2010年11月29日

「0円」で億を稼ぐ あのベストセラー「Free」より先にゼロ円に注目した西川りゅうじんさんの本

「0円」で億を稼ぐ! 「タダ」よりすごいビジネスはない「0円」で億を稼ぐ! 「タダ」よりすごいビジネスはない
著者:西川 りゅうじん
マガジンハウス(2008-07-24)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

このブログでも紹介したアメリカのベストセラー「Free」より1年も先にゼロ円のビジネスモデルを提唱した天才マーケッター西川りゅうじんさんの本。

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
著者:クリス・アンダーソン
日本放送出版協会(2009-11-21)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

先日、西川さんの講演を会社で聴いたが、大変わかりやすく、参考になる内容だった。

西川さんとは、内田朝陽君のお父さんが経営する店に30年間通い続けた仲だったことが最近わかったことは、以前書いた通りだ。

この本では消費者からはお金は取らないが、高品質の商品やサービスを提供し、広告や付随取引で利益を上げる様々なビジネスモデルを紹介している。


ゼロ円ビジネス

たとえばリクルートの「R25]や「L25」。配布される木曜日でさえ主要駅のスタンドには残っていない。普通の雑誌と変わらない記事の質と紙質の良さ。とても無料誌とは思えないクオリティの高さだ。

「R25」は配布数60万部。全体で約50ページのうち、半分が広告だが、広告と気づかせない記事中の広告が多く、編集の技法で広告を盛り込んでいる。

西川さんが関係者から聞いたところによると、R25は約20ページ分の広告で、5,000万円近く利益が上がるという。週刊だから1ヶ月で2億円を稼ぐゼロ円商売だ。

民放テレビもラジオも古くからあるゼロ円ビジネスの一つで、コマーシャルやインフォマーシャルといった広告収入で運営している。ゼロ円ビジネスに成功すると、みんなが得するビジネスモデルがつくれるという良い例だ。

ちなみに最近、寮委員の後輩の日テレの人と話す機会があったが、一時マス広告はダメだといわれて、テレビ局各社の収益が激減したことがあったが、今はテレビ広告の効果が見直され、いわゆる冠スポンサー枠は依然として悪いが、スポット広告枠は売れすぎで、枠がない状態だと言っていた。

特に携帯電話とケータイゲーム会社が積極的にテレビCMを打っており、飲料、車、食品、日用品などの従来からのナショナルスポンサーに加わってスポット広告枠の取り合いになっているのだと。

ゼロ円ビジネスは江戸時代からあり、三越の前身の三井越後屋は、「振る舞い傘」と呼ばれるのれんのマークを書いた傘を雨の日に客にタダで配っていた。

ゼロ円ならライバルに勝てるし、本来なら興味を示さない人も客にしてしまう。そしてさらに充実したサービスを求めようとする人が金を払う客になるのだ。

まさにモバゲー、グリーのビジネスモデルだ。テレビでさかんにCMをやっているモバゲーやグリーは「無料」であることを宣伝しているが、ゲームにハマり、より強い武器などが欲しくなると有料アイテムを買うようになり、それで大もうけしているという。


ゼロ円ビジネスの注意点

しかしタダ飯客だからといって、店側がぞんざいに扱うと、せっかくのビジネスモデルが台無しになる。西川さんは「タダ飯客をバカにするとゼロ円に泣く」と表現している。

たとえ最初はタダ飯でも、次からは上得意になる可能性があることを忘れてはならない。成功し続けている料亭の女将やクラブのママは、こういったところがしっかり出来ているのだと。

初めてのお客に対して「どなたのご紹介ですか?」と聞くのも忘れてはならない。

新しもの好き、移り気をネオフィリアというそうだが、人間もネオフィリア的な気質を持っている。ゼロ円だからといっても、新しい工夫が欠かせないのだ。


入りやすいショールーム

外国車のショールームは高いものを買わされると敬遠して、人があまり入っていない。しかし、ゆったりくつろげる空間を用意して、コーヒーや紅茶がすぐ飲め、入りやすい雰囲気をつくれば、近所の主婦が集まり、結果的に旦那に高い車を買わせられるのだ。

このショールーム接客法は、このブログでも紹介した現横浜市長の林文子さんの「一生懸命って素敵なこと」という本でも書いてあった。林さんはこの接客法と気配りでトップセールスになれたのだ。


バリュー、バリュー、バリュー

タダだからといって手を抜いてはいけない。タダだからこそ、バリューが大事なのだ。西川さんは「バリュー、バリュー、バリュー」と3回唱えろと言っている。

ビジネスの基本は、「失客」(離反客)を抑え、「留客」(継続客)を増やすことにつきる。リピーターを増やすのだ。だからゼロ円とはいえ、手を抜いてはならない。

西川さんは再春館製薬のドモホルンリンクルのサンプルを例に挙げている。たとえサンプルでも手を抜かないのだ。

「ブランド」とはBurntから来た言葉で、「焼き印」が元々の意味だという。ブランドは扱う人も含めて「燃えて」いなければならないし、フレッシュでなければならない。「オゴリ」と「マンネリ」は禁物だ。


りゅうじん式方程式「3つのワン」

先日の講演でもわかりやすく説明されていたが、西川さんはゼロ円で億を稼ぐりゅうじん流方程式を紹介している。それは「3つのワン」、つまり:

1.オンリーワン:ほかにはない核となる競争力を持つ
2.ワン・トゥ・ワン:一人一人の客を大切にする
3.ワンス・ア・デー:日々新たな気持ちで一日にひとつ変化を起こす

ゼロ円で億を稼ぐためには、常に気持ちをリセットして、新たな変化を起こさなければならない。ゼロ円ビジネスは感動ビジネスなのだ。

りゅうじん流方程式













出典:本書123ページ

ロングセラーのコカコーラもミッキーマウスもポカリスウェットもグリコもビスコも、変わらないようでいて常に変わっているのだと。

生物学者の福岡伸一青山学院大学教授のベストセラー「生物と無生物のあいだ」に出てくる「動的均衡」を思い出す。生物は外見上は同じに見えても、細胞はたえず入れ替わっているのだ。

西川さんはデパートなどでのドライフルーツの試食販売の知人の話を紹介している。その人の目標は、一人のお客に30種類以上ある商品全部を食べて貰うことだという。食べて貰いながら、それぞれの効能を説明すると、お客は恩に感じて、なにがしら買ってくれるのだと。ゼロ円ビジネスの一つのお手本である。


ゼロ円ビジネスモデル

ゼロ円ビジネスは大きく分けて次の3つのパターンに分類できる。

1.ギフト方式
2.グロス方式
3.3点方式(CMのスポンサーなど)

この本では、それぞれについて具体例を多く紹介しており、参考になる。

たとえばギフト方式は、マクドナルドの無料招待券や、サンプル・ラボの試供品、ドモホルンリンクルのサンプル。ユニチャームのおむつサンプルなどがある。

満足感を与え、リピート客を増やす戦略だ。

こんなモノがタダ!?という例では、北海道標津郡標津町では、契約から3年以内に建築を完了するという条件で、400-485平米の土地を無料で貸与している例を紹介している。

グロス方式では、任天堂のDSやWIIなどのゲーム機のゲームソフト無料ダウンロードや、映画の試写会、無料シャトルバス、マンガ喫茶のマンガ無料などを紹介している。

3点方式では広告ビジネスが代表的だ。グーグル、スカイプ、R25、青空文庫などインターネットサービスでは無料の方が多い。グーグルはインターネット広告モデルの筆頭。スカイプは全世界で3億人ユーザーがいるが、有料サービスを使っている10%の顧客からの収入で全体のビジネスを運営している。

昔の名作が無料でダウンロードできる青空文庫も無料サービスだ。トヨタ財団、マイクロソフト、アスキー、日立製作所、群馬インターネットなどの企業から助成金を得て活動している。

あのベストセラーになった「Free」より1年以上も前に「ゼロ円」ビジネスモデルの強さを紹介している。

さすが天才マーケッターの西川さんだ。読みやすく参考になる事例が満載の本である。


参考になれば投票ボタンをクリック願いたい。



  
Posted by yaori at 12:40Comments(0)TrackBack(0)

2010年10月29日

三匹の子ぶたも目からウロコの二〇〇年住宅 西川りゅうじんさんのすごさがわかる

先日内田朝陽君のお父さんを通じて知り合った西川りゅうじんさんから著書を頂いたので読んでみた。

三匹の子ぶたも目からウロコの二〇〇年住宅三匹の子ぶたも目からウロコの二〇〇年住宅
著者:田鎖 郁男
ダイヤモンド社(2008-06-27)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

「三匹の子ぶた」というタイトルは、著者の田鎖郁男さんが書いた本のシリーズ名だ。前作は、「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」というものだ。

家、三匹の子ぶたが間違っていたこと家、三匹の子ぶたが間違っていたこと
著者:田鎖郁男
ダイヤモンド社(2007-11-09)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る


「能ある鷹は爪を隠す」の典型!

この本では25の住宅を写真付きで紹介しており、それぞれに西川さんの訪問記的な「龍眼住想」というコラムがついている。読んでみて西川さんの古文、漢文、西洋文学、美術、音楽、科学などにわたる広くて深い教養に驚かされた。

西川さんは天才マーケターと呼ばれながらも、講演などの「つかみ」では、「西川きよしさんはお元気ですか?」などとよく言われ、吉本の芸人だと思われているというジョークを飛ばす。まさに「能ある鷹は爪を隠す」の典型だ。

内田さんが「西川さんは大学生の時に1億円以上の売り上げがあったんだよ」と言っていたが、さもありなんと思う。

このコラムを見るに、たぶん新聞社の論説委員以上の実力があると思う。


オールラウンドな知識人

このブログでも紹介し、今話題になっている「これからの『正義』の話をしよう」は、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授による学部学生を対象とした哲学の一般教養講座の一つだ。

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
著者:マイケル・サンデル
早川書房(2010-05-22)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

米国の大学の学部学生の教育は、オールラウンドな知識人を育成することに重点を置いたアカデミックな教育が中心で、専門教育は大学院に進んでみっちりやれば良いという考え方だ。

ハーバードなどの世界の一流大学、そして日本では東大の総力を結集した授業料600万円の超プレミアム講座EMPが育成しようとしているのは、西川さんのようなオールラウンドな知識人の育成ではないかと思う。

東大EMPあいさつ








東大EMP募集








東大EMPは金曜日と土曜日のみ、どちらもフルタイムの開講で、一例を挙げると次のような講義内容だ。

金曜日:
1.コース名:科学・技術と教養:地球:物質循環と環境〜地球環境問題〜 講師:山田 興一
2.コース名:経営知識:兵站の最適化〜ビジネストランスフォーメーション戦略と実践〜 講師:程  近智
3.コース名:脳科学:脳科学〜脳科学と心〜 講師:小泉 英明
4.コース名:特別講義:特別講義:日本の国際的な役割、開発協力 講師:緒方 貞子

土曜日:
1.コース名:実践知識:国際ビジネスの必須背景知識〜Germany〜 講師:フォルカー・シュタンツェル ドイツ大使
2.コース名:医療・健康科学:医療・健康科学〜日本の医療システムが今後達成すべき望ましい姿‐総括討論〜 講師:永井 良三、秋山 弘子、横山 禎徳
3.コース名:科学・技術と教養:システム工学〜ポスト京都とシステム工学〜 講師:松橋 隆冶
4.コース名:科学・技術と教養:地球:物質循環と環境〜地球環境問題〜 講師:阿部 彩子

受講生わずか25名のためだけの講義で、豪華な講師陣の顔ぶれといい、最先端の研究の発表といい、まさに「知」の世界トップを目指すという内容だ。

このような内容の濃い講義と演習や研修旅行が毎週繰り返される。


もう一つのアカデミックな情報源

しかし授業料600万円は高すぎるので、もっと安く、しかしそれなりの知識を得られる情報源もある。それは「学士会会報」だ。学士会は旧七帝大卒業生の同窓会で、毎年四回「学士会会報」を出している。

最新の「学士会会報」の内容は次のようなものだ。

最新の學士會会報の目次
No.884 目次 (平成22年9月発行)
特集 −生物多様性−

生物多様性は難しくない

林 良博(山階鳥類研究所所長・東京農業大学教授・東大・農博・農・昭44)
生物多様性を考える−倫理・科学・経済の調和−

大久保 尚武(積水化学工業会長・経団連自然保護協議会会長・東大・法・昭37)
生物多様性について

小野寺 浩(国立大学法人鹿児島大学学長補佐・京大・農修・北大・農・昭46)
国際生物多様性年を迎えて−日本学術会議の活動から−

鷲谷 いづみ(東京大学大学院農学生命科学研究科教授・東大・理博・理・昭47)
グローバル化時代の国家回帰

遠藤 乾(北海道大学大学院法学研究科教授・北大・法・平1)
民主主義と社会保障を結びつけること−「もう一つの民主主義」のために−

田村 哲樹(名古屋大学大学院法学研究科教授・名大・法博・法・平6)
土井虎賀寿訳「DAS KEGON SUTRA, 4Bde.」と土井杉野さん

鎧 淳(金沢大学名誉教授・Litt.D.[Utrecht]・東大・文修・文・昭33)
宇宙ステーションへの帰還

土井 隆雄(国際連合宇宙部宇宙応用課長・東大・工博・工・昭53)
東アジア現代文化圏の形成と日本(午餐会講演)

青木 保(青山学院大学大学院特任教授・前文化庁長官・東大・教養修・教養・昭39)
昭和史再考−新しい研究成果から−(夕食会講演)

筒井 清忠(帝京大学文学部教授・京大・文修・文・昭47)
日本の急務、「真のエリート」教育を

藤田 宏(東京大学名誉教授(理学部数学)・東大・理博・理・昭27)
日本近代建築研究の足取り(退職記念講演会)

藤森 照信(工学院大学教授・東京大学名誉教授・東大・工博・東北大・工・昭46)
食生活・運動とがん予防

坪野 吉孝(東北大学法学部兼医学部教授・東北大・医・平1)
青雲はるかに−帯津三敬病院の窓から第一回  目には青葉 朝の気功に

帯津 良一(帯津三敬病院名誉院長・東大・医・昭36)
博物館だより(兵庫県立 人と自然の博物館)

岩槻 邦男(兵庫県立 人と自然の博物館 館長)


筆者はサボッてきちんと読んでいないので、自分の反省を込めて書くのだが、「学士会会報」を毎号きちんと読めば、相当高い教養を身につけることができると思う。

閑話休題。


この本は重量木骨の家の紹介本

この本の内容に戻るが、この本では日本各地25ヶ所の重量木骨の家(SE構法)を写真入りで紹介しており、鉄骨や鉄筋コンクリートに変わる、木を構造材として使った建築法を紹介している。

在来工法だと木の接合部はくりぬいていたものを、SE構法はくりぬき部分を最小限にとどめ、特殊な形状をしたSE金具を埋め込んで木造の強度を高めるものだ。

次の写真を見るとよくわかると思う。

SE構法







在来工法だと1.3トンの強度が、SE構法だと13.9トンにアップするというのも驚きだ。これなら耐震性は全く問題ないはずだ。


西川さんはSE構法の家コンテストの審査員

西川さんは2007年に始まった「ちょっとプレミアムな私の家と暮らしコンテスト」という重量木骨の家のコンテストの審査員だ。

この本で紹介されている最初の数軒は床面積が300平方メートル程度の広い家で、とてもこんな家は縁がないと思ったが、100平方メートル前後の手ごろなサイズの家も紹介されており、これなら手が届くという気にさせる。

200年住宅というのは、日本の家も200年住めるようなものにして資源の有効利用と社会資本の充実に資すべきだという考え方であり、その構法の斬新さに感心した。

筆者の住んでいる家は、普通の木造の建売住宅で築15年だ。5年前に和室を洋室に変えるなど、リフォームしているので、今のところ全く問題ない。しかしこの家が200年も持つとは思えないので、いずれは建て替えが必要となってくると思う。

リフォーム程度で済めばよいが、ひょっとすると全面建て替えということになるかもしれない。そんなときにこの200年住宅という構法は選択肢の一つになると思う。

200年住宅の実現には、1.耐久性と耐震性、2.間取りが変えられる可変性、3.中古流通マーケットが必要だ。まだSE構法というのは、広く知られていないと思うが、いずれは200年住宅というコンセプトとともに広まってくると思う。


西川りゅうじんさんのコラム「龍眼住想」

この本の25軒の住宅一つ一つに西川りゅうじんさんの「龍眼住想」というコラムがついている。

参考になったコラムをいくつか紹介しておく。

★日本で最初につくられた吹き抜け空間は信長の安土城だという説がある。安土城は不等辺8角形の建物で、天主閣には4層の吹き抜け空間があったのだという。SE構法なら壮大な吹き抜けが作りやすいことに関連したコラムだ。

安土城については昨年「火天の城」という映画が封切られたが、奇しくもこの映画で西田敏行のライバルの建築家を演じているのが内田朝陽君だ。



★茶室の「にじり口」とマタイ伝の”狭き門から入れ”という教えを対比したコラムも面白い。「にじり口」は千利休が、淀川の漁師が、船小屋に身体をかがめて入る様子から着想したものだという。

この本の「日常と非日常がある家」という大阪の家は、この本で筆者の一番のお気に入りだ。

「にじり口」をヒントに、あえて入り口を狭く、低くしたホームバーは、非日常の空間に誘う「どこでもドア」の様だ。青い照明とホームシアターがよりいっそう非日常感をもたらす。

★ストーブが調理用にも使用されるという話から、シェフのランクである「ストーブ前」、そして「スーシェフ」、さら炉端という発想から「いざ鎌倉」の謡曲「鉢木(はちのき)」の話に広がる。

★「和魂洋才」は菅原道真の残した菅原家の家訓の「菅家遺誡(かんけゆいかい)」にちなむ「和魂漢才」をもじったもので、日本初の国語事典を編纂した江戸時代の国学者谷川士清(ことすが)が道真を思って創作し、それを平田篤胤(あつたね)が紹介して幕末の志士の間にひろまった。

★江戸時代の弓矢のマークは銭湯のマーク

★杉は日本古来の針葉樹であり、中国語の「杉」は別の木。本来は「椙」(すぎ)という国字を用いるのが正しい。杉は建材にも味噌や醤油の樽にも使われた。

★富士山は古来から「不死の山」と言われ、史記の「秦始皇本紀」に始皇帝が日本に不死の薬を求めて人を派遣したとある。「竹取物語」のクライマックスにも不死の意味を込めて「ふじの山」と名付けたことが記されている。

富士山を書いた富嶽三十六景などの浮世絵はヨーロッパの芸術家、たとえばゴッホの「タンギー爺さん」や、ドビッシーの交響詩「海」に影響を与えた。

Van_Gogh_-_Portrait_of_Pere_Tanguy_1887-8










出典:Wikipedia

神奈川沖浪裏






出典:Free Wall Paper

★やまとことば「いえ」の語源から、中国の「易経」の「形而上」に飛び、アリストテレスにはじまる"Metaphysics"を「形而上」と訳した井上哲治朗、さらに老子の「道徳経」、そして「器」の話から聖書のコリント人への手紙の「土の器」の話になる。

上記のマイケル・サンデル教授の本と、西川さんの「形而上」についてのコラムに触発されたこともあり、現在カントの「純粋理性批判」を光文社古典新訳文庫で読んでいる。

純粋理性批判〈1〉 (光文社古典新訳文庫)純粋理性批判〈1〉 (光文社古典新訳文庫)
著者:イマヌエル カント
光文社(2010-01-13)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

この本は大学の時読んだので、冒頭のプロイセンの大臣に捧げる献辞とか、”アプリオリ”、”アポステリオリ”の認識とかが、「そういえば読んだことあるな」と思い出される。

しかし大学の時は「読んだ」というよりは「単に字面を追った」という感じだったので、今回新訳版で再度挑戦している。

ちなみに新訳版の第一巻のほぼ半分は、訳者の中山元さんの解説で、本体と解説書を一緒に読む感じなので、今回はよりよく理解できるのではないかと期待している。


ちょっと脱線したが、こんな感じで、「左官」の語源や、家と窓の系譜、玄関の語源、茶道と江戸城の大広間、ゲーテの「色彩論」など、西川さんのほとばしる知識はそのとどまるところを知らない。全く驚くべき博識である。

知識欲を刺激される優れたコラムだ。


余談になるがピッツバーグの石造りの家

余談になるが、筆者がピッツバーグで住んでいた家は、築40年を超えた石造りの家だった。

アメリカでは石油ショックの1970年代に建てた家は諸資材高騰のために最悪の材料を使った最悪のつくりの家で、その前か後の家でないといろいろ問題が出てくる。

筆者の家も買ったときは築40年だったが、むしろその頃の家の方が、新しい家よりも、つくりが良いと言われたことがある。

筆者の家は、マルチと呼ばれる3層構造の家で、右左が0.5階ずつたがいちがいに重なり、地階がガレージ、0.5階がファミリールーム、1階がリビング・ダイニング、1.5階がメインベッドルームという構造だった。3ベッドルームで、総床面積は160平方メートルだ。

google map pittsburgh






部屋と部屋の移動のためには、数段しか階段を登らなくて良いという、年配者にはやさしいつくりだった。

筆者はこの家を買って、車が2台入るガレージドアを木製の重量ドアからアルミ製の軽量ドアに変え、バスルームを三角形のジャクージ付の日本風の浴槽と洗い場に変えて、日本風の風呂を楽しんでいた。

18万ドルで買った家を改良して、3年後に22万ドルで売った。改良投資は十分回収できた。家(上物)の値段が日本のように下がらず、改良すれば値段が上がることもあるのが、アメリカの良いところだ。

Jacuzzi







ちなみにJacuzziとはジェットバスを製品化したジャクジーファミリーという一家の名前だ。

ピッツバーグの家の土地は0.5エーカー強あったので、650坪くらいになる。一面芝生の傾斜地だったが、芝生にマットを敷いてゴルフのアプローチの練習を時々やっていたものだ。

これだけ広いと芝生に水をまくのが大変なので、自走式のスプリンクラーを使っていた。

自走式スプリンクラー






庭のピクニックテーブルでバーベキューを時々やった。

picnic table






季節の良い時はテラスで朝食。

テラス






ピッツバーグだと10月にはもう寒くなるので、普通の時は朝食は庭に面したキッチンの横の大きな窓のあるブレックファーストテーブルで食べていた。この場所が、筆者が一番好きな場所だ。

small dining






閑話休題。


世の中にはすごい人がいる。底知れぬ才能というのは西川さんのような人のことを言うのだろう。天才マーケターであると同時に、信じられないほど博識だ。これだけの知識は一朝一夕には蓄積できない。たぶん小さい時から教育を受けてこられたのではないかと思う。

今後西川さんにお会いした時には、和洋の古典から現代文学・芸術まで多岐にわたる勉強法を是非お聞きしたいものだ。


参考になれば投票ボタンをクリック願う。


  
Posted by yaori at 01:23Comments(0)TrackBack(0)

2010年09月12日

西川りゅうじんさんにお会いした

日本を代表するマーケティングコンサルタント 西川りゅうじんさんに、筆者の友人の内田さんの六本木のお店でお会いした。

西川りゅうじんさんHP





なんと西川さんも内田さんのお店に30年くらい通っている常連だった。

筆者も内田さんのお店にはもう30年以上通っているので、いままでお会いしなかったことがむしろ不思議なくらいだ。

りゅうじんさんも、さっそく速攻でご自身のツィッターで書かれている。

西川りゅうじんさんTwitter






日本を代表するマーケティングコンサルタントなので、超多忙だと思うが、そのフットワークの軽さは驚異的だ。

またその腰の低いこと!一緒に連れて行った大学3年生の長男にも、ご親切にいろいろアドバイスを頂いた。ちなみに西川さんは、大学生の時に起業されたそうだ。

水は低きに流れるが、仕事も人気も腰の低い人に集まる。「仕事は忙しい人に頼め」というが、その典型のような人だ。さすが成功する人は違う。

ウィキペディアによると、西川さんの役職は次の通り紹介されている。

1.平城遷都1300年記念事業協会評議員

2.経済産業省新エネルギー普及委員

3.長野県スキー再興戦略会議メンバー

4.兵庫県広報アドバイザー

5.兵庫県21世紀ナビゲーターズ委員

6.千代田区街づくり懇談会委員

7.国土庁首都機能移転検討委員会専門委員

8.鹿児島県本格焼酎マーケティング研究会座長

9.拓殖大学客員教授

10.秋田県ストアデザインコンペティション審査委員長

11.奈良県観光PR大賞審査委員長・みやげもの大賞審査委員長

12.クリスタ長堀商業開発プロデューサー

13.Japan Expo大賞審査員

14.国土交通省ユーザーの視点に立った道路工事の改善マネジメント委員

15.日本道路公団IT時代における高速道路のあり方に関する検討委員

16.東京モーターショーオフィシャルリポーター

17.財団法人日本ウエルネス協会評議員

18.社団法人コンピュータエンターテインメント協会日本ゲーム大賞アカデミー委員

19.読売広告大賞審査員

20.茨城県つくば田園都市推進会議アドバイザー

21.千代田区街づくり懇談会委員

22.武蔵野市吉祥寺グランドデザイン委員

23.愛知県武将のふるさと愛知軍師

24.大分合同新聞社豊の国かぼす特命大使

25.鹿児島県薩摩大使

26.内閣府沖縄県離島活性化美ら島ブランド委員会委員

27.岐阜県ソフトピアジャパンメディアプラザ企画検討委員

28.神奈川県KSPマルチメディアデジタルコンテストCD-ROM部門審査委員長

29.経済産業省ヒューマンメディア委員

30.日本計画行政学会政策評価研究会メンバー

31.2005年日本国際博覧会誘致委員

32.大阪青年会議所アドバイザー

33.京都商工会議所アドバイザー
等。

今回頂いた名刺には、”土佐・龍馬であい博プロデューサー 高知県観光特使”となっていた。上記の役職にさらにこれが加わり、たぶんウィキペディアに載っていない他の仕事もされているのだと思う。

筆者も政府の研究会の委員として、経産省の企業ポイント研究会のメンバーだったことがある。他に掛け持ちなどなく、それ1件だけだったが、それでも月2回くらいは会議があった。

これだけ多くの役職を兼任するとは、信じられないマルチタレントだ!

西川さんは「「0円」で億を稼ぐ! 「タダ」よりすごいビジネスはない」という本を2008年に出されている。

「0円」で億を稼ぐ! 「タダ」よりすごいビジネスはない「0円」で億を稼ぐ! 「タダ」よりすごいビジネスはない
著者:西川 りゅうじん
販売元:マガジンハウス
発売日:2008-07-24
おすすめ度:5.0
クチコミを見る


今年初め話題になった「フリー」よりも1年も前に、”「0円」で稼ぐ”というアイデアを発表されている。

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
著者:クリス・アンダーソン
販売元:日本放送出版協会
発売日:2009-11-21
おすすめ度:4.0
クチコミを見る


その先見性は、さすが日本を代表するカリスマ・マーケティングコンサルタントだ。

世の中にはすごい人もいるものだ。大変感銘を受けた。さっそく西川さんの本を読んで、近々内容を紹介する。


参考になれば投票ボタンをクリックして頂きたい。



  
Posted by yaori at 02:01Comments(0)TrackBack(0)