1%弱しか含まれていないウラン235を濃縮する。発電用には3−5%のウラン235が必要で、原爆用は90%以上の濃度のウラン235が必要だ。

原子核を構成する陽子と中性子はお互いに「核力」と呼ばれる引力で引っ張りあって結合しているが、外から中性子が入ってくると、その結合が切れて核分裂が起こる。

このように核分裂はウラン235に中性子を当てることによって、引き起こされる。ウラン235が核分裂すると2個の中性子を放出し、これが他のウラン235の核分裂を引き起こし、核分裂反応が連鎖するのだ。

このリアクションを次のようにネズミ取りとボールを使って説明しているのは分かりやすい。

次のような整然としたネズミ取りに外からボールを一個当てる。

連鎖反応1



そうすると原子爆弾は次のように連鎖反応が起こり、すべての原子核が分裂する。

連鎖反応2



ところが、原子力発電では核分裂しても1個の中性子しか飛び出さないので、連鎖的に反応は起こるものの、核分裂するのは1個づつで、コントロールされた状態である。

連鎖反応3



また原子炉の反応容器は、鉄とコンクリートで何重にも保護されているので、たとえ9.11のように飛行機が突っ込んできても安全なのだと説明されている。

原子炉イラスト









このイラストの中心部の緑色のものが、原子炉の反応容器だ。それに比べて二重三重になっている格納容器と原子炉建屋の大きさがわかると思う。

コンクリートの厚さが誇張されていると思うが、それにしても東京電力福島発電所の原子炉と比べると、福島発電所の格納容器と原子炉建屋の構造が脆弱だったのか明らかだと思う。

福島原発構造





出典 大前研一 H2Oプロジェクト報告書 資料 11ページ

非常にわかりやすいビデオで参考になった。


2010年9月9日追記:

以前紹介したカリフォルニア大学バークレー校のムラー教授の本の翻訳本が出版された。

今この世界を生きているあなたのためのサイエンス〈1〉今この世界を生きているあなたのためのサイエンス〈1〉
著者:リチャード・A. ムラー
販売元:楽工社
発売日:2010-09
クチコミを見る

原題は"Physics for future presidents"、つまり「未来の大統領のための物理学」だったが、邦題は「今この世界を生きているあなたのためのサイエンス」というものになっている。

全然インパクトない題だが、果たして米国のようにベストセラーになるのだろうか?ちょっと疑問なところではある。どうせ邦訳するなら、原著には入っていないが、サイトでは公開されているアンタイマター(反物質)とかタキオンとかの講義も入れて欲しかった。

いずれにせよ邦訳も原著も内容は変わらないので、原著のあらすじを再掲する。


2010年5月19日初掲:

Physics for Future Presidents: The Science Behind the HeadlinesPhysics for Future Presidents: The Science Behind the Headlines
著者:Richard A. Muller
販売元:W W Norton & Co Inc
発売日:2009-09-21
クチコミを見る

Physics and Technology for Future Presidents: An Introduction to the Essential Physics Every World Leader Needs to KnowPhysics and Technology for Future Presidents: An Introduction to the Essential Physics Every World Leader Needs to Know
著者:Richard A. Muller
販売元:Princeton Univ Pr
発売日:2010-04-13
クチコミを見る

University of California Berkeley校リチャード・ムラー教授の「未来の大統領のための物理学」と題された初歩的な物理学講義。iTunes Storeのアカデミー編iTunes Uで全編無料公開されている。ムラー教授の名前の呼び方について、講義のなかで学生の質問に答えている。ムラーだと。

上のペーパーバックがまとめで、ムラー教授によると”学生が帰省して両親や友人に講座紹介用にプレセントするための本”。下が講義テキストで、講義の必読書だ。ペーパーバックは講座のほぼ半分の内容をカバーしている。

YouTubeでも講座は公開されている。



YouTubeで公開されている講座の中では、上が一番人気の授業だ。授業の最初で紹介されている隕石が出てくるトヨタのCMには度肝を抜かれることだろう。


ベストセラーとなった「フリー」の「なぜ大学が講座を無料公開しているのか」というコラムで紹介されていたので読んでみた。

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
著者:クリス・アンダーソン
販売元:日本放送出版協会
発売日:2009-11-21
おすすめ度:4.0
クチコミを見る

大学の物理学の講義というよりは、池上彰さんの「ニュースがよくわかる」シリーズのようだ。テロ、原子力、環境問題、地球温暖化などの話題にかかわる物理の基礎知識をわかりやすく解説している。

ニュースがもっとよくわかる本ニュースがもっとよくわかる本
著者:池上 彰
販売元:海竜社
発売日:2009-09-11
おすすめ度:3.5
クチコミを見る


全講義をネット公開

米国の大学講義を聞くことは、以前は留学しないとできなかったが、今は多くの大学が看板教授の有名講座をインターネットで公開している。

YouTubeでもスタンフォードなどの特設チャンネルがあるが、iTunes StoreでもiTunes Uというアカデミー編特設ページをつくっている。ムラー教授の"Physics for future presidents"も2006年からすべての講義の映像と音声が公開されており、無料でダウンロードできる。

iTunesU








英会話教室のNOVAが「お茶の間留学」という宣伝文句で一躍有名になったが、いまやインターネットで、世界の有名大学の著名講座が聴講できる時代になった。


物理の教科書を英語で読む?

「物理の教科書を英語で読む」と言っただけで、「物理」と「英語」の2大障壁があって、拒否反応があるかもしれないが、難しい単語はほとんど使っていないので、英語でもわかりやすい。

日本の物理の本のように、頻繁に数式が出てくることはない。300ページ強の中に、簡単な数式が数回出てくるだけなので、数式アレルギーの人も問題ない。

いずれ日本語訳も出るとは思うが、英語でも十分わかりやすいと思う。値段も1,500円くらいと手ごろだし、英語の本に一度チャレンジしたいという気持ちがある人には、英語の勉強と最新の広範な科学情報がわかって一挙両得なので、是非お勧めする。


テロの物理学

この本の最初に来るのがテロリズムという章だ。9.11、テロリスト原爆、次のテロリスト攻撃、バイオテロといった項目が並ぶ。

ジェット燃料を満載したジェット機は、実は1.8キロトンのTNT火薬と同じ爆発力を持つ。北朝鮮の原爆実験より威力が大きい。加えて、ジェット燃料の高温燃焼により建物の骨組みの鉄が溶ける。一つの階が崩れ落ちると、ハンマーのような効果で続々と下の階を直撃し、一挙にビルが崩壊した。

9.11当時は、乗員はハイジャッカーを逆上させないために、要求を拒否しないように指示されていたから、犯人はコクピットに侵入できた。しかし9.11以降はコクピットは施錠して、絶対に外部者は入れないルールになった。

ハイジャッカーが持ち込んだ靴爆弾が検知できるX線写真なども紹介されていて興味深い。


エネルギー問題の基本

エネルギー問題について、考え方を整理するために物理的な知識を使っている。

現代の文明は石油に多く依存している。だから、まずはエネルギーとしてのガソリンと他のものとの比較だ。

同じ重量で比較した場合:

石炭     0.5
メタノール  0.5
エタノール  0・66
ブタノール  0.9(将来有望なバイオ燃料)
ガソリン   1
天然ガス   1.3
液化水素ガス 2.6
核分裂    200万倍
核融合    600万倍
反物質    20億倍(反物質=Antimatter


Antimatterとは

反物質は名前も”Antimatter(英語の発音はアンタイマター)”とミステリアスな名前だし、核融合(水爆)の300倍という高エネルギー効率から、SFではスタートレックの宇宙船エンタープライズの燃料などに使われている。



ダン・ブラウンの「ロストシンボル」の前の作品の「天使と悪魔」では、スイスのCERNで開発されたAntimatterを使った爆弾がバチカンに持ち込まれるという設定だった。

天使と悪魔 コレクターズ・エディション [DVD]天使と悪魔 コレクターズ・エディション [DVD]
出演:ユアン・マクレガー
販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日:2010-04-28
おすすめ度:5.0
クチコミを見る

この本ではAntimatterのことは詳しく触れていないので、iTunes Uで、ムラー教授の2008年Springの"E=MC~2、Antimatter, Tachyon"の講義を聴いてみた。英語でも結構わかりやすかった。

途中でクイズを配って、答案を回収するのに15分くらい無音の部分があるが、これは本物の講義ならではの、ご愛敬というところだ。

Antimatterは現在PET(ポジトロン断層法)というガンの早期発見設備として多くの病院で広く使われている。半減期が20分と短い炭素の同位体であるC11をつくることにより割合簡単にAntimatter(陽電子)を発生させて、小さなガン組織も検出することができる。

Antimatterは決してミステリアスな物質ではないと、ムラー教授は語る。


温暖化防止のカギを握る石炭

世界の温暖化に関しては、まずは石炭の燃料としての価格の安さと潤沢さを理解させている。

石炭は最も潤沢な鉱物資源で、埋蔵量も現在の消費の数千年分ある。これに対して石油はせいぜい100年、天然ガスでも数百年だ。エネルギーとしての価格も安い。次の表は発電に使われた場合の1KHWあたりの発電コスト比較だ。

C=USセント

石炭      0.4〜0.8C(価格 $40〜80/Ton)
天然ガス    3.4C(価格 $10/Million cubic feet)
ガソリン    11C(価格 $3.70/ガロン)
カーバッテリー 21C(価格 $50/個)
単三電池    $1,000(価格 $1.50/個)

次の図は中国、インド、そして比較のために日本のエネルギー需給を表したものだ。

energy balance China






energy balance India







energy balance Japan







中国やインドなどの開発途上国にも低品位炭なら、ふんだんにあるので、いずれの国でも石炭が主力エネルギー源だ。

石炭はC(炭素)のみで、CH(炭化水素)が中心の石油に比べてCO2排出量は多い。しかも石炭の不純物の中から環境に有害なNOXや酸性雨の原因となるSOXが発生するので、環境にやさしい燃料ではない。

しかし経済発展を目指す中国、インドの2大国のエネルギー確保のためには、自国にふんだんにある石炭資源の活用は当然で、問題はエネルギー確保問題と地球環境をどう両立させるかだ。


地球温暖化についてのIPCCの結論

地球の温暖化については、ムラー教授は科学者らしく、慎重に言葉を選びながらコメントしている。国連と国際気象機構が創設したIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)の2007年の温暖化についての結論は次の通りだ。

The observed widespread warming of the atmosphre and ocean, together with ice mass loss, support the conclusion that it is extremely unlikely* that global climate change of the past fifty years can be explained without external forcing, and very likely** that it is not due to known natural causes alone."

*extremely unlikely = 5%の可能性
**very likely = 90%の可能性

これをムラー教授が普通の英語に翻訳すると、次の通りとなる:

The observed warming from 1957 to now is extremely unlikely (5% chance) to result from ordinary climate variations. Something must have forced it to change (such as natural solar variability or human CO2). It is very likely (90% chance) that humans are responsible for at least some of the warming.

ひとことで言うと、CO2排出などによる人為的温暖化が地球温暖化の犯人である可能性はグレーということだ。

大気中のCO2濃度は、産業革命以来ここ100年で間違いなく上昇している。

Carbon_Dioxide_400kyr






出典:Wikipedia(以下別注ない限り出典同じ)

そしてその発生源は化石燃料が圧倒的に多い。

Global_Carbon_Emission_by_Type_ja






もっとも、ここ100年で約36%CO2濃度はあがったといっても、0.038%(380PPM)で、大気中では微量にすぎない。

アル・ゴアの「不都合な真実」は、アル・ゴアとIPCCのノーベル平和賞共同受賞につながったが、地球温暖化の原因は文明活動によるCO2排出量の増大だと結論づけるために、都合の良い事実をチェリーピッキングしているという。

CO2濃度が上がり、温度が上がると海水が水蒸気になって蒸発し、雲をつくる。雲はシールドとなって、逆に気温を下げる効果がある。雲の発生は科学モデルでは予測できないので、一概にCO2上昇が地球温暖化の原因とは結論づけられないのだ。

映画で出てくるハリケーンの被害増大は必ずしも地球温暖化の影響とは結論付けられない。映画で出てくる死んだホッキョクグマは正確には4頭だけだという人もいる。アラスカの地表隆起現象は間違いなく起きているが、その原因は中国の石炭火力発電所が大量に放出する煤(すす)の影響かもしれない。

アル・ゴアは社会活動家なので、許されるかもしれないが、科学者ならば事実を冷静に見て、都合の良い事実も不都合な事実も両方発表すべきだと語る。


その他の特記事項

あまり詳しく紹介すると本を読むときに興ざめなので、参考になった点を箇条書きで紹介しておく。

★放射線被曝などでガンで死ぬ人の比率が上がったと時々報道されるが、外部要因がなにもなくても統計的に人口の20%はガンで死ぬ。だからベース20%からどれだけ増加したかを見極める必要がある。

水素爆弾は、いまだに軍事機密の部分がある。(次が水爆の構造図だ)

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プルトニウム型原子爆弾を起爆装置として用い、この核分裂反応で発生する放射線と超高温、超高圧を利用して、水素の同位体の重水素や三重水素の核融合反応を誘発し莫大なエネルギーを放出させる。そして水爆は致死性の高い死の灰を撒き散らす。

常温核融合を発明した人は(1)ノーベル賞を受け、(2)億万長者となり、(3)人類のエネルギー問題を解決した人として歴史に名を残すとムラー教授は語る。

★GRACE(Gravity Recovery and Climate Experiment)衛星は地球の重力の差を感知できるので、恐竜を絶滅させたといわれる隕石の衝突跡をメキシコのユカタン半島のChicxulub(チクシュルーブ)で発見した。また同衛星は、北緯38度線の地下に掘られた北朝鮮の秘密トンネルも発見したという。


ムラー教授のリコメンデーション

最後にムラー教授は地球温暖化についてのリコメンデーションを挙げている。それはエネルギー消費を抑えることだ。効率を上げて、消費を抑える。これによりエネルギー消費も削減できる。

もし自分が大統領ならこうする、ということで次のような方策を提案しているのも参考になる。

★法律で車の燃費効率を引き上げる

クリーンコールを推進し、CO2埋没計画を推進する

★原子力発電を推進し、原子力廃棄物の永久貯蔵計画を推進する

★中国とインドには、最新式コンバインドサイクル石炭ガス化発電所(IGCC)を建設し、CO2排出権取引によるインセンティブが得られるようにする。

★ソーラーと風力発電の技術開発を支援する

★とうもろこしからのバイオ燃料生産の補助金をやめ、スィッチグラスなどからのバイオ燃料生産を推進する

★白熱電球から蛍光灯やLED灯への転換を促進する

★住宅の断熱性能を上げ、クールルーフを推進する

我々がエネルギーを浪費していることは、ある意味良い知らせだという。日本政府のエコポイントがまさに国全体の省エネをポイントを付けることで、推進しようという政策だ。

自分でも実行可能なことが多い。家電の買い換えも含めて、省エネ生活を検討しようと思う。セーブエナジー・セーブアースだ。


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2012年11月24日

陳凱歌監督のドラマ 「北京パイオリン」を見た 

北京バイオリン DVD-BOX1北京バイオリン DVD-BOX1
出演:リュウ・ペイチー
マクザム(2007-09-28)
販売元:Amazon.co.jp

次に紹介する「私の紅衛兵時代」を書いた中国を代表する陳凱歌(チェン・カイコー)監督の代表作「北京パイオリン」のテレビ・ドラマ版を見た。

NHKで放送されたので、日本ではNHKエンタープライズがDVDを販売している。

映画は次のジャケットで、配役もお父さん役のリュイウ・ペイチー以外はドラマとは異なる。

北京ヴァイオリン 特別プレミアム版 [DVD]北京ヴァイオリン 特別プレミアム版 [DVD]
出演:タン・ユン
ジェネオン エンタテインメント(2004-04-02)
販売元:Amazon.co.jp

中国のテレビドラマを見るのは初めてだが、画質も良いし、服装もダサいところもない。結構洗練されているという印象を受けた。

元々2時間ほどの映画を18時間程度(45分X24話)のテレビドラマにしただけに、映画にはないエンターテインメント的な挿話もある。

テレビドラマは芸術総監督が陳凱歌、演出(実質上のドラマの監督)が夢継(モン・ジー)という布陣で、DVDの第5巻の特別映像では夢継が映画をテレビ・ドラマに仕立てた時の、原作者の陳凱歌監督とのエピソードなどを語っている。

映画のあらすじは詳しくは紹介しない。

養子であることを知らずに父(リュウ・ペイチー)に育てられた劉小春(リュウ・チャオチュン)が、天性の才能を発揮して北京のコンクールに優勝し、才能を開花させるという誰もが予想できるサクセスストーリーだ。

しかし、ひと癖もふた癖もあるリュウ・ペイチー演じる父親・劉成(リュウ・チェン)に加え、親しくなった友人の女優・莉莉(リーリー)や女たらしの司会者・鐘阿輝(ジョン・アフェイ)、音楽教育の第一人者といわれる余(ユー)教授など、周りを固める俳優の持ち味が面白い。

主人公の少年役の嘉央桑珠(ジャーヤン・サンジュ)がジャニーズ系の顔だちながら、今一つ垢抜けないのはご愛嬌といったところか。

余教授役の俳優は北大路欣也に似ている。次のビデオでも最後の方に登場する。



上記のコンクールの優勝発表の場面でも出てくる友人の女優莉莉(牛莉)は中国の代表的女優のようだ。



友人の司会者役の程前(チェン・チエン)も、手八丁口八丁の味をだしていて面白い。

どんでん返しの結末が、ほとんどの登場人物を一人二役にしているようなイージーな印象を受けるが、楽しめる。

全部見ると18時間と長いが、時間を忘れて楽しめるドラマである。


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2012年06月19日

プライドと偏見 ジェーン・オースティンの名作の映画化

プライドと偏見 [DVD]プライドと偏見 [DVD]
出演:キーラ・ナイトレイ
ジェネオン・ユニバーサル(2012-04-13)
販売元:Amazon.co.jp
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18世紀イギリスの女性作家ジェーン・オースティンの名作・「高慢と偏見」の映画化。

高慢と偏見 上 (ちくま文庫 お 42-1)高慢と偏見 上 (ちくま文庫 お 42-1)
著者:ジェイン オースティン
筑摩書房(2003-08)
販売元:Amazon.co.jp
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ジェーン・オースティンは18世紀の作家なのに、21世紀になっても作品が映画化されてヒットしている。特に女性に人気がある。

この作品は、18世紀のイギリスの田園を舞台にしている。年頃の娘を5人持つ一家が、娘を裕福な上級階級の紳士と結婚させようと、舞踏会に送り込むところから始まる。

この作品でアカデミー賞ノミネートされたキーラ・ナイトレイが次女エリザベスを演じている。上記のDVDの表紙にも写真が出ているが、たしかに庶民階級の美女という感じが出ている。



一方、裕福だが高慢な上級階級のダーシーをマシュー・マクファディンが演じている。体もデカくてラグビープレーヤーのようで、あまり上流階級という感じがしない。

最近の007シリーズで女性の"M"を演じているジュディ・デンチが、いかにも高慢な上級階級のマダムを演じているのが印象に残る。エリザベス(キーラ)の父親役のドナルド・サザーランド、母親役のブレンダ・ブレッシンも、それぞれいい味を出している。

ちなみにドナルド・サザーランドは、テレビドラマ「24」のジャック・ダウワーを演じているキーファー・サザーランドのお父さんだ。

映画のストーリーは詳しく紹介しない。18世紀のイギリスの田園を舞台にしたラブストーリーだ。田園や邸宅の舞台設定がすばらしく、画面が美しい。

キーラ・ナイトレイも美人だ。図書館でほぼ半年待って、やっとDVDを借りられたが、待つ甲斐はある作品である。


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2012年05月23日

テルマエ ロマエ 阿部寛主演のローマ風呂コメディ

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)
著者:ヤマザキマリ
エンターブレイン(2009-11-26)
販売元:Amazon.co.jp
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人気マンガの「テルマエ・ロマエ」の映画版が好調のようだ。小説も出ている。

テルマエ・ロマエ 〜小説版〜 (KCG文庫)テルマエ・ロマエ 〜小説版〜 (KCG文庫)
著者:伊豆平成
エンターブレイン(2012-04-20)
販売元:Amazon.co.jp
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筆者も家族で見に行った。



マンガらしく、ありえないストーリーなのだが、面白く、楽しめる映画だ。阿部寛が結構いい体をしているのはさすがだ。相当鍛えているのだろう。

あらすじを詳しく紹介すると映画を見たときに興ざめなので、文句なく楽しめる映画とだけ言っておく。


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2012年01月13日

MI4 ゴースト・プロトコル 文句なく楽しめる娯楽大作 

正月休みに MI4ゴースト・プロトコルを見た。昔の007シリーズのように、アクションシーンの連続で、最高に楽しめる娯楽大作だ。



MI(ミッション・インポッシブル)は昔「スパイ大作戦」というタイトルでテレビ放映された人気ドラマのリメークというか、発展版だ。なつかしい映像がYouTubeに収録されている。



MI4の中には昔のMIの定番の変装シーンもあるが、全編にわたって強烈なアクションシーンの連続で、まさに息をつく暇もないという感じだ。

若干勢いは落ちたが、一時のドバイ経済の発展を反映して、今回はドバイの世界で最も高いホテルで130階のサーバー室に潜入するというアクションシーンをトム・クルーズが演じている。

そのメイキング映像も予告編として公開されている。



またBRICS経済の伸びを反映して、今回はボリウッドとの共演ということで、インドでのロケや、インドの有名俳優も出演しているのも特徴の一つだ。

このブログで紹介した「スラムドッグ★ミリオネア」にクセのある司会者役で出演していたボリウッドの大スター アニール・カプールがインドの富豪役で登場している。



映画のあらすじは、いつも通り詳しくは紹介しない。文句なく楽しめる映画で、時間を忘れてしまうとだけ言っておく。

一見の価値がある娯楽大作である。


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2011年12月05日

映画・スパイ・ゾルゲ 3時間の歴史大作を見た



スパイ・ゾルゲ [DVD]スパイ・ゾルゲ [DVD]
出演:イアン・グレン
東宝(2003-11-21)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

図書館で借りて映画「スパイ・ゾルゲ」を見た。

日本にドイツの新聞社の特派員として駐在しているふりをして、実はソ連のスパイとして日独の情報をスターリンに送っていたリヒャルト・ゾルゲの名前はこのブログでは、近衛文隆の人生について描いた「夢顔さんによろしく」、「プリンス近衛殺人事件」で紹介した。

夢顔さんによろしく 上―最後の貴公子・近衛文隆の生涯   文春文庫 に 9-3夢顔さんによろしく 上―最後の貴公子・近衛文隆の生涯 文春文庫 に 9-3
著者:西木 正明
文藝春秋(2002-10)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る


プリンス近衛殺人事件プリンス近衛殺人事件
著者:V.A. アルハンゲリスキー
新潮社(2000-12)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る


近衛文隆はシベリア抑留中に出した妻の正子さん宛のレターの最後に、「夢顔さんによろしく」と何回か書き送っていた。

この「夢顔」さんとは誰のことか、当時は本人の正子さんにもわからなかったようだ。「夢顔さんによろしく」のあらすじでは、謎を明かさなかったが、実はこの「夢顔」さんがゾルゲのことである。

文隆は1941年にゾルゲが内通者の朝日新聞社員・尾崎秀実(ほつみ)とともにソ連のスパイとして逮捕されたことを知っていた。これがゾルゲ事件である。

ゾルゲと尾崎が1944年に処刑されたことは公にされていなかったので、文隆はゾルゲが戦後ソ連のヒーローとして復活したと思っていた。

それで妻の正子宛に、シベリアに抑留されている文隆開放の為にゾルゲの助けを借りることを暗号文で示唆したのだ。

もちろんゾルゲは日本で1944年に処刑されているので、文隆の願いは届かなかったが、旧東ドイツではゾルゲの切手が発行されているほどで、共産主義のヒーローとして戦後復権している。

Stamp_Richard_Sorge





出典:Wikipedia

またWikipediaによると、ロシアの駐日大使が着任するとゾルゲの墓参りに行くそうなので、現在でもゾルゲはロシアのヒーローと見なされているようだ。

映画のあらすじは例によって詳しくは紹介しない。

全編3時間という長編大作で、映画館で上映された時は、途中で休憩が入ったそうだが、この映画を見ると当時の時代背景や風俗がよくわかって大変参考になる。

映画のストーリーとしてはラブストーリーも織り交ぜた歴史物と言っておこう。昭和の歴史に興味のある人は、一見の価値がある映画である。


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2011年11月19日

ホテル・ルワンダ ルワンダ内戦で難民を救ったホテルマンを描いた映画

ホテル・ルワンダ プレミアム・エディション [DVD]ホテル・ルワンダ プレミアム・エディション [DVD]
出演:ドン・チードル
ジェネオン エンタテインメント(2006-08-25)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

ルワンダ内戦の時の実話を描いた映画。

2006年のアカデミー賞3部門にノミネートされ、その年の最優秀外国映画賞を受賞している。



舞台は1994年のアフリカのルワンダ。

恥ずかしながら、筆者はルワンダと南部アフリカのアンゴラの首都ルアンダと混同していた。

この話もてっきりアンゴラ内戦の時のルアンダのホテルの話だと思っていた。

筆者はアルゼンチンと米国に駐在した経験があり、40か国あまりの国に行ったことがあるが、アフリカはエジプトと南アフリカにしか行ったことがない。

今回の一件で、アフリカに対する無知を思い知らされた。

ルワンダの場所は地図を参照してほしい。コンゴ(旧ザイール)、タンザニア、ウガンダに囲まれた中央アフリカの小国で、隣国のブルンジとルワンダ・ブルンジと一緒にして呼ばれることが多い。

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出典:Wikipedia

ルワンダでは9割を占める多数派のフツと少数ながらドイツの植民地時代には支配階層だったツチ(いずれも部族ではないことがややこしいところだ)が、長年対立しており、1993年に一旦は停戦合意が成立して、国連の平和維持軍が派遣された。

しかし、1994年に大統領の飛行機がミサイルで撃墜され、大統領が死亡するという事件が起きてから、内戦が激化し、人口7百万人余りのルワンダで、ツチの人々が50万人以上虐殺されるというルワンダ虐殺が起こった。

この映画はそのルワンダ虐殺の時に、いわばシェルターとなったベルギー系のホテルのマネージャーの実話を描いている。

主演はオーシャンズ11などでおなじみの黒人俳優ドン・チードルだ。

映画のストーリーは例によって詳しく紹介しないが、ベルギー・サベナ航空が経営するオテル・デ・ミル・コリンのマネージャーが、反乱軍・政府軍両方と金や贈り物でうまくつきあい、ベルギー本社社長の政治力や国連平和維持軍の隊長であるカナダ軍司令官の支援を得て、1,000名以上の難民をホテルにかくまい、最後には無事脱出するというストーリーだ。

彼らの親戚・友人には殺されるものも続出し、フツのマナージャーはツチの妻に、自分が殺されフツがホテルを占拠した場合は、ナタで家族全員なぶり殺されるよりは家族を連れて屋上から飛び降り自殺するように告げる。

ハラハラする場面の連続で、フツだからという理由で急に偉ぶるホテル従業員や、フツの武力決起を扇動するラジオ、孤児を世話する赤十字の女性職員などが描かれており、印象に残る場面が多い。

ニック・ノルティが演ずる国連平和維持軍のカナダ軍司令官は、その後母国に帰って、PTSDを発病したが、現在は上院議員となっている。

アフリカの内戦を舞台にしたシリアスな映画ではあるが、映画を見た後の感動が深い満足感を与える作品だ。


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2011年11月12日

映画「マネーボール」 ブラピがカッコよ過ぎ 



今日公開された映画「マネーボール」をさっそく見た。

映画のあらすじを紹介すると映画を見るときに興ざめなので、詳しくは紹介しない。

貧乏球団のオークランド・アスレチックスが、ヤンキースなどの金満軍団の1/3の年俸総額でもプレーオフ進出を果たした2002年のシーズンの実話を取り上げている。

2002年の球団別の選手サラリー合計は次の表の通りだ。

MONEYBALLchart





出典:Wikipedia

主演のブラッド・ピットがかっこよすぎて原作のビリー・ビーンのすぐカッときて当たり散らすキャラクターが目立たないことと、離婚した元妻のところで暮らす娘とビリーの交流が映画全体を流れるテーマとなっていて、本と映画は別物であることだけ記しておく。

本の方は2003年に日本語訳、文庫版は2006年に発売されている。

マネー・ボール (RHブックス・プラス)マネー・ボール (RHブックス・プラス)
著者:マイケル・ルイス
武田ランダムハウスジャパン(2006-03-02)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

映画化されたこともあり、今書店で並んでいる本にはブラピのカバーがついている。

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映画は純粋にエンターテインメントで、これはこれで楽しめる。

内野手ジェイソン・ジアンビー、外野手ジョニー・デイモン、投手イズリングハウゼンという中心選手3人を失ったオークランド・アスレチックスが、最下位というおおかたの予想に反して翌年の2002年のシーズンに快進撃を続ける実話をドラマチックに描いている。

一方本の方は、新人選手スカウティングや電話会議で行われるドラフト会議の現場も描いており、強いチームをつくるという目標達成のために、何をどうすれば良いのかという大変面白いビジネス書である。

今年の文化勲章受章者の丸谷才一さんが「思考と生き方のためのマニュアル」という解説を書いていることも、スポーツ関係の本としては異例である。

この本はアマゾンの「なか見!検索」に対応していないので、「なんちゃってなか見!検索」で目次を紹介しておく。

この本がノンフィクション小説ではあるが、野球を題材にしたビジネス書であることがわかると思う。

まえがき

第1章 才能という名の呪い

第2章 メジャーリーガーはどこにいる

第3章 悟り

第4章 フィールド・オブ・ナンセンス

第5章 ジェレミー・ブラウン狂騒曲

第6章 不公平に打ち克つ科学

第7章 ジオンビーの穴

第8章 ゴロさばきマシン

第9章 トレードのからくり

第10章 サブマリナー誕生

第11章 人をあやつる糸

第12章 ひらめきを乗せた船

エピローグ

あとがき:ベースボール宗教戦争

解説:丸谷才一 思考と生き方のためのマニュアル



本の方もいずれ詳しくあらすじを紹介する。

映画を見た人は是非原作を読んで欲しい。新たな面白みが発見できるはすだ。


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2011年10月10日

博士の異常な愛情 スタンリー・キューブリック作品 ピーター・セラーズの名演

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を・愛する・ようになったか [DVD]博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を・愛する・ようになったか [DVD]
出演:ピーター・セラーズ
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(2004-11-26)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

最近文庫本にもなった「ランド 世界を支配した研究所」を読んでいて、江口克彦さんの「成功の法則」に松下幸之助に会いに来た未来学者として登場するハーマン・カーン(元ランド研究所)がモデルになったという「博士の異常な愛情」を図書館で借りて見た。

ランド 世界を支配した研究所 (文春文庫)ランド 世界を支配した研究所 (文春文庫)
著者:アレックス アベラ
文藝春秋(2011-06-10)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

YouTubeに予告編が載っている。スタンリー・キューブリック監督の作品だ。



英国のコメディ俳優で「ピンクパンサー」にも登場するピーター・セラーズが英国人マンドレーク大佐、マフリー米国大統領、ストレンジラブ博士の役を一人三役でこなしている。

しかし、一人三役とは思えないほど、それぞれのキャラクターをうまく演じているのには驚く。

米ソの水爆開発競争当時のコメディで、誰もが持っている「もし狂った軍人が勝手に水爆戦争のスイッチを押したらどうなるのか」という不安が現実となったら、どうなるかをブラック・コメディとして描いた作品だ。

原発事故以来、放射能汚染が毎日のように報道されるが、この映画では当時のソ連が報復として「ドゥームズデイ・デバイス」という核攻撃を受けた場合、自動的に地球を放射能で汚染させてすべての生物を絶滅させる最終兵器が出てくる。

ブラック・コメディではあるが、1950〜60年代の冷戦の時に、世界中が持っていた不安を代弁している映画である。


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2011年09月25日

カッコーの巣の上で ジャック・ニコルソン主演のアカデミー賞作品

カッコーの巣の上で [DVD]カッコーの巣の上で [DVD]
出演:ジャック・ニコルソン
ワーナー・ホーム・ビデオ(2010-04-21)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

「カッコーの巣の上で」を図書館でDVDを借りて見た。

1975年度アカデミー賞の作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞など主要5部門を独占した名作である。

ジャック・ニコルソン主演で、マイケル・ダグラスがプロデュースしている。

ウィキペディアにあらすじが載っているので、参照して欲しいが、米国オレゴンの精神病院に精神鑑定のために送り込まれた犯罪者が、収容患者の自由獲得のために数々の混乱を引き起こし、最後には衝撃的な結末を迎えるというストーリーだ。



登場人物にどこかで見たような顔がある。バック・トゥ・フューチャーのドクが出ているし、ツインズでシュワルツネガーと競演したダニー・デビートも出ている。





精神病院という重いテーマだが、ストーリー展開に引き込まれてしまう。両主演俳優がアカデミー賞を受賞している他、助演の俳優の演技も見物だ。

楽しめるというか、考えさせられる作品だった。


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2011年09月06日

映画 ハリー・ポッターと死の秘宝 Part 2

映画「ハリー・ポッターと死の秘宝 Part 2」を見た。

7月から公開されているので、既に見た人も多いと思う。

あらすじを紹介すると映画を見たときに興ざめなので、これでハリー・ポッターシリーズは打ち止めということで納得したということだけ書いておく。

Harry Potter





YouTubeには予告編がいくつも公開されている。これが普通の予告編。



これが最初の作品のスクリーンテストも入れた予告編だ。



思えば良く続いたものだ。筆者がハリー・ポッターシリーズを知ったのは、「Harry Potter and the Sorcerer's Stone」が出たばかりの頃なので、1998年ころだと思う。

当時米国ピッツバーグに駐在していたが、小学生の長男が夢中になって読んでいたものだ。筆者も車で通勤する間、オーディオブックを聞いていた。

Harry Potter and the Sorcerer's StoneHarry Potter and the Sorcerer's Stone
著者:J. K. Rowling
Arthur a Levine(1998-09)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

当時はまだCDのオーディオブックはなかったので、カセットテープ約10巻程度のオーディオブックも買って、長男に聞かせた。

オーディオブックの完成度が高いことも特筆ものだ。

たしかJohn Daleだったと思うが、一人の声優が声色を変えて、登場人物全員の声を録音している。

Harry Potter and the Sorcerer's StoneHarry Potter and the Sorcerer's Stone
著者:J.K. Rowling
Listening Library (Audio)(1999-12-01)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

長男の英語の勉強にも大変役立つ本だった。

以前はCD版がなく、カセットテープしかなかったので、"Harry Potter and the Deathly Hallows"などは、たしかテープ20巻くらいになっていた。

Harry Potter and the Deathly HallowsHarry Potter and the Deathly Hallows
著者:J.K. Rowling
Listening Library (Audio)(2007-07-31)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

ハリー・ポッターシリーズは、それから英語とオーディオブックの両方を買いそろえてきたが、数年前からは映画を見るだけになってきた。

そして今回が最後の作品・映画となった。最初はJ. K. Rowlingという著者は男性かと思っていた。

日本語も良いのだろうが、英語も難しくないので、英語でも読むか、オーディオブックで聞くことを是非お勧めする。

尚、著者のJ. K. RowlingはアマゾンのKindleなどの電子ブックには販売しない方針で、J. K. Rowlingのサイトによると、年内に開設するPottermoreというサイトで電子ブックは販売するそうだ。

J. K. Rowlingのサイト:

Potter more





Pottermoreのサイト:

pottermore





ベストセラー作家は電子ブックの販売まで自分でやれるという最初の例で、注目すべき動きだ。


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2011年08月22日

映画 ソイレントグリーン 人類の飢餓問題解決策?

港区図書館でDVDを借りて、学生時代に見た「ソイレントグリーン」を見た。

ソイレント・グリーン [DVD]ソイレント・グリーン [DVD]
出演:チャールトン・ヘストン
ワーナー・ホーム・ビデオ(2003-08-08)
販売元:Amazon.co.jp

2008年に亡くなったチャールストン・ヘストン主演のSF映画だ。1973年の作品なので、約40年前の作品だ。

2022年のニューヨークが舞台で、未来のニューヨークは車もポンコツで、50年前から全然進歩していないという設定になっている。



次がこの映画の最後のシーンだ。



映画を見た人でないと、このセリフの意味がわからないかもしれない。タネ明かしをすると興ざめなので、コメントは差し控えておく。どうしても筋を知りたい人は、ウィキペディアで”ソイレントグリーン”で検索して欲しい。

この映画が出来た前の年の1972年にベストセラーとなったローマクラブの「成長の限界」は、エネルギー問題や食料問題が人類の成長の足かせとなると予言している。

成長の限界―ローマ・クラブ人類の危機レポート成長の限界―ローマ・クラブ人類の危機レポート
著者:ドネラ H.メドウズ
ダイヤモンド社(1972-05)
販売元:Amazon.co.jp
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ローマ・クラブの予言の通り食糧危機が起きると、人類の未来はこうなるという予測したのが、この映画だ。

筆者はちょうど大学生になったばかりの頃で、エネルギー枯渇と食料危機のため、漠然と人類の未来に不安を感じていたことを思い出す。

ジョージ・ハリソンが中心になってバングラデシュのためのコンサートを開催して、そのアルバムや映画が大ヒットした頃だ。

Concert for BangladeshConcert for Bangladesh
アーティスト:George Harrison
Capitol(1991-07-30)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る




1960年代には中国でも飢餓で何千万人という人が死んでいたし、1970年代にはアフリカのビアフラ(現在はナイジェリア)やバングラデシュでも飢餓で何百万人も死んでいった。

当時は飢餓が解決できるという確信はなかった。それが今や人類は60億人に増加しても、飢餓が大きな問題になることはない。

今度紹介する「大気を変える錬金術」のハーバー・ボッシュ法による、空気中の窒素固定法により肥料が増産できるようになったり、収穫量が飛躍的に増加する遺伝子組み換え作物ができたからだろう。

大気を変える錬金術――ハーバー、ボッシュと化学の世紀大気を変える錬金術――ハーバー、ボッシュと化学の世紀
著者:トーマス・ヘイガー
みすず書房(2010-05-21)
販売元:Amazon.co.jp
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エネルギー問題については、原子力の利用拡大も大きい。

東電の福島原発の事故以来、原発反対の声が強まっているが、ほんの40年前までは、化石燃料の枯渇でエネルギー危機が来ることを、世界中が恐れていたことを思い出して欲しい。

拙速な反・原子力の流れに巻き込まれず、人類の未来を見据えた議論が必要だと思う。

1972年のこのSF映画を見て、そんなことを思った。


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2011年08月06日

頑張れ!武田ランダムハウスジャパン! ぼくと1ルピーの神様 映画より面白い!

このブログでも書いた「アインシュタイン その生涯と宇宙」の翻訳不備。

大新聞でも取り上げられて一騒動起こっている。出版社の武田ランダムハウスジャパンの損害は数千万円になると思う。

いずれブログでこの本のあらすじを紹介するが、13章の「さまよえるシオニスト」の前後をのぞければ、翻訳もふくめてこの本の出来は悪くない。

新聞は不祥事として報道し、初版本がコレクターアイテムとなり、アマゾンではいまや4万円で売りに出されている。

しかし今必要なのは出版社である武田ランダムハウスジャパンのバッシングではない。

問題はどうやって再発を防止するかだ。

武田ランダムハウスジャパンは他にも良い本を多く出している。今回の件があって、ホームページを見て、興味を惹かれて読んだ本が「ぼくと1ルピーの神様」だ。

ぼくと1ルピーの神様 (ランダムハウス講談社文庫)ぼくと1ルピーの神様 (ランダムハウス講談社文庫)
著者:ヴィカス スワラップ
武田ランダムハウスジャパン(2009-02-20)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

この本は2009年度アカデミー賞受賞作品の映画「スラムドッグ$ミリオネア」の原作である。



スラムドッグ$ミリオネア [DVD]スラムドッグ$ミリオネア [DVD]
出演:デーブ・パテル
メディアファクトリー(2009-10-23)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

実は家内がWOWWOWで録画していたのを知らずに、ツタヤでDVDを借りてしまった。

3回繰り返して見てしまったが、非常に楽しめる映画である。

そして原作の「ぼくと1ルピーの神様」も良い。映画の脚本と原作はかなりストーリーが異なるが、映画以上に原作も大変楽しめる作品だ。

原作者はインドの現役外交官で、トルコ、アメリカ、エチオピア、イギリスに赴任経験がある。

この作品がデビュー作で、16カ国語に訳されるベストセラーになったという。

映画でもヒンズー教徒が主人公の家族が住むイスラム教徒の村を攻撃するシーンがあったが、小説でもインドのヒンズー教徒とイスラム教徒の人種問題がところどころに出てくる。

たとえばこんな感じだ。

500,000ルピーの章では、1971年のインド・パキスタン戦争の話を取り上げている。インド人兵士が次のように語る場面がある。

「パキスタンの兵士はインド人兵士の死体を、決してインド軍に引き渡さないというもっぱらの噂だった。たとえ死んだ兵士がヒンドゥー教徒であろうと、ムスリムの習慣に従って、死体を地中に埋めるらしいと。」

「私が死んだら、絶対に火葬にしてほしいんです。さもなければ、私の魂は3万6千年の間地獄をさまよい、決して安らぎを得ることはできなくなります。」

また主人公の新しい雇い主となる大女優からは、次のような会話がある。

「じゃあイスラム教徒ね。ごめんなさい、一緒に住んでいる母が、イスラム教徒の手が触れたものは一切口にしないの。わたくし自身は、汚れがうつるとかいう非科学的なことは信じていないけれど、どうにもできないわ」

この辺が映画のストーリーとは直接関係ない部分で出てくる。

インドの中の少数派イスラム教徒とヒンズー教徒の対立は根深いもののようだ。

閑話休題。

武田ランダムハウスジャパンはこんな良い本も出している。

是非バッシングに耐え、損失に耐えて、再発防止策を出版業界で徹底して、出版業に精を出して欲しい。

頑張れ!武田ランダムハウスジャパン!


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2011年05月08日

最近見た映画 ジャッカルの日

ジャッカルの日 【ベスト・ライブラリー 1500円:アクション映画特集】 [DVD]ジャッカルの日 【ベスト・ライブラリー 1500円:アクション映画特集】 [DVD]
出演:エドワード・フォックス
ジェネオン・ユニバーサル(2011-04-27)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

ゴールデン・ウィークにフォーサイス原作の映画化、「ジャッカルの日」を図書館でDVDを借りて見た。



原作は読んだことがないが、映画はサスペンス映画として大変面白い。

終盤のパレードの場面は戦車やいろいろな部隊の大規模なパレードのシーンで、実写かと思わせるような迫力だ。

港区図書館で予約してDVDを借りた。この作品の前後の港区図書館のDVD蔵書は次の通りだ。

港区図書館ジャ






今年のゴールデン・ウィークは2日休みを取って連続10日間休めたので、映画を何本か見てゆっくりできた。

映画館で見る感動とはまた異なると思うが、YouTubeで「ジャッカルの日」は全編公開されているので(1973年の映画なので、あるいは著作権がもう切れているのかもしれない)、興味ある人は一度チェックしてみることをおすすめする。



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2011年05月04日

グッド・ウィル・ハンティング 録画していた映画を見た

グッド・ウィル・ハンティング [DVD]グッド・ウィル・ハンティング [DVD]
著者:ロビン・ウィリアムズ
出演:ロビン・ウィリアムス
松竹ホームビデオ(2008-06-27)
販売元:Amazon.co.jp
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ゴールデン・ウィークなので録画していた映画「グッド・ウィル・ハンティング」を見た。



主に次男がリーガ・エスパニョーラを見るためにWOWWOWを契約しているが、時々良い映画があると録画している。この映画もだいぶ前にWOWWOWで放送されていたのを見直した。

実は録画すると、いつでも見られと思って、結局見ていない映画が多い。「おくりびと」も録画しているが、これもまだ見ていない。



「グッド・ウィル・ハンティング」は、天才的頭脳を持つ20歳の非行少年を発見したフィールズ賞受賞者のMIT教授が、大学時代のルームメイトの心理学者にカウンセリングを依頼して苦労して更正させるというストーリーだ。

フィールズ賞受賞者が解けない数学の問題を少年が簡単に解いてしまうというマンガのような場面もあるが、児童虐待を受け性格がねじ曲がった少年を若いマット・デイモンが熱演している。

心理学者は市民大学の講師という設定で、ロビン・ウィリアムズが演じて、この作品でアカデミー賞助演男優賞を受賞している。ベトナム帰りの心理学者という設定で、ロビン・ウィリアムズの「グッドモーニング・ベトナム」を思い出す。



この映画の特長は脚本だ。ハーバードに在学していたマット・デイモンが、脚本の原案を書き、友達のベン・アフレックに見せ、二人で完成させた脚本が紆余曲折を経て映画化された。マット・デイモンとベン・アフレックはこの作品でアカデミー賞脚本賞も受賞している。

ベン・アフレックは弟のケーシー・アフレックと一緒にマット・デイモンの同僚の労働者友達を演じている。プライベートでもこの3人は幼なじみだ。

英語版のインターネット・モービー・データベースというサイトの「グッド・ウィル・ハンティング」にスクリーンショットなどが紹介されているので、興味ある人は是非見て欲しい。

"F”ワードがやたら出てくる英語のきたない会話は、ついて行けない部分も多いが、アメリカの労働者階級の若者達という設定なら、こんなものなのかもしれない。

アカデミー賞受賞作らしい良い映画だった。


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2011年04月24日

オデッサファイル フォーサイスの傑作を映画化 図書館で借りたDVD

オデッサ・ファイル [DVD]オデッサ・ファイル [DVD]
出演:ジョン・ボイト
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(2006-10-25)
販売元:Amazon.co.jp
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図書館でフレデリック・フォーサイスの傑作を映画化した「オデッサ・ファイル」を借りた。

YouTubeにも予告編が載っている。



フォーサイスの小説は、「アフガンの男」「戦争の犬たち」「神の拳」「イコン」「悪魔の選択」などを読んだが、「オデッサ・ファイル」は読んでいなかった。

オデッサ・ファイルが第2次世界大戦中のナチスの有力者のファイルだということは知っていたが、ストーリーを知らずに映画を見たので、クライマックスに何が起こるのか予想できず大変楽しめた。

実はDVDの表紙写真がクライマックスの場面なのだが、詳しく説明すると興ざめなので、説明はやめておく。

もしまだ見ていなければ、是非小説を読まずに映画を見ることをおすすめする。

主演のジョン・ボイトがまだ若い。

この作品の前後の港区図書館のDVDコレクションは次の通りだ。

港区図書館DVD






一つの作品を残してすべて貸し出し中だ。結構いろいろなDVDを所蔵していることがわかると思う。

旧作なので、もしもよりの図書館がDVDを予約貸出していない場合には、レンタルビデオショップでも安く借りられると思う。

一度見ることをおすすめする。

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2011年04月17日

レインマン 図書館で借りたアカデミー賞4部門受賞の作品

レインマン [DVD]レインマン [DVD]
出演:ダスティン・ホフマン
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン(2010-06-25)
販売元:Amazon.co.jp
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1988年のアカデミー賞最優秀作品賞に輝いたレインマンを図書館で借りて見た。



主演のダスティン・ホフマンは主演男優賞も受賞している。ダスティン・ホフマンは、この映画のために自閉症の人を何週間もじっくり観察したという話を聞いたことがあるが、この映画を見ているとダスティン・ホフマンが自閉症患者に見えてくる。

まさに迫真の演技だ。

映画が公開されたときに映画館で見たが、いまでも記憶に残る場面をあらためてDVDでゆっくり見直した。

この映画を見た人は覚えていると思うが、ダスティン・ホフマンが演じるレイモンドが、空港に行ってカンタス航空はまだ航空機事故を起こしていないというシーンがある。



昨年カンタス航空のA−380の事故があったので、てっきりカンタス航空も死亡事故を起こしたと思っていたが、エンジンが壊れて不時着しただけで、死亡事故ではなかった。

いまだにカンタス航空は、ジェット機では死亡事故を起こしていないことは驚きだ。

床に散らばった楊枝を見て、一瞬のうちに数を数えることができるレイモンドの才能に気づいたシーンも印象的だ。



その才能を利用して、出ているカードをすべて記憶し、ラスベガスのカジノで大もうけして、レイモンドが借金を返すところはいかにもアメリカ映画のエンターテインメントで楽しめる。



自閉症とは英語でautismと呼ぶことは初めて知った。

知的障害のない自閉症といわれるアスペルガー症候群とは、別に扱われることもあるようだ。

自閉症の肉親という重いテーマを扱っているが、ストーリーがいかにもアメリカ映画的で楽しめる。

トム・クルーズの演技もすばらしいが、それを上回るのがダスティン・ホフマンの演技だ。

以前も紹介したとおり、港区図書館ではDVDも貸出予約できる。東京23区内に住んでいるか、通学または通勤していれば、港区図書館を利用できるので、興味ある人は是非最寄りの港区図書館をチェックして欲しい。

ちなみに港区図書館の洋画DVDのコレクションは1104件で、「レインマン」の前後のタイトルは次のような作品を置いている。

港区図書館レ






昔の名画は良い。心が洗われる思いだ。「レインマン」も是非おすすめする。


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2011年03月08日

ミュージカル異国の丘 プリンス近衛文隆の生涯 図書館で借りた名作DVD

劇団四季 ミュージカル 異国の丘 [DVD]劇団四季 ミュージカル 異国の丘 [DVD]
出演:劇団四季
NHKエンタープライズ(2009-01-23)
販売元:Amazon.co.jp
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このブログで紹介した「プリンス近衛殺人事件」「夢顔さんによろしく」で取り上げられている近衛文麿の長男・近衛文隆の生涯をフィクション化した劇団四季のミュージカル。

港区図書館でリクエストして、3か月ほどかかって手に入れた。

プリンス近衛殺人事件プリンス近衛殺人事件
著者:V.A. アルハンゲリスキー
新潮社(2000-12)
販売元:Amazon.co.jp
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夢顔さんによろしく夢顔さんによろしく
著者:西木 正明
文藝春秋(1999-07)
販売元:Amazon.co.jp
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近衛文隆はプリンストン大学に留学、ゴルフ部の中心選手として活躍した。帰国後は父近衛文麿の秘書として特命任務につき、蒋介石との秘密交渉の実現に努力したため、軍ににらまれ召集される。

満州で二等兵としてスタートし、任官試験を受けて、終戦直前には砲兵中尉まで昇格したところで、ソ連軍によってシベリアに抑留された。共産主義の協力者となるように、あの手この手で強要されるが、拒否をし続け、あとすこしで帰国という段階で、ソ連軍の薬物投与(?)により脳出血を起こしシベリアで病死する。

このミュージカルはアメリカでも中国でも女性にモテて、恋の遍歴を重ねたナイスガイという一面と、シベリア抑留のつらい場面を交互に出して、コントラストを際立たせている。

ミュージカルでは近衛文隆自身が作詞した「苦難に堪えて」(作詞:越智登喜男 作曲:近衛文隆)も歌われている。

YouTubeにはいくつもの場面がアップされている。ダイレクトリンクはできないので、次のリンクからYouTubeのサイトに行って、動画を見てほしい。




DVDも港区図書館で予約して借りられる

このDVDは港区図書館で予約して借りた。筆者の借りた「異国の丘」の前後のタイトルは次の通りだ。

港区図書館DVD





右端の貸出のところに、×印がついているのが、現在貸し出し中の作品だ。これを見ると、同じページの10作品すべてが現在貸し出し中なことがわかる。

DVDは在庫があっても、予約者から予約者に渡るので、書架にはずっと戻らないが、実は港区図書館ではすごい数のDVD,CD蔵書があるのだ。

港区図書館蔵書






港区図書館は東京23区内に在住または通勤・通学していれば利用者登録ができる。すべての図書館でAV資料の予約ができるわけではないので、もよりの図書館でDVD、CDの貸出予約ができるかどうかチェックして欲しい

近衛文隆についての本を読んでいただけに、大変楽しめた作品だった。


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2011年02月08日

怒りの葡萄 図書館で借りた名作映画

ノーベル文学賞作家、スタインベックの原作をヘンリー・フォンダ主演で、ジョン・フォード監督が映画化した「怒りの葡萄」のDVDを図書館で借りた。1939年のアカデミー賞を2部門(助演女優賞、監督賞)で受賞している。

怒りの葡萄 [DVD]怒りの葡萄 [DVD]
出演:ヘンリー・フォンダ
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン(2006-08-18)
販売元:Amazon.co.jp
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原作は次の本だ。

怒りの葡萄 (上巻) (新潮文庫)怒りの葡萄 (上巻) (新潮文庫)
著者:スタインベック
新潮社(1967-05)
販売元:Amazon.co.jp
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恥ずかしながら原作を読んでいないが、この映画では大恐慌の後、1930年代の不況にあえぐアメリカで、借金が払えず土地を取り上げられた農民一族が、みんなでおんぼろトラックに乗って希望の土地カリフォルニアを目指して移動する旅での出来事を描いている。

まさに西部開拓時代のオレゴン・トレイルのようなストーリーで、移動途中に祖母が死ぬ場面では、アメリカにいたときに小学生の息子がよくやっていた"Oregon Trail"というゲームを思い出す。

The Oregon Trail II: The Official Strategy Guide (Secrets of the Games Series)The Oregon Trail II: The Official Strategy Guide (Secrets of the Games Series)
著者:Prima
Prima Games(1995-10-04)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

ライフルを使って自分で七面鳥やうさぎなどを捕らなければ、食料不足や寒さなどで家族がどんどん死んでいくというリアル感覚の教育ゲームだ。

YouTubeにも載っているが、全部で10分と長いので、適当にスキップして欲しい。



港区図書館では洋画のDVDを1,000本以上置いている。

港区図書館4





ほとんどが借り出し中だが、DVDも予約できるので順番が来れば借りられる。

この映画は1カ月ほど待って借りられた。

DVDが予約できるという図書館は少ないので、あまり公開したくないのだが、実は港区図書館は港区に住んでいたり、港区に通勤・通学していなくても、東京23区に在住か、通勤・通学で通っていれば利用できる

港区内に6カ所図書館があるので便利だ。

YouTubeにこの映画の予告編が載っている。



借金のかたに土地を失った農民、カリフォルニアを目指して移動する貧しい人たちを食い物にする悪人、金をもらって悪人側の用心棒と化している堕落した警察官、政府の慈善キャンプ、共産主義の影響を受けたストライキ先導者、たぶんすべてが実際にあったものだのだろう。

1930年代のアメリカの貧しい人たちの生活がわかる。大変興味深い映画である。

順番が逆になったが、今度は原作も読もうと思う。


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2011年02月02日

欲望という名の電車 図書館で借りた名作DVD

図書館でテネシー・ウィリアムズの原作をエリア・カザン監督が映画化した「欲望という名の電車”のDVDを借りた。

欲望という名の電車 オリジナル・ディレクターズカット [DVD]欲望という名の電車 オリジナル・ディレクターズカット [DVD]
出演:ビビアン・リー
ワーナー・ホーム・ビデオ(2005-11-25)
販売元:Amazon.co.jp
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欲望という名の電車 [DVD] FRT-140欲望という名の電車 [DVD] FRT-140
出演:ニック・デニス/ルディ・ボンド/カール・マルデン/ヴィヴィアン・リー/キム・ハンター/マーロン・ブランド
ファーストトレーディング(2006-12-14)
販売元:Amazon.co.jp
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港区図書館では洋画のDVDを1,000本以上置いている。

港区図書館4





ほとんどが借り出し中だが、DVDも予約できるので順番が来れば借りられる。

この映画はあまり知られてないので、すぐに借りられた。

DVDもいくつか出ているが、上にはマーロン・ブランドの若いころの写真がジャケットになっているものと、ヴィヴィアン・リーの写真が出ているものを紹介した。

主演はマーロン・ブランドとヴィヴィアン・リー。ヴィヴィアン・リーはこの映画から10年ほど前の「風と共に去りぬ」で絶頂期を迎え、「欲望という名の電車」のころは、中年女性となっているのがすこし残念だ。

風と共に去りぬ [DVD]風と共に去りぬ [DVD]
出演:ビビアン・リー
ワーナー・ホーム・ビデオ(2010-04-21)
販売元:Amazon.co.jp
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ストーリーはいつも通り詳しく紹介しない。ニューオリンズで暮らす妹夫婦のところに、転がり込んだ姉がヴィヴィアン・リーで、妹の旦那がマーロン・ブランドだ。

YouTubeにも予告編が載っている。



ヴィヴィアン・リーの鬼気迫る演技が印象的だ。ヴィヴィアン・リーはこの映画で1951年のアカデミー主演女優賞を獲得した。他に、助演女優、助演男優、美術監督・装置の各賞を受賞しているが、マーロン・ブランドは主演男優賞はもらえなかった。

米国に駐在していたので、ニューオリンズには何度も行った。映画のタイトルにもなっている路面電車のDESIREは今も観光客用に、ニューオリンズの西の地区を走っている。

筆者が日本に帰ってから、ハリケーン・カタリナでニューオリンズは大打撃を受けたので、今はどうなっているのかわからないが、筆者はいつも町の繁華街のフレンチクオーターのホテルに泊まっていた。

アメリカとは思えない雰囲気の街で、シー・フードを中心とする食事は大変おいしく、旧市街の古い教会を改装した行きつけのレストランもあって、ニューオリンズに行くのを楽しみにしていたものだ。

この作品は、もともとブルードウェイの戯曲で、ほとんど部屋の中の場面ばかりなので、町の風景が少ないのが残念だが、なつかしく楽しめた。

たぶん今は完全に復興していることだろう。またニューオリンズに行きたいものだ。


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2010年12月31日

一番好きな映画 その3 未知との遭遇

一番好きな映画その3はスピルバーグ監督の未知との遭遇だ。英語のタイトルは"Close encounters of the third kind"、つまり「第3種接近遭遇」だ。

日本語のタイトルがこの「第3種」というのを省いたので、英語のタイトルとはだいぶ感じが変わってくる。

「接近遭遇」とは、第1種がUFOを目撃すること、第2種はUFOが何らかの影響を与えること、第3種がUFOの乗員と接触することだ。

未知との遭遇[ファイナルカット版] デラックス・コレクターズ・エディション [DVD]未知との遭遇[ファイナルカット版] デラックス・コレクターズ・エディション [DVD]
出演:リチャード・ドレイファス
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(2007-05-30)
販売元:Amazon.co.jp
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YouTuneに予告編が載っているので、ぜひ見てほしい。



この映画が公開されたのは1977年で、筆者は研修生で行っていたアルゼンチンで見た。

スピルバーグ監督がまだ31歳のときの作品で、オリジナル予告編では、若々しいスピルバーグが登場する。



この映画を見たときは、あのシンプルなリズムとインドの宗教指導者、ゴビ砂漠の船、メキシコソノラ砂漠の飛行機など不思議なシーンの連続に驚かされたものだ。

この映画も港区図書館でDVDを借りた。

港区図書館所蔵のDVDで、この映画の前後の作品は次の通りだ。

港区図書館2





やはり前後10作品すべてが貸し出されていることがわかる。

インターネットで予約ができるので、「未知との遭遇」は1週間程度で手に入った。図書館で気軽に映画のDVDが借りられるのは、すごくメリットがある。

この作品はアカデミー賞の撮影賞と特別業績賞(音響効果)を受賞しているが、いずれも技術的効果についてのもので、作品賞や監督賞、主演・助演俳優に与えられる賞は結局取っていない。

その意味では、前2回に紹介した「フォレスト・ガンプ」、「愛と青春の旅だち」がメインの部門のアカデミー賞を受賞しているのに比べて、知名度では落ちるかもしれない。

それでもUFOや宇宙人という未知の存在を親しみが持てるものにしたことは、1982年の「E.T.」の成功につながったと思う。

スピルバーグ監督の代表作は、上記のほかにアカデミー賞受賞作品の「プライベート・ライアン」や「シンドラーのリスト」、「ジョーズ」、「インディ・ジョーンズシリーズ」など、いくつも挙げられる。

しかし、一番好きな作品ということでは、筆者は「未知との遭遇」をまず挙げたい。

見たことのある人には再度、まだ見ていない人は、ぜひ一度見てほしいファンタジックな作品である。


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2010年12月29日

一番好きな映画 その2 An officer and a gentleman

一番好きな映画その2は"An officer and a gentleman"。邦題の「愛と青春の旅だち」も内容がわかる良いタイトルだ。

リチャード・ギア主演の1982年の作品で、この作品で教官のフォーリー軍曹を演じたルイス・ゴッセットJr.がアカデミー賞助演男優賞を受賞した。

愛と青春の旅だち 製作25周年記念 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]愛と青春の旅だち 製作25周年記念 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
出演:チャード・ギア
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン(2008-06-20)
販売元:Amazon.co.jp
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YouTubeで予告編がアップされているので、ぜひ見てほしい。



懐かしい画面がよみがえってくる。

筆者が特に思い出すのは、ワシントン州の飛行訓練所に集合した新入生を整列させて、ルイス・ゴセットJR.の鬼軍曹が注意を与えるシーンだ。

出身地は?

オクラホマ・シティ、オクラホマ、Sir(サー)!

オクラホマの名物はSteer(ステア=去勢牛)とQueer(クイア=ホモセクシャル)だ。

お前はSteerではないので、Queerだな?

(あせって)ノー、サー!

映画の最後でも同じセリフをルイス・ゴセットJR.が、今度はアリゾナ出身の新入生に浴びせかける場面が出てくる。

この映画はストーリー、俳優の演技、音楽すべて良かった。

音楽もいい。

愛と青春の旅だち愛と青春の旅だち
アーティスト:サントラ
ポリスター(1992-09-26)
販売元:Amazon.co.jp
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ジョー・コッカーとジェニファー・ウォーンズが歌った"Up where we belong"がアカデミー歌曲賞を受賞している。



今回港区図書館で借りて、再度見た。「愛と青春の旅だち」の前後のDVDのレパートリーは次の通りだ。

港区図書館





やはり前後10作品すべて貸し出されている。

今回借りたDVDは、それぞれの場面について監督の解説ナレーションが入っている特別編だ。

2時間の映画で、全部で1時間以上かかる。いままでこの種の監督解説は見たことがなかったが、今回の監督解説を見て、この映画のすばらしさを再認識できた。

パラマウント映画の経営陣のサポートが得られず、低予算のなかで監督が苦労したという裏話や、それぞれの俳優の演技がいかに秀逸かがよくわかる。

リチャード・ギアの恋人役のデボラ・ウィンガー、研修生仲間のシドを演じるディビッド・キースの演技も見事だ。


まだ見ていない人にはぜひお勧めしたい名作だ。


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2010年12月28日

一番好きな映画 その1 フォレスト・ガンプ

図書館で予約して、筆者が最も好きな映画の「フォレスト・ガンプ」のDVDを借りて見た。

トム・ハンクスを一躍有名にしたアカデミー賞6部門独占の1994年の映画だ。

フォレスト・ガンプ [DVD]フォレスト・ガンプ [DVD]
出演:トム・ハンクス
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン(2006-07-07)
販売元:Amazon.co.jp
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数々の場面がYouTubeで公開されている予告編に載っているので、ぜひ見てほしい。



たぶん多くの人が見たことがあると思うが、軽い知的障害者のフォレスト・ガンプが、ベトナム戦争前後のアメリカの数々の出来事のシーンに顔をだし、ありえないような展開から成功をおさめ幸運をつかむというハッピーストーリーだ。

時代の流れがたどれるとともに、ファンタジックで誰でも楽しめるエンターテインメント作品だ。

今もこの映画を見ると感動を新たにする。


図書館で予約してDVDを借りる

以前紹介したとおり、港区図書館のAV関係の在庫はすごい。DVDは4,000本の在庫があり、邦画は300本、洋画は1,000本だ。

港区図書館DVD






筆者の借りた「フォレスト・ガンプ」の前後のタイトルは次の通りだ。

港区図書館






右端の貸出のところに、×印がついているのが、現在貸し出し中の作品だ。同じページの10作品すべてが現在貸し出し中なことがわかる。

DVDは在庫があっても、予約者から予約者に渡るので、書架にはずっと戻らないことがわかる。

これから2回続けて筆者の最も好きな映画を紹介する。

図書館で借りたり、あるいはレンタルビデオで借りたり、WOWOWやYouTubeで見たりして、昔の思い出の映画を見て、感動をあらたに、気分をリフレッシュして新年を迎えて欲しい。


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2010年12月13日

荒野の七人 黒沢映画のウェスタン版 図書館でDVDを借りた

荒野の七人 アルティメット・エディション [DVD]荒野の七人 アルティメット・エディション [DVD]
出演:ユル・ブリンナー
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン(2007-02-02)
販売元:Amazon.co.jp
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図書館で予約して「荒野の七人」のDVDを借りた。

ご存じ黒澤明監督の名作「七人の侍」にほれ込んだユル・ブリンナーが翻訳権を買い取り、ジョン・スタージェス監督が制作したウェスタン映画だ。

ユル・ブリンナーは、当時無名に近かったスティーブ・マックイーン、ジェームズ・コバーン、チャールズ・ブロンソンなどを起用し、彼らが大スターとなるきっかけとなった。



映画を見るときに興ざめなので、簡単にだけあらすじを紹介しておくと、「七人の侍」のように七人のガンマンが、盗賊に悩まされている貧しいメキシコの村人の要請を受けて、村の防衛に立ち上がる。

「七人の侍」のように村人に銃の操作を教えて、自分たちで防衛するように訓練するが、途中で思いがけないことが起こる。

最後は七人のガンマン対盗賊の迫力ある銃撃戦だ。

傷ついた盗賊がウマに引っ張られるシーンや、長老が村から離れて住んでいたり、若いガンマンとメキシコ娘の恋など、「七人の侍」の翻案であることがわかって楽しい。


DVDも図書館で予約して借りられる

筆者の住んでいる町田市の図書館では、AV資料は予約できないが、筆者の属している協会がある港区の図書館はDVD,CDとも貸し出し予約が可能だ。

書架にはたいした映画がないので、いままであまり利用していなかったが、今回図書館のホームページを見て驚いた。

港区図書館1







なんとDVDは4,000本、CDだと39,000本の在庫があるのだ。DVDのうち、邦画は300本、洋画は1,000本だ。

港区図書館2







筆者の借りた「荒野の七人」の前後のタイトルは次の通りだ。

港区図書館3







右端の貸出のところに、×印がついているのが、現在貸し出し中の作品だ。これを見ると、同じページの10作品すべてが現在貸し出し中なことがわかる。

DVDは在庫があっても、予約者から予約者に渡るので、書架にはずっと戻らないことがわかる。

やはり昔の名作はいい。感動を新たにした。

すべての図書館でAV資料の予約ができるわけではないので、もよりの図書館でDVD、CDの貸出予約ができるかどうかチェックして欲しい。


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2010年11月18日

アフガン零年 「カイトランナー」を理解するために見たアフガン映画

アフガン零年 [DVD]アフガン零年 [DVD]
アップリンク(2004-11-26)
販売元:Amazon.co.jp
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2004年ゴールデングローブ賞外国語映画賞、他、カンヌ、ロンドン、モントリオール、釜山などの映画祭で入賞したアフガニスタン映画の名作。

日本のNHKエンタープライズが制作に参加しているアフガニスタンー日本ーアイルランド合作映画だ。



今度紹介するアフガニスタン出身のカーレド・ホッセイニ著の「カイト・ランナー」という小説を読んだので、アフガニスタンをさらに理解するために図書館で借りて見た。

「カイト・ランナー」は映画にもなっている。



映画のあらすじは詳しく紹介しない主義だが、この映画はアメリカ軍に追い出される前のタリバン政権の時代に、父も兄も戦争で失った女だけの家族が、女だけでは外出して仕事に行けないので、12歳の娘の髪を切り男装させて看護士の母親の送り迎えをするという話から始まる。

そのうち男装している娘は、タリバンに強制的に学校に連れて行かれ、男の子としてコーランの勉強を続ける。

学校では授業の一環として先生が生徒に正しい風呂の入り方を教える。

その場では、何とか女の子であることはバレなかったが、あることから女の子であることが分かり、タリバンに宗教裁判に掛けられる。

姦通罪などの罪人が石打ちの刑に処せられる中で、あやういところで少女はタリバンの学校の先生に救われる。

最後はこの先生が湯気をもうもうと立てて風呂に入るところで終わる。

いくつもの伏線を置いて、それが最後に絡んでくる印象的で優れた映画だ。

この映画に出てくるタリバンは、武器を持った危険なイスラム教のファナティックな狂信者として描かれている。たぶんそれが実態に近いのだろう。

このあらすじで紹介している2つの映画の予告編でも感じがわかると思う。

アフガニスタンの民衆の生活がわかって、非常に参考になる映画だった。


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2010年08月26日

瞳の奥の秘密 アカデミー賞外国語映画賞受賞のサスペンス映画

2010年8月26日追記:

昨日アルゼンチン時代の研修生仲間と会ったら、なんとこの映画を日比谷シャンテで見ようと思って行ったら、満席で見られなかったと言っていた。

午後3時過ぎの上映で、250席くらいある劇場のはずだが、その後の上映も満席だったという。

上映が始まって、人気が出てきているとは聞いていたが、これほどまで人気が出ているとは知らなかった。

水曜日でレディスデイということもあると思うが、それにしても人気があることは間違いないと思う。

大人が楽しめる良くできた映画なので、事前に予約して見ることをおすすめする。


2010年8月25日初掲:


昨年のアカデミー賞 外国語映画賞はアルゼンチン映画の「瞳の奥の秘密」が受賞した。ちなみに前年の2008年の外国語映画賞は日本の「おくりびと」が受賞した。

次が予告編だ。



8月14日に映画が封切られてすぐに見に行った。

25年前に起こった殺人事件を取り扱ったサスペンス映画なので、「良い映画」というよりは、「良くできた映画」だ。

ひさしぶりにアルゼンチンのスペイン語を聞いて、なつかしかった。

スペイン語ができる人でも、アルゼンチンのスペイン語はtu(youの親密型)の代わりにvosを使い、活用も異なるのでちょっと面食らうことだろう。ちょっとした優越感に浸ってしまった。


設定は1974年、イザペル・ペロン大統領の時代ということで、筆者が駐在していた当時のことを思い出させる。

イザベル・ペロン大統領はホワン・ペロン大統領の3番めの奥さんで、ミュージカルにもなったエバ(エビータ)・ペロンがペロン大統領の2番目の奥さんだ。

当時は左翼テロが横行し、テロ鎮圧のために軍部が力を持ち始めた時代で、後に2万人ともいわれる蒸発者が発生したのもこの時代だ。

筆者駐在中に、経済大臣がテロリストに襲われるという事件があった。筆者の会社のオフィスがあったビルも、ロケット砲弾を打ち込まれたが、幸い不発だったという話を聞いたことがある。

少しでも政府を批判する発言をしたりしていると、警察に秘密裏に引っ張られ、そのまま帰ってこないというケースも頻発した。

裁判も経ないで、拷問死させたり、飛行機からラプラタ川に突き落としたりして、殺人を行ったという当時の経験を告白する人も出てきている。


例によって映画の詳しいあらすじは紹介しないが、アルゼンチンの刑事裁判所に務める職員が、25年前に起こった殺人事件を題材に小説を書くという設定だ。

25年前の話と、現在の話、そしていろいろな登場人物の話を錯綜させて、黒沢映画の「羅生門」を思わせるシーンもある。

若い男優が50代くらいの年配者に扮するメーキャップや、アルゼンチン一部リーグのラシン(英語でRACINGと書いてラシンと呼ぶ)のサッカー場で犯人を捕まえるシーンのカメラワークもすばらしい。

さすがアカデミー賞外国語映画賞を獲得した作品だ。



上映している映画館が限られているが、もよりの映画館を探して、是非一度見て欲しい映画である。


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