2016年04月25日

容疑者Xの献身 こんなんありか?奇想天外な犯罪トリック

容疑者Xの献身 (文春文庫)
東野 圭吾
文藝春秋
2008-08-05


東野圭吾のガリレオシリーズの代表作。東野圭吾はこの作品で直木賞を受賞している。

容疑者Xの献身 ブルーレイディスク [Blu-ray]
福山雅治
ポニーキャニオン
2009-03-18


起こった犯罪自体は、どこにでもありそうな事件だが、犯罪を隠ぺいするためのストーリーが凝りに凝っている。

最後まで息をつかせないストーリー展開だ。

この作品は映画化されている。まだ映画は見ていないが、次の画面の通り、湯川の大学の同期生の数学の天才で、高校柔道部コーチの石神を、堤真一(マフラーで顔があまり見えないが)が演じているので、若干違和感がある。



それにしても、これだけのストーリーをよく考えたものだ。

バツイチで娘と暮らす美貌の隣人に片思いの恋心を抱く高校の数学教師石神は、探偵ガリレオこと湯川と警視庁刑事の草薙の帝都大学の同期生だった。

最初に石神が毎朝高校に出勤する前に立ち寄る清州橋付近にある弁当屋と、道すがらの隅田川沿いのホームレスキャンプが登場する。

このホームレスキャンプが「小説のトゲ」となって、後から効いてくる。

この弁当屋で働く、石神の隣人の元夫が殺された。事件を担当する草薙から湯川は相談を受ける。

その事件の関係で、殺された男の元妻が重要参考人として浮かび上がる。しかし、元妻には映画を見ていたという2時間余りを除いて、ほぼ完ぺきなアリバイがあった。

湯川はひょんなことから、その重要参考人の隣人が石神であることを知る。

湯川は石神を天才数学者と一目置いていたが、石神とは卒業後音信不通で20年が過ぎており、天才数学者の石神が一介の高校教師となっていることに驚く。

そして湯川は、この事件は綿密に考えられたアリバイ工作があると見抜く。

親友の石神と対決せざるをえなくなって苦しむ湯川。

湯川は、友人の警視庁の草薙とは別行動に出る。

石神と湯川の直接対決。

その後、石神は思いもかけない行動に出る。

それは……。

というようなストーリーだ。

やりすぎといった感のあるストーリーだが、思いもかけない展開だ。

文庫本で400ページ余りの作品だが、最後まで一気に読んでしまう。

大変面白い小説だ。一読をお勧めする。


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Posted by yaori at 23:18Comments(0)TrackBack(0)

2016年04月09日

カッコウの卵は誰のもの WOWWOWドラマ化された東野圭吾の小説



この前紹介した「プラチナデータ」以来、東野圭吾の作品をいくつか読んでいる。

東野圭吾の作品はいくつもテレビドラマになっている。

この「カッコウの卵は誰のもの」もWOWWOWでドラマ化されて、現在放送中だ。土屋太鳳(たお)が主役の風美役を務めている。

カッコウ






















アルペンスキーでオリンピック出場を目指す風美は親子二代にわたるスキーヤーだ。

風美はどんどん実力を上げ、大会でも上位に食い込むようになってきた。そんな風美が所属する企業チームの新世開発に、ある日脅迫状が届く。風美をチームから外さないと、風美に危害を加えると。

脅迫状が届いてすぐ、風美が乗るはずだったホテルのマイクロバスが事故を起こし、風美のファンだと言って近づいてきた初老の男性が巻き込まれて重体になる。

一方、スポーツ選手の才能は「スポーツ遺伝子」で決まるという理論を証明したい新世開発スポーツ科学研究所の柚木は、元オリンピックアルペンスキー選手だった風美の父親にDNA提供を求めるが、断られていた。

ところが、バス事故後、風美の父親のほうから、DNAを分析してくれと逆に依頼され、風美の亡くなった母親のものだとして血がついた紙を渡される。

分析結果は、風美が持つスポーツ遺伝子は母親も持っていたことがわかる。元オリンピック選手の父のみからスポーツ遺伝子を受け継いだわけではなかったのだ。

風美の母親はスポーツ選手ではなかった。判定結果は柚木をがっかりさせるが、逆に風美の父は不安にかられる。

風美は自分と自殺した妻との子供ではないのではないかという疑問を持っていたからだ。

自分が海外遠征中に妻が入院していた病院には、出産記録はない。

カッコウの托卵のように、どこかで乳児を見つけてきたのではないか?

風美の母親の出身地であり、風美の出生地である新潟や長岡で亡くなった妻の友人や病院を調べまくる父。

柚木も加わって、調査が進むと意外な事実が浮かび上がってきた。

あの風美のファンだといって、近づいてきた男の本当の目的は?……。

というようなストーリーだ。

どういう結末となるのか予想がつかず、どんどん読み進んでしまう。

大変楽しめる小説だ。

テレビドラマはWOWWOWに契約していれば、WOWWOWメンバーズオンデマンドに登録すれば無料でストリーミング視聴できる。

今度ドラマも見てみようと思う。


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Posted by yaori at 21:35Comments(0)TrackBack(0)

2016年03月14日

プラチナデータ DNA捜査はこうなる? 東野圭吾の近未来警察小説

プラチナデータ (幻冬舎文庫)
東野 圭吾
幻冬舎
2012-07-05


東野圭吾の近未来警察小説。

嵐の二宮和也主演で映画化されている。



この小説の中には年号は一切出てこない。

近未来の日本。

DNA検査が犯人特定に使われるようになる。「ビッグデータ」の犯罪捜査への活用だ。

映画の予告編では、日本国民すべてDNAデータを国が管理するとのキャプションが出ているが、話はそう簡単ではない。

日本の居住者全員からDNAを集めるのは不可能なので、近親者のDNAからも犯人を割り出せるシステムが天才数学者の手によって開発された。

DNAを肉親や親戚が登録したら、自分まで芋づる式に調べられる可能性が出てきたのだ。

これなら犯罪抑制の効果も期待できる。

というのは、もし親類や兄弟がDNAを登録していたら、悪いことをするとすぐに自分が割り出される恐れがあるからだ。

手法は異なるが、スピルバーグの映画「マイノリティレポート」の犯罪未然察知システムを想起させる。



「マイノリティレポート」は「未知との遭遇」と並んで筆者の最も好きなスピルバーグ映画だ。特に、ショッピングモールの虹彩を読んで個人を特定して、その人にあった広告を表示するショッピングモールの場面は興味深いので、よく話題にしている。



話が横道にそれたが、DNA検査の捜査利用は順調なスタートを切った。

採取した毛や体液などの分泌物のDNAを調べて、日本国民の膨大なデータとマッチングすれば、容疑者の身長、体重、身体的特徴、そしてモンタージュ写真まで作ることができるのだ。

まずは逮捕第一号。簡単なものだ。

「朝飯前」だ。

これなら刑事も多数リストラできる。

しかし、そのシステムには致命的な欠陥が……。

突然、なぜか警察庁が本腰を入れて乗り出してくる。

というようなストーリーだ。

今や邪魔者扱いされた豊川悦司が演じる警視庁の捜査一課刑事と、検査結果を解析する二宮和也演じる警察庁特殊解析研究所の主任解析員が主人公だ。

大変面白い。単行本だと430ページもの作品だが、時間を忘れて一気に読めてしまう。

是非一読をおすすめする。


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Posted by yaori at 00:09Comments(0)TrackBack(0)