2016年11月04日

天才は努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある



東大法学部を首席で卒業、財務省勤務を経て、現在は弁護士として活躍するという山口真由さんの本。

山口さんは「東大首席弁護士」ということで、この本を出版した後、同じような本を違う出版社から数カ月おきに何冊も出している。










以前、「ビジネス書の9割はゴーストライター」という本のあらすじで紹介した通り、出版不況の折、ちょっとでも売れる著者がいれば、様々な出版社がゴーストライターを用意して群がってくる。それの典型のような出版ぶりに思える。



東大法学部出身で、成績抜群というと、現在はライフネット生命保険の社長となっている岩瀬大輔さんを思いおこさせる。

入社1年目の教科書
岩瀬 大輔
ダイヤモンド社
2011-05-20


このブログでも岩瀬さんの「入社一年目の教科書」「超凡思考」を紹介しているので、参照願いたいが、岩瀬さんは在学中に司法試験に合格したところは山口さんと同じだが、首席卒業とは言っていない。

どちらも秀才であることは間違いないが、山口さんは平成17年に法学部における成績優秀者として「東大総長賞」を受賞している

しかし、当たり前のことだが、よしんば東大法学部での成績が全優であっても、それが社会での成功を約束するものではない。

山口さんは財務省に入省後、2年間で財務省を辞めて、弁護士になっている。

最近読んだ「東大VS京大」という橘木俊詔(たちばなき・としあき)京都大学名誉教授の本では、次のように弁護士と学歴について次のように語っている。

「弁護士を自営業稼業と理解すると、学歴(特に学校名)の果たす役割はかなり小さくなることは明らかである。

どれだけ顧客をとるかとか、裁判で勝者になるといったことは、その弁護士のコミュニケーション能力や人柄などにかなり依存するからである。

もとより法律や過去の判例の知識、あるいは論理的な思考力や洞察力も無視はできないので優秀な大学を出た人が多少は有利だろうが、その弁護士の個性と仕事ぶりが決め手になる世界である。

学歴がほとんど無用な世界が弁護士であるといっても誇張ではない。」(「東大VS京大」P194)



最近は東大法学部出身者がほとんどを占めるということはなくなってきたが、官僚、特に財務省こそ東大法学部卒というブランドが、いまだに生きている職場ではないかと思う。

それを2年で辞めて、裁判官になるというなら、まだわかるが、上記の橘木さんのいうような学歴無用の弁護士になるとは、正直何を考えているのだろうというのが筆者の印象だ。

山口さんは現在は、勤めていた弁護士事務所を辞めて、ハーバードのロースクールに留学中ということで、今度は米国のどこかの州の弁護士資格を取って、いずれは国際弁護士として活躍すべく勉強しているようだ。

しかし、コミュニケーション能力が問われる弁護士の世界では、ハーバードビジネススクールを出たとしても、弁論で勝てなければクライアントもついてこないだろう。

テレビタレントとしては、これだけハクがある弁護士は他にいないので、強みとなるだろうが、当意即妙、その場にあった受け答えができることが、タレントとしての価値であり、それには学歴や留学歴は関係ないだろう。

ともあれ、山口さんが努力の人で、大変な勉強家であることは間違いない。試験前は睡眠時間も3時間にしたり、眠らないように足を水に漬けたりしたという。

この本で紹介されている方法論をいくつか紹介しておく。

まずは素通しで7回読むというのが紹介されている。

7回も繰り返し読むよりは、もっと効率的な読書法があるのではないかと思うが、単にページをめくるだけだったら、苦痛ではないので、読むことへの負担を軽くするのだと。

7回も読めば、見慣れた記述にどんどん親近感が涌いてきて、読書が楽なものになっていくという。

スケジュールは外圧で管理するという方法が紹介されている。

何かの資格を取るための勉強をする際には、手帳でこまめにスケジュールを決めて勉強するよりは、勉強する前に受けられる模試をすべて申し込む。

模試を受けて、結果を見て、欠点を補強、再度また模試を受けて、欠点を補強という具合に外圧の模試でスケジュールを管理するのだと。

努力をする際にもっともやってはいけないことは、「自分との戦い」にもっていくことだ。

普通の人は、「自分との戦い」に持っていくと、たいていはうまくいかない。孤独な戦いに挑むよりも、ライバルと一緒に頑張るほうが続けることができる。

ダイエットでも、ランニングでもライバルを見つけ「まわりの人より頑張ろう」で続くのだと。

山口さんは、大変頭の良い人であることは間違いない。

しかし、取れる資格はいくつでも取ってハクをつけても、ビジネスではコミュニケーション能力が重要で、それは資格を取ったり、本を読んでも身につくものではない。

思うようにいかないから転職を繰り返しているのか、それともある目指す姿に向かってキャリアを積み上げているのかよくわからないが、タレントとしてではなく、本業でぜひ成功してほしいものである。


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2012年02月15日

入社1年目の教科書 ライフネット生命保険会社の岩瀬大輔さんの本

入社1年目の教科書入社1年目の教科書
著者:岩瀬 大輔
ダイヤモンド社(2011-05-20)
販売元:Amazon.co.jp
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このブログでも「超凡思考」を以前紹介したライフネット生命保険の副社長・岩瀬大輔さんの仕事のやり方指南本。

岩瀬さんの「ハーバードMBA留学記」を読んで以来、岩瀬さんの本は大体読んでいる。注目している若手経営者・オピニオンリーダーの一人だ。

金融資本主義を超えて―僕のハーバードMBA留学記 (文春文庫)金融資本主義を超えて―僕のハーバードMBA留学記 (文春文庫)
著者:岩瀬 大輔
文藝春秋(2009-05-08)
販売元:Amazon.co.jp
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岩瀬さんは会社(リップルウッド)をやめて自費でハーバードMBAに留学した。留学時代のブログをまとめた本が「ハーバードMBA留学記」だ。もともとそのつもりだったのかどうかわからないが、本の印税で留学の経費は賄え、今は文庫にもなっているので、会社をやめて留学するという思い切った決断だが、十分リターンはあったのだろう。

もちろん留学して得た知識や人脈は財産となっており、ダボス会議の「ヤング・グローバル・リーダーズ2010」にも選出されている。

この本は、今年就職する長男に参考になるのではないかと思って読んでみた。岩瀬さんの「ハーバードMBA留学記」は既に渡してある。

この本はアマゾンの「なか見!検索」に対応しているので、ここをクリックして目次を見てほしい。「何があっても遅刻するな」や「宴会芸は死ぬ気でやれ」とか、実践的な内容であることがわかると思う。

合計50のタイトルで説明しており、最初に仕事において大切な3つの原則として次を挙げている。

原則1 頼まれたことは、必ずやりきる

原則2 50点で構わないから早く出せ

原則3 つまらない仕事はない


社会人になると「信頼できるかどうか」が重要な判断基準となる。職場の仲間でも、取引先でも同じことだ。岩瀬さんの上記の3原則は、新人が「頼れる人」と見なされる上で重要なポイントだと思う。

特に原則3の「つまらない仕事はない」は、楽天の三木谷さんも「成功の法則92ケ条」に、当時の東京銀行に入行して配属されたルーティン業務の代表格の外国為替部門でも、クサらず積極的に取り組んで成果を出したことを書いている。

成功の法則92ヶ条成功の法則92ヶ条
著者:三木谷 浩史
幻冬舎(2009-06)
販売元:Amazon.co.jp
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外国為替業務といっても、多くの人にはピンと来ないだろう。筆者も商社マンなので、昔は貿易実務を担当していた。

主に原料の輸入をやっていたが、輸出もやったことがある。輸入の場合にはL/C(Letter of Credit)という信用状を銀行に開いてもらって、輸出者が銀行に要求された船積書類を持ち込むと、銀行がチェックして問題なければ、輸出者に輸出代金が支払われる仕組みだ。

三木谷さんの言っているのは、そのような信用状関連の業務だと思う。筆者も大手町の旧・日本興業銀行本店に行ったことがある。

三木谷さんの本では、銀行の外為業務はルーティンでつまらない業務と見なされていたようだが、商社マン、特に若手担当者にとっては銀行経由送られてくる船積書類が要求通り作成されているかどうかをチェックするのが重要な役目だった。

というのはもし輸出者が要求通り船積書類を作成していないと、再作成を要求でき、支払いを延ばすことができるのだ。当時のドル金利は10%を超えており、金額が数百万ドルと大きいので、1週間でも支払いを延ばせればかなりのコストセーブになる。

それこそ目を皿のようにして、船積書類をチェックした。その時代から書類チェックは筆者の好きな業務で、全然ルーティンだなんて思っていなかった。同じ外為業務でも支払い手段を提供している銀行の人と、実際に貿易をしている商社マンとは違うのだと思う。

脱線したが、どんな仕事でもつまらない仕事はない。文字通り「一所懸命」ということだと思う。

「なか見!検索」で目次を見れば、大体の論点は分かると思うので、ここでは参考になった点を紹介しておこう。


★「岩瀬さんは、いい意味でコンサルタントっぽいよね。」

岩瀬さんは、他の業界の人にこういわれたという。

ある業界の市場規模、現在のシェア、シェアの推移、各社の収益率の差異、商品ごとのポートフォリオ、それぞれの収益性、将来の展望、海外との比較、規制や技術革新の状況…。

岩瀬さんが最初に就職したのは、ボストン・コンサルティング・グループだったので、コンサルとしてトレーニングする中で、上記のようなポイントで、常に業界がどのように動いているかというマクロの視点でものを見る習慣がついているのだと。

営業マンは明日のことを考え、部長は1か月先のことと考え、本部長は1年後のことを考え、社長は5年後のことを考えている。

だから経営者と話すときは、時間軸が違うことを念頭に入れておく必要がある。全体像を見る視点を持った人と付き合うことが重要だと語る。


★ライフネット生命の顧客開拓は大学生から

このブログでも紹介した和田浩子さんの「P&G式世界が欲しがる人材の育て方」を読んで、小学5年生から生理用ナプキンを配るという話を知り、岩瀬さんは感心したという。

P&G式 世界が欲しがる人材の育て方 日本人初のヴァイスプレジデ<br>
ントはこうして生まれたP&G式 世界が欲しがる人材の育て方 日本人初のヴァイスプレジデ
ントはこうして生まれた

著者:和田浩子
ダイヤモンド社(2008-08-22)
販売元:Amazon.co.jp
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そこでライフネット生命保険は大学生に向けた宣伝活動を開始した。大学生は生命保険は買わないが、数年後は生命保険を買うようになる。だから「ライフネット生命お薦めの10冊」といった広告を出したのだ。


★趣味を伸ばすこと、本を読むこと、体のコンディショニングなどは、仕事が終わってからの空き時間で済ますような重要度の低いものではない。

岩瀬さんも当初はわからなかったが、だんだんに趣味、読書、健康の重要性に気がついてきたという。少なくとも飲みに行って遊んでいるヒマがあったら、成長するための自己投資に時間を使うべきだと。

筆者は今でこそ、週5冊以上、年間300冊程度本を読んでいるが、20代は月に1冊本を読めばよいほうだった。それがだんだん読書量が増えてきたのは、本好きの家内と結婚したことが大きな要因だと思う。

子どもが生まれる前も一緒に図書館に行っていたが、子供が絵本を読むようになったら、毎週のように図書館に通うようになって、筆者の読書量も増え始めた。通勤時間の2〜3時間はみっちり本を読むようになってきた。

アメリカ駐在の時は、車で通勤していたので本は読めないため、オーディオブックで本を読んで(聞いて)いた。最初はカセットブックだった。日本の電車通勤は時間的に長いが、筆者は日本の通勤の方が好きだ。本が読めるからだ。

筆者の場合、昔は図書館をほとんど利用せず、もっぱら本は買っていたが、本を買うとそれで安心してしまい、「積ん読」になってしまうパターンが多かった。その点で、図書館を利用して2週間以内に必ず読んで返すというパターンは筆者にぴったりだった。だから読書量が増えたのだ。

そうはいっても、筆者は読書量を誇るつもりはない。本を読むだけだったら、たぶん年間500冊だって読めるだろう。問題は本から何を得て、自分の身につけられるかどうかだ。

その意味では、このブログは筆者の「外部記憶媒体」として、大変役立っている。たぶんブログがなかったら、筆者の読書も単に量だけのものだったろう。

ブログの一番のメリットは、本の内容を忘れていても、ブログトップの検索窓でキーワード検索すれば、その記事が出てきて、それを読めば記憶がよみがえることだ。年間300冊位読む本の内容はいちいち覚えきれない。そんな時にこのあらすじブログが役立つ。

2006年にベストセラーとなった「ウェブ進化論」の梅田望夫さんは、「ブログは究極の知的生産の道具」と言っていたが、その通りだと思う。

既にこのブログのエントリー数は750を超えている。紹介した本は全部で1,000冊以上だろう。ぜひ筆者の例を参考にして、自分の「外部記録媒体」としてブログやSNSを活用してほしい。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)
著者:梅田 望夫
筑摩書房(2006-02-07)
販売元:Amazon.co.jp
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閑話休題。


★苦手な人には「惚れ力」を発揮

以前ブライダル関係の人に講演を依頼した時に、「なかなか結婚できない人は、惚れ力を磨け」と言っていたという。

条件に固執して、結婚相手のあら探しばかりしてはいけない。相手のどこか良いところを探して、そこに惚れる。それが「惚れ力」なのだと。

人間関係でも付き合いにくい人がいたら、それを克服するのが「惚れ力」だ。つまり相手の良いところを見て、悪いところばかりみないということだ。

ポジティブシンキングの人間関係版というところだろう。


★いきなりテレビのワイドショーに呼ばれたら

岩瀬さんは消費税や国家財政についてのワイドショーでゲストに呼ばれたという。そのためにまずは10冊ほど関連する本を大人買いした。

次にしばらく会っていなかった財務省の友人に電話して、昼食を取りながら相談したら、財務省の課長クラスの人が2人でレクチャーしてくれることになったという。

次に外資系投資会社の友人に連絡してチーフエコノミストに紹介してもらい、財務官僚とは逆の立場からの意見を聞く機会をつくった。そのチーフエコノミストとは2時間も昼食を一緒にしながら、いままで調べたことで疑問に思ったことを質問したという。

これだけの準備をしてテレビの収録に臨んだので、聞かれても気の利いたことがいえる結果となったという。

参考になる対応だと思う。


新入社員や若手社員を念頭に書かれた本だが、ビジネスの基本を押さえており、参考になる。冒頭で紹介した三木谷さんの体育会系の「成功の法則」とあわせて読むと良いと思う。

お薦めの本12冊に自分の本2冊とライフネット生命の社長の出口さんの本が1冊出てくるのは、やや興ざめだが、もともとライフネット生命保険がターゲットとしている若手社員向けの本だから、自社の宣伝が目につくのはやむを得ないところだろう。

まずは「なか見!検索」で目次を見てみることをお勧めする。


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2010年06月07日

村上式シンプル英語勉強法 もう遅い なんてことは 絶対に ない

村上式シンプル英語勉強法―使える英語を、本気で身につける村上式シンプル英語勉強法―使える英語を、本気で身につける
著者:村上 憲郎
販売元:ダイヤモンド社
発売日:2008-08-01
おすすめ度:4.0
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元グーグル本社副社長・日本法人社長の村上憲郎(のりお)さんの実戦的英語勉強法。このブログでは「村上式シンプル仕事術」を紹介した

英語はいわば「2台めの自転車に乗る方法」だから、必要なことしかやらない。高額教材はいらない。英語を頭で考えず体に覚えさせる、というのが村上さんの英語勉強法の特徴だ。

英語が使えることが目標なので、村上さんの発想は参考になる。


村上さんの英語勉強法

村上さんの英語勉強法の骨子は次の5点だ。

1.英語を読む そのためには300万語読む
300万語は小説で30冊、ノンフィクションで15冊程度。読むときは「息継ぎをしない」というのがポイントだ。

たしかに途中で「息継ぎ」して他の本などを読むと、いままでの筋を忘れてしまうことがある。英語は集中して読め、というのが村上さんのメッセージだ。

2.単語を覚える そのためには毎日1万語を眺める
丸暗記ではなく、毎日眺めるのがポイント。

3.英語を聴く トータル1000時間 筋トレ感覚で聴く
テキストは見ず、ひたすら耳を鍛える。

4.英語を書く 「英借文」とブラインドタッチを身につける
英語は作文ではなく、タイプすることが「書く」ことだ。

5.英語を話す 
「あいさつ」、「依頼」、「質問」、「意思表現」、「相手の意向を聞く」の5パターンの基本表現を覚える。自分及び自分の関心事で100の英文を丸暗記。


村上さんも英語ができなかった

村上さんが英語を本格的に勉強しはじめたのは、31歳で日立電子から外資系のDECに転職した時だ。生まれて初めて海外旅行し、アメリカで研修を受けたが、全くしゃべれなかった。

帰国後も外人からの電話をわざと取らされたりで、コンチクショー!と思ったという。

それで絶対に英語を身につけてやると決心した。劣等感が、村上さんの英語上達の原動力だ。

筆者も村上さんと同じように、最初の海外旅行がアルゼンチンへの赴任だった。

いまでこそTOEIC945点だが、最初の海外赴任のために乗ったパンナム機で、米人スチュワーデスに「ミルク」が通じず、結局ビールを持ってこられた屈辱が筆者の英語上達の原点だ。

それ以外にも何度も、「もっと英語を上達してやる!」と思ったことがある。屈辱感と「絶対に英語をものにする」という強い意志が、英語上達の秘訣だ。

村上さんは、「もう遅いなんてことは、絶対に、ない。」、「誰でも、どこにいても、努力すれば、勉強すればいくらでも伸ばせる。それが英語だ。」と語る。まさにその通りだと思う。


英語を読む

英語を読むとは、英語を英語のまま(日本語に置き換えないで)、内容を英語で読むことだ。これが英語上達の第一歩だ。

何語を学ぶにも、日本語に置き換えないで考えることが必要だ。


単語を覚える

単語を覚えるためには、平日は3,000語、土日は1万語ひたすら眺める。眺めているうちに覚えるのだと。熟語、イディオムは捨てて良いと。

筆者はこのやり方はやったことがない。筆者は20年以上「タイム誌」を購読していた。わからない単語をハイライトしておき、後で辞書で調べるという作業をコツコツ20年間行った。

1ページに下手すると5も10も、わからない単語に出くわすという状態は最後まで変わらなかった。しかし、地道に辞書を引いて覚えたので、英語のボキャブラリーというよりは、適切な英単語の選択、いいまわしには絶対の自信がついた。

会話は誰でも一定期間勉強すればできるようになる。英語のうまい下手は、結局書いたものの勝負で、その決め手は絶妙な単語の選択ができるかどうかだ。

「タイム誌」を読んでいると、単語の選択にはほれぼれする。実に適切な単語を選択して、記事を書いているのだ。


英語を聴く

英語を聴く力は、「耳の筋力」で「知力」ではない。1日1時間 X 3年=合計1,000時間聴くのだと。

リスニングのおすすめとして、ダボス会議のサイトやCNN,Newsweekのサイトが紹介されている。

weforum








世界経済フォーラムのページでは各国語にその場で翻訳できる機能が付いている。

筆者が愛用しているaudiobookのサイトAudibleもおすすめだ。
audible






現在筆者はウェレン・バフェットの伝記、"The Snowball"を通勤時間に聞いている。全部で37時間という大作だ。

The Snowball






これまでバフェットのインベスターとしての公的生活しか知らなかったが、この伝記には私生活のことも多く書かれている。

正直バフェットという人は好きになれない。どこに旅行しても食べるのはハンバーガーとフレンチフライだし、ソニーの盛田さんのニューヨークの家に招待されたときは、出された15皿のスシを一口も食べなかった。中国にビルゲイツと経済ミッションで旅行したときも、食べるものはハンバーガー(かステーキ)とフレンチフライだけ。

家族はいるが、奥さんとは長年別居しているが、公的行事には奥さんと出席する。オマハの自宅に公認の愛人と住んでおり、公的行事に愛人と出席することもある。お母さんの家系は精神病の家系で、いろいろな人が自殺したり、発狂したりしている。

ビル&メリンダ・ゲイツ財団に100億ドルもの寄付をして、アンドリュー・カーネギーの言葉通り、「富を持って死ぬことは不名誉である」を実践したが、それでも好きなタイプの人ではない。

もうすぐ37時間のオーディオブックを聞き終えるので、聞き終えたら内容を紹介する。


英語を書く

村上さんは「英作文は無理。英借文しかない」と気づいてから、すごく気持ちが楽になったという。英借文用のテンプレートをストックせよと。

筆者はいまでこそネイティブ並みの英文レターを書ける自信があるが、実は最初のピッツバーグ駐在の時に、大学でコミュニケーションを専攻した米人若手社員にビジネス文例集をつくってもらって、それがベースとなっている。

海外赴任する得意先の人にも、その文例集をコピーしてプレゼントしたら喜ばれたものだ。

その意味でも村上さんの「借文」は正しい考え方だと思う。

ちなみに村上さんは、借文よりまずタイプだと語る。ブラインドタッチをマスターすることが作文よりも前にすべきことだと。

そして内容よりレターのフォーマット(見栄え)が重要だ。英文レターは読みにくかったらダメ。米国はフォーマット重視の社会だと。

この点は筆者も賛成だ。筆者はまず英文レターを書くときは、フォントや行数を調整して1ページに極力全部収まるように書く。そしてパッと見て、そのレターが美しいかどうかを重視している。

内容も勿論だが、やはりレターは読みやすく、美しい方がよい。


英語を話す

英語を話すについては、日常英会話は5パターンしかない。つまり、

1.あいさつ

2.依頼する たとえば"Could you please..."とか、"Can I..."を自分の常套句にする。

3.何かを尋ねる

4.意思を伝える たとえば"I'd like to..."とか"I will..."とかの文例だ。

5.相手の意向を聞く たとえば"Would you like to..."や"Shall I...?"だ。

日常会話はこの5パターンのみというのが、村上流だ。

会話のもう一つのヒントは、どんな話でも自分の用意した100の話題に持って行くことだ。

英会話で最も難しいのは雑談だ。ビジネス会話なら話すことは大体決まっているので、慣れれば誰でもできるようになるが、雑談は教養と英語力の両方が必要だ。

普段から本や新聞・雑誌を読み、話のネタをストックしておき、それを小出しに使うのだ。

村上さんは、そのために100の話題を準備しろという。うまく相手を自分のペースに引き込み、あとは用意した100の話題から、TPOに応じて小出しにするのである。


以上村上さんの英語勉強法の5つのポイントを紹介した。実践的な英語勉強法で、誰でも効果が上がると思う。

筆者なりに一ひねりすると、これを是非通勤・通学時間に実践してほしい。

通勤電車に乗って思うのだが、本を読んでいる人はせいぜい2割くらいしかいない。あとはゲームかケータイ、あるいは寝ているかだ。

通勤・通学時間を有効利用することで、確実に他人に差をつけることができる。本を読んだり、オーディオブックを聴いたり、英単語を眺めたりすることで、選ばれた2割に入れるのだ。

時間は誰にも平等に与えられており、「継続は力なり」だ。通勤・通学時間などを有効利用して、村上さんやこのブログで紹介している英語勉強法を是非学んでほしい。


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2010年02月28日

東大家庭教師が教える頭が良くなる記憶法 記憶法に奇策はない

東大家庭教師が教える 頭が良くなる記憶法東大家庭教師が教える 頭が良くなる記憶法
著者:吉永 賢一
販売元:中経出版
発売日:2009-02-20
おすすめ度:4.0
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同じシリーズの「東大家庭教師が教える 頭が良くなる勉強法」を読んだので、「記憶法」も読んでみた。

著者の吉永賢一さんは、東大理科III類出身。言わずと知れた日本最高偏差値の学科だ。しかし吉永さんは家庭教師を天職と感じ、医者にならずに家庭教師のプロとなった変わり種だ。

吉永さんは、小学校3〜4年生の時にトニー・ブザンの「頭が良くなる本」を読んだことで、記憶法に興味を持ったという。

筆者も興味を惹かれ読んでみたので、別途簡単にあらすじを紹介するが、到底小学生が読む本とは思えない。こんな本を小学校3〜4年生で本当に読んだとしたら、超早熟と思う。

トニー・ブザン 頭がよくなる本トニー・ブザン 頭がよくなる本
著者:トニー ブザン
販売元:東京図書
発売日:2006-09
おすすめ度:4.0
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トニー・ブザンといえば、いまやマインドマップで有名になった記憶法の第一人者だが、1970年代に出版されたこの本でも”マインドマップ”というネーミングでは呼んでいないが、全く同様の記憶法を紹介している。

ザ・マインドマップザ・マインドマップ
著者:トニー・ブザン
販売元:ダイヤモンド社
発売日:2005-11-03
おすすめ度:3.5
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吉永さんが、この本で記憶法として紹介しているのは、オーソドックスな方法ばかりだ。やはり記憶術に奇策はないということだろう。

1.つなげる
これは何か他のものと関連づけして覚えることだ。既に知っていること、実際に起きていること、体験、因果関係、似たもの、時間の流れ、場所、意義・使命、ルールなどとつなげる。

つなげ方が多ければ多いほど覚えやすい。

2.またやる
これは反復練習することで覚えることだ。一回目の復習は覚えた直後、2回目の復習は1日後、復習するたびに強度を上げる(スピードを上げるとか、合格点を上げるとか)、自分の忘却傾向をつかむとかだ。

3.外に出す
これは人に話したり、書くことで、頭の中から外にだして覚えることだ。人に説明することは、非常によい学習法だ。

この本には書いていないが、筆者はあらすじ=要約を人に説明する勉強法を是非おすすめしたい。特に外国語の勉強には非常に役立つと思う。

人に説明する機会がつくりにくければ、このブログの様に、あらすじメモにしたりして覚えることも有効だ。

筆者はブログを書く前は、読書メモをつくっていたが、紙に書いたものだと検索ができないので、結局メモを書いただけで、後から読み直すことはほとんどなかった。

読書メモに替えてブログにしたら、著者などのキーワードで検索すれば、その本のあらすじが読み返せるので、大変効率は向上した。


記憶力アップの様々なテクニック

この本では記憶力が良くなる様々なテクニックが紹介されている。

参考になったものをいくつか箇条書きで紹介する。

・拡大コピーは暗記の強力なサポーター

・箇条書きの行間はたっぷりとる

・姿勢にこだわる 背中を丸める、または背筋を伸ばす

・数字イメージ転換法 英語圏では発達しているという。

 0から9までの数字をそれぞれ次のように割り振る:

 1=あ行の文字
 2=か行の文字
 3=さ行の文字
 4=た行の文字
 5=な行の文字
 6=は行の文字
 7=ま行の文字
 8=や行の文字
 9=ら行の文字
 0=わ/ん

 11ならあ行の文字、何でも良いがたとえばイエとかと覚える。

 覚えるのが面倒くさいような気がするが、今度電話番号で試してみる。

・記憶力が良くなる緊張度のコントロール
 
・ニギニギボールを使ったリラックス法
 
・眠気覚ましにはつねったり、指一本で机をトントン叩く
 
・ノートは眠気覚まし
 
・つまらないときはあえて質問
  
・記憶には酸素が必要 コンビニの酸素缶など

・自分に声をかけて励ます 「やるぞ!」「できる!」


実戦的で参考になる。奇策はないが、逆に実践すれば誰でも必ず結果が上がる記憶術だと思う。余り過度の期待をせず読むことをおすすめする。


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2009年11月05日

超凡思考 伊藤塾の伊藤塾長とハーバードMBA岩瀬さんの本

超凡思考超凡思考
著者:岩瀬 大輔
販売元:幻冬舎
発売日:2009-02-10
おすすめ度:3.0
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「ハーバードMBA留学記」で有名になった現ライフネット生命保険副社長の岩瀬大輔さんと、岩瀬さんが東大法学部在学中に通った伊藤塾の伊藤真塾長の本。

岩瀬さんは開成高校出身、東大法学部在学中に司法試験に合格したが、法曹職になることをやめ、新卒は3人しか採らないBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)に就職、リップルウッドへの転職後、自費でハーバードビジネススクールを卒業し、優秀な成績で日本人として4人目となるべーカー・スカラーとなる。(元BCG日本代表、現ドリームインキュベーターの堀紘一さんが日本人初めてのべーカースカラーだそうだ)

留学当時書いていたブログを本として出版した「ハーバードMBA留学記」は大変参考になったので大学生の息子に渡した。

ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にてハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて
著者:岩瀬 大輔
販売元:日経BP社
発売日:2006-11-16
おすすめ度:4.0
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国籍のみならず、エンジニアや金融業界、メーカーなど、いろいろなバックグラウンドの学生が寄り集まって小グループをつくって勉強しているという話は、あの本で初めて聞いたが、なるほどと思った。

企業派遣のハーバードMBAは結構いるが、べーカースカラー(金時計組)という全体の5%の優等生になったという話も聞いたことがないし、新浪さんなど日本人が集まっての小グループはともかく、インターナショナルチームでの学習という話も聞いたことがない。

あるいは企業派遣留学生も当たり前に小グループで学習していたのかもしれないが、同じ授業を聞いてもバックグラウンドが異なる人が集まれば理解がより深まるだろう。

MBAのケーススタディは答えを出すことが目的ではない。答えよりも、一つのケースを様々な角度から分析して、いろいろな見方を知り、考え抜くことが重要であり、その意味では岩瀬さんが参加していた小グループでの勉強は、密度の濃い勉強をするために最適の方法だと思う。

岩瀬さんの本は最近文庫版が出たようだ。

金融資本主義を超えて―僕のハーバードMBA留学記 (文春文庫)金融資本主義を超えて―僕のハーバードMBA留学記 (文春文庫)
著者:岩瀬 大輔
販売元:文藝春秋
発売日:2009-05-08
おすすめ度:3.5
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岩瀬さんは帰国後、インターネットで募集する生命保険会社のライフネット生命保険副社長となる。これからの保険の主流はインターネット募集となるという信念があるという。

その岩瀬さんが東大在学中に司法試験の予備校として通っていた伊藤塾の伊藤真塾長と一緒に書いた本だ。

開成高校、東大法学部、在学中の司法試験合格、BCGに新卒入社、ハーバードビジネススクールでトップ5%の優等生;と岩瀬さんの経歴を書いていくと、いかにも超秀才の様に思えるが、岩瀬さんがこの本で書いていることは実に基本的なことだ。

ひとことで言うと、ストレッチしてワンランク上の目標を設定して、それを目指してあきらめずにコツコツとにかくやり続けるということだ。

岩瀬さんも伊藤さんも読書の重要性を語っている

時間はすべての人に平等に与えられている。勉強でも何でも、やり続けることが出来る人が成功するのだ。

この本の帯にも書いてあるが、当たり前を愚直にやりぬくと、平凡は非凡に変わる。それがこの本の提言だ。

司法試験などの資格試験専門の伊藤塾の伊藤真塾長については、今まで本も読んだことないし、筆者とは年代がだぶらないので、名前しか知らなかったが、この本でカリスマ講師としての片鱗が伺えて参考になった。


伊藤さんの講師としてのテクニックを披露

伊藤さんが紹介している講師としてのテクニックは次の通りだ。

・何を伝えたいのか。強い意識があってこそ、技術が生きる。

伊藤さんは何百回という講演をこなしているが、相手が聞きたいと思うことしか伝わらないと実感していると語る。

コミニュケーションの本質は、「相手が聞きたいこと、知りたいこと、欲しているものしか伝わらない」という点にある。

・ロゴスとパトス、理性と情念、頭と心のバランスを取ることが重要。

話をするとは、役を演じることと似ている。相手の求めているものを与えるために、学者、易者、医者、役者、芸者、父母という具体的に6つの役割が話し手には求められている。

理性と情念のミックスで求められた役をこなすのだ。

・具体例と「3」の使い方。相手に合わせて記憶に残す。

講演などで話をするときの目的は、「理解」、「納得」、「満足・共感」そして究極は「感動」してもらうことだ。

「理解」してもらうための方法は、

1.受け手の思考のスピードに合わせて話すスピードを変える

2.聞き手が理解しやすいように「予測可能性」を演出する。
「今日いちばんお話したいのは○○です」、「みなさんに伝えたいことは3つあります」という様な具合だ。

話し終えたら、ポイントをおさらいして、次のテーマに移る工夫もしている。

3.具体例を多用する。

「こんなことって、ありますよね」という具体例で、聴衆の想像力をいかに刺激できるかが勝負だ。

「3」は安定した数字の一つなのだと。

・欲張らない。10のうち2伝われば十分。

欲張らずに、情報の優先順位をつけておくこと、そして大切なのは繰り返すことだ。

演説のうまかったヒットラーは「労働者の皆さん、仕事を与えます」と1時間の演説の中で何十回も繰り返したという。


・信頼を得る5要素。積極性・社交性・専門性・個人的魅力、そして客観性。

これらが「納得」してもらう5要素だ。少数派への配慮も怠ってはならないと。


・四隅と真ん中へのアイコンタクト。「1対1」で共感と親近感を。

「笑顔」とアイコンタクト、途中で上着を脱ぐのも効果的だ。「私も数年前まではわかりませんでした」とか「たしかにこれは難しいですね」と一緒に悩んでみせる。

「みなさん」という言葉の代わりに「あなた」という言葉を使ってみる。

オーケストラのように、会場のいちばん後ろの「あの人に伝わるように」という意識を持つことが重要だ。

・スピード、リズム、ジェスチャーと意外性で、集中力を維持。

緊張と弛緩を繰り返すために、話すスピードとリズムを変える。「間」をつくる。「何ページを見てください」と具体的な作業を促す。「みなさん、これはどう思いますか?」と質問する。

「これは試験に出ますよ」と言うと一瞬にして緊張感が高まるという。


筆者は仕事で10月に3回講演をしたばかりだが、この本を先に読んでいれば、もっと工夫できたのにと残念に思う。

伊藤さんは「続ける力」という本を出しているので、今度読んでみる。

続ける力―仕事・勉強で成功する王道 (幻冬舎新書)続ける力―仕事・勉強で成功する王道 (幻冬舎新書)
著者:伊藤 真
販売元:幻冬舎
発売日:2008-03
おすすめ度:4.0
クチコミを見る

伊藤さんのパートでは、大学卒業以来ひさしぶりに「リーガルマインド」という言葉を聞いた。

実は筆者が就職活動をしていた時に、今の会社の役員面接で、「大学で何を学びましたか」という質問があり、筆者は「リーガルマインド」であると答えた。

そのとき副社長(その人は経済学部の卒業生)から突っ込みがあり、リーガルマインドとはどういうものか自分なりの理解を説明した。

結構冷や汗ものだったが、伊藤さんはこの本の中でリーガルマインドを「複眼的にものを見る手法」であり、「物事を多角的に見るのがリーガルマインド」だと説明している。

岩瀬さんは、「一つの物事を見るとき、ある一つの見方を絶対視しないで、多角的に検討するということ。見方や考え方には違う価値観がいろいろ内在していて、それを比較し考慮したうえで、そうした思考のプロセスを過不足なく、相手に伝えること」と説明している。

筆者はたしか「物事を様々な面から見て、いろいろな見方を比較考量して結論を下すという考え方が、リーガルマインドです」だと答えたような記憶がある。

どうやらほぼ正解のようだ。


岩瀬さんのパート

岩瀬さんのパートのなかで世界中のブログを調べて何語で書かれているブログが多いか調査したところ、一番多いのは中国語でも英語でもなく、日本語だったという。

世界で発信されているブログの3−4割が日本語なのだと。岩瀬さんの率直な感想は、「日本人はそれだけ溜めているのか」ということだと。

たぶん元データはTechnoratiのレポートだと思う。

blog post by language





出典:http://www.sifry.com/alerts/archives/000433.html

もっと新しいデータがないか探してみたが、今のところ2006年第4四半期のものしかみつからないが、これでも依然として日本語がブログ言語では第1位だ。

Slide0013-tm





出典:同じSifryさんのブログ

自分の思いを外に伝えたい、発表したくてうずうずしている人は潜在的に大勢いたのだ。


間違いやすい英単語

ちなみにどうでも良い話だが、最後の岩瀬・伊藤対談で、岩瀬さんがハーバード時代は、みんな青臭いことを語っていた、「生きる上でのお前のプリンシパルは何かとか、理想の人生は?…」という部分があるが、これは「プリンシプル」の間違いだ。

「プリンシパル」と「プリンシプル」は間違えやすいので、「プリンシパル」は「パル」=友達だから校長だと、アメリカ人は覚えるようにしている。

「校長=パル=友達」という発想は日本人にはないが、アメリカの学校の先生は校長先生でも子どもと友達のように親しくしている。

ピッツバーグに駐在している時代に、長男の小学校に行ったら、子どもが気軽に校長室に遊びに来ていることには驚いた。

アメリカの小学校には職員室はなく、先生は自分の教室に机をもっており、そこが先生のオフィスだ。だから子どもと先生は常に一緒なのだ。

ファカルティルーム(Faculty room)というのがある学校もあるが、学校の事務員が働くオフィスであり、到底教師全員が入れる日本のような職員室ではない。

大学は多分小中学校や高校とは異なるだろうし、全米の学校のことを知っている訳ではないので、あるいは日本風の職員室のある学校もあるのかもしれないが、アメリカでは先生=師ではなく、先生=パル=友達という発想がなりたつ教室の設定なのだ。


200ページ余りの本だが、奇をてらったところのない基本に忠実な提言ばかりなので、通勤途上で1時間もかからず読み終えた。

簡単に読めて参考になることも多いので、本屋で手に取ってパラパラめくってみるこをおすすめする。


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2009年05月31日

超英語法 野口悠紀雄さんの英語勉強法

2009年5月31日追記:

下記のあらすじを書くために読んだのは2004年4月発刊の単行本だったので、iPodの活用について全くふれていなかった。iPod前の時代なので、やむをえないところだろう。

文庫本は2006年10月発刊なので、あるいはiPod、特にPodcastを活用しての英語勉強法について書いてあるかもしれないと思って、文庫本も読んでみた。

内容は変わりなく、気づいた唯一の変化は文庫版のあとがきだった。

iPodの活用については、「このような技術進歩の成果を最大限に活用することが重要だ」と書いてあるだけだが、そのほかに野口さんがスタンフォード大学客員教授として赴任して感じたことを書いているので、紹介しておく。

スタンフォードで痛感したのは、日本人学生の英語力の低さだと。

スタンフォードの留学生数を見ても、1990年代のはじめ頃は日本、中国、韓国それぞれ120名程度で、ほぼ同数だったが、現在は中国が400名、韓国も300名強に対して、日本は逆に減っており60名程度になっているという。

企業派遣の留学生が減ったこともあるが、スタンフォードで教えていて感じた一番の原因は日本人留学生の英語力の低下と考えざるをえないと野口さんは語る。

ITにより世界の経済構造は大きく変わり、アメリカで企業に電話すると、ほとんどの場合インドのコールセンターにつながるが、日本はこのようなITを使った変化から取り残されている。

インターネット上の世界言語は英語であり、日本人の英語力の低さにより、日本が大きな変化から取り残されているのだと。

単行本で述べていなかった「読む英語」の重要性にもふれている。

今や情報収集の主役はインターネットの検索であり、世界中のあらゆる情報を調べようとしたら、それは英語の文献が中心になる。今後の世界は日本語と英語の差がさらに広がり、「差が本質的なものになる」だろう。

野口さんがスタンフォードにいたときに、Googleのトラックが毎日大学図書館に横付けになり、本を搬送していたという。

本をロボットが撮影して電子化するのだ。それが現在ベータ版で提供されているGoogle book search(Googleブック検索)だ。

たとえばGoogleブック検索で「英語 夏目漱石」で検索してみるとヒットするのは122件だ。

Google book search





次に"English Soseki Natsume"で検索すると、ヒットするのは526件だ。

goo





もちろんコンテンツの数よりコンテンツの中身の方が重要だが、それにしても漱石の引用や作品ですらインターネット上の情報では英語の方が日本語より圧倒的に多いのがわかる。

このグーグルブック検索は本だけの検索で、著作権の関係から載っている本でも一部しか公開されていないし、検索にかからない本がまだ圧倒的に多いが、それでも何かのテーマについて書く時には大変便利なツールだ。

話が横道にそれたが、いずれにせよ英語を読めるかどうかで、その人の情報能力には本質的な差が生じることになる。英語の勉強は今後ますます重要性を高めているのであると野口さんは文庫版のあとがきで記している。

目的のPodcastの活用法については、別の本を読んだ方がよさそうなので、調べてまたあらすじで紹介する。

尚、野口さんの「超英語法」のサイトがあり、現役英語教授との対談とか、超英語法講演会レポートなどのコンテンツが載っていて参考になるので、紹介しておく。

noguchi ondemand college







2009年5月27日初掲:

「超」英語法 (講談社文庫)「超」英語法 (講談社文庫)
著者:野口 悠紀雄
販売元:講談社
発売日:2006-10-14
おすすめ度:4.5
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以前紹介した「英語ベストセラー本の研究」で2000年代、第三次英語ブームの時代の代表作として紹介されていたので読んでみた。

読んでみてあらためて「英語ベストセラー本の研究」が内容を的確にまとめていることがわかった。さすが元編集者が書いた英語の本である。

孫引きのようになるが、筆者の「英語ベストセラー本の研究」のあらすじのなかで、「超英語法」関連部分を引用すると次の通りだ。

+++++++++++++++++++++++++++++++

勉強法で数々のベストセラーを出している野口悠紀夫さんの英語法は、英語は単語帳で暗記せずに、文脈で覚える、そのためには有名な文章を暗記するのが一番というものだ。

ちなみに野口さんはジョージ・オーウェルのアニマルファームやケネディの就任演説全文を暗記したという。

Animal Farm (Signet Classics)Animal Farm (Signet Classics)
著者:George Orwell
販売元:Signet Classics
発売日:1996-04-01
おすすめ度:4.5
クチコミを見る




(注:ケネディの大統領就任演説で最も有名な"Ask not, what your country can do for you. Ask what you can do for your country. Ask not, what America will do for you but what together, we can do for the freedom of man"は、最後の12分20秒くらいにある。)

口語に関する限り、聞く練習がすべてで、話す練習は全く必要がないと野口さんは語る。「聞くことができれば、自動的に話すことができる」と。

語学のマスターには4,000時間が必要だ。中学から大学まで約3,000時間英語を勉強してきたので、あと1,000時間を社会人になっても継続することを野口さんはアドバイスする。

++++++++++++++++++++++++++++++++

簡単ではあるがほぼこの本の要点は抑えていることがわかる。


英語は聞くことができれば話すことができる

野口さんの英語勉強法の最大の論点は、「英語は聞くことができれば、ほぼ自動的に話すことができる」という点だ。

それが冒頭の部分で語られているので、その部分を引用する。

「多くの人は、実用英語とは英語を「話すこと」だと考えている。英語の能力があることを示すのに「英語を流暢に話せる」と表現することが、その証拠だ。

しかし、これは大きな間違いだ。実際の場面で必要なのは、「聞くこと」なのである。そして、聞くことができれば、ほぼ自動的に話すことができる(詳しくは、第一章の2を参照)。

だから、実用英語の訓練は、実際に話されている英語を聞くことに集中すべきだ。

英会話学校もテレビの英会話番組も、あるいは「こうした場合にこう話す」という類の参考書も、「実用英語は話すこと」としている点で、基本的に誤っている。」


聞ければ自動的に話せる例として、友人と野口さんが話している例を、"Coffee Break"というコラムで紹介している。

会話は「相手に助けられながら話す」のだと。相手が言っていることをそのまま繰り返すだけで会話が成立することもあるし、Yes, Noを挟んだり、簡単な返しの言葉"Yes, indeed"とか"Oh, really?"、"That's right"などを使っても良い。

相手に依存して、相手を真似するだけで自動的に話すことができる。

実際の会話はこのように相手のペースで進むことが多い。相手が言っていることを正しく理解できさえすれば、こちらが複雑な表現法をできなくとも、問題なく進行するのだと。

だから「聞く訓練に集中すべし」という観点からすると、多くの英会話学校でやっている授業や、ラジオ、テレビの番組の英語の勉強法は、間違っていると野口さんは語る。

聞く訓練においては、教師の役割は少ないため、英会話学校としては売り物にならない。「話せるように訓練します」というのは「供給者の論理」で、それにはまりこまないことが重要だと。

「英語は聞ければ話せる」というのは英語教育業界に真っ向から反発する内容なので、論議を呼ぶ意見だが、筆者自身の経験からしても正しい順番だと思う。

赤ん坊は親の話す言葉を聞いて言葉を覚えるわけだし、筆者自身、"R"と"L"の発音の違いがわかったのは、アルゼンチンの下宿でアルゼンチン人の友人とワインの話をしている時だった(白ワインをスペイン語ではvino blancoと言い、"L"の発音だ)。

友達の発音をまねてvino blanco(ビノ・ブランコ)と言えた訳だ。

ちなみにスペイン語では"L"と"R"の区別はあるが、"V"と"B"の区別はないのがややこしいところだ。だからヴィノ・ブランコではなく、ビノ・ブランコなのだ。


英語細胞説

英語を聞いたり読んだりするときは、脳の英語細胞を使うという「英語細胞説」があるそうだが、野口さんの英語勉強経験からも、この「英語細胞説」は納得できる点が多いという。

「英語細胞」という言い方が正しいのかどうかわからないが、米国駐在九年の筆者の経験からしても、「英語で考える」ことができる段階まで上達すれば、たしかに「英語細胞」は「日本語細胞」と別にあるという説も理解できる。

駐在が長くなると、英語の単語は出てくるが、日本語の単語が思い出せないということがある。筆者はアルゼンチンに駐在してスペイン語ができるので、スペイン語でも同様のことがあった。

これも「英語細胞」、あるいは「言語細胞」の例なのだろう。


ひとまとめで丸暗記する

野口さんのもう一つの主張は、「単語帳でばらばらに単語を覚えても使えない。丸暗記でひとまとまりのものとして覚える必要がある」ということだ。

このブログで紹介した多賀敏行さんの「外交官の『うな重方式』英語勉強法」でも「うな重方式」として紹介しているように、多くの英語勉強法の著者が、様々な表現で語っている通りだ。

外交官の「うな重方式」英語勉強法 (文春新書)外交官の「うな重方式」英語勉強法 (文春新書)
著者:多賀 敏行
販売元:文藝春秋
発売日:2008-11
おすすめ度:3.0
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ちなみにコラムで、経済学の授業で”マルチンゲール”という言葉が出てきて意味が分からずに困ったという話を紹介している。筆者もこの言葉は知らなかったが、負ければ賭け金を倍にしていく賭けのことだ。


英語を聞く練習

この本を読んで、野口さんの勉強法は、かなり筆者の勉強法と似ていることがわかった。

第5章「聞く練習を実践する」では、次のサブタイトルで説明している。

1.通勤学習のすすめ

2.インターネットで演説を聞く

3.インターネットでニュースを聞く

4.オーディオブックで文学作品やビジネス書を聞く

5.映画は実用英語の勉強教材として適切か

通勤時間を利用して、英語を聞く点は筆者と同じだが、筆者の場合、「歩きながら本を読む」をモットーに、歩いている間にも英語を聞いている。

筆者が読んだ単行本は2004年4月の発刊で、まだiPodが広まる前の時代なので、iPodのAudible.comのオーディブックとの相性の良さPodcastでアメリカの有名大学などの講義が視聴できる便利さなどは語られていない。

Audible.comサイト:

audible






Podcastのスタンフォード大学のページ

Podcast Standford University






ちなみに筆者がiPod第3世代のiPodを買ったのは、2003年の冬頃だ。iTunesのWindows版が出たのが、2003年10月ということなので、たぶんその直後だと思う。

この本も、今改訂版が出れば、iPodを活用した英語勉強法に見直されることだろう。


野口さんは英語をどう勉強してきたか

最後の第7章「私は英語をどう勉強してきたか」のサブタイトルは次の通りだ。

1.中学生のときに見つけた丸暗記法
2.アメリカ留学
3.帰国後に英語を勉強

帰国後に英語を勉強とは、上記の通勤学習のことだ。

野口さんの英語勉強の目的は、「アメリカ人が普段の生活で使っている口語も聞けるようになること」で、象徴的に言えば「映画の英語がすべて分かること」だという。

これが野口さんに不足している能力で、それに加え、正式な英語を書くのは難しいと今でも思っていると語る。野口さんは留学中に大学の博士論文を書くときに、冠詞の使い方が悪いと指摘されたという。本当に冠詞は難しい。


日暮れて道遠し

この本で何度も引用されている故伊丹十三監督の「ヨーロッパ退屈日記」に、ヴァイオリンの奏者に三段階あり、1.全く奏することができない者、2.非常につたなく奏する者、3.非常に巧みに奏する者だという話が出てくる。

ヨーロッパ退屈日記 (新潮文庫)ヨーロッパ退屈日記 (新潮文庫)
著者:伊丹 十三
販売元:新潮社
発売日:2005-03
おすすめ度:4.5
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野口さんはこの第2段階だと謙遜する。この道50年で「日暮れて道遠し」だと。

64歳になってからも新しい外国語に挑戦したシュリーマンの例を取り上げ、映画の英語がすべて聞けるように今後も英語を楽しく勉強したいと締めくくっている。

古代への情熱―シュリーマン自伝 (岩波文庫)古代への情熱―シュリーマン自伝 (岩波文庫)
著者:ハインリヒ シュリーマン
販売元:岩波書店
発売日:1976-01
おすすめ度:4.0
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まさに同感である。英語の勉強に終わりはない。筆者も通勤時間に英語のオーディオブックを聞き、車に乗るときはaudible.comでダウンロード購入してiPodに入れたチャーチルの「第二次世界大戦」を聞いている。

Audible.comのチャーチルの第二次世界大戦のページ

the second world war







Second World War (Second World War)Second World War (Second World War)
著者:Winston, Sir Churchill
販売元:Mariner Books
発売日:1986-05-09
おすすめ度:5.0
クチコミを見る




ノーベル文学書受賞作でもあり、チャーチルの英文が格調高いこともあって、まだまだわからないことが多い。

筆者の場合も、まさに、この道40年で「日暮れて道遠し」だ。


英語勉強の原点

野口さんは、英語で悔しい思いをした経験はないようで、中学の英語弁論大会で、(受賞はしなかったが)スピーチをした時が原点だという。

筆者の場合は、24歳でアルゼンチンに赴任したときに乗ったパンナム機で、米国人スチュワーデスに何度言っても"milk"が通じず、結局ビールを持ってこられた時の悔しさが、英語勉強の原点だ。

それからも何度も悔しい思いや失敗をした。

これからもあの悔しい思いを忘れずに、少しでも英語力向上に努力するつもりだ。


「聞くことができれば話せる」とは異論があるかもしれないが、まずはカンペキに聞いて分かることが英語の最大の上達法であることは間違いないと思う。

いろいろな意味で参考になる本だった。是非iPod時代にあわせて改訂版を出してもらいたいものだ。


参考になれば投票ボタンをクリックして頂きたい。


  
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2009年03月26日

竹中式マトリクス勉強法 No frills(実質本位)な勉強法

竹中式マトリクス勉強法竹中式マトリクス勉強法
著者:竹中 平蔵
販売元:幻冬舎
発売日:2008-10
おすすめ度:3.5
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最近ではテレビの日経新聞のコマーシャルにも白衣で登場している竹中平蔵元金融担当大臣の勉強法。

ヒットを次々飛ばしている幻冬舎の本だ。

最後のクレジットの部分で、竹中さんが幻冬舎の編集者鈴木恵美さんの名前を謝辞に挙げている。筆者も一度鈴木さんと仕事でお会いしたことがあるが、幻冬舎の美人辣腕編集者だ。

實は筆者はこの本を読むのはあまり気が進まなかった。会社の友人が昨年末に読んだと言っていたので、あまり期待しないで図書館でリクエストして読んでみた。

気が進まなかった理由は、竹中氏が小泉元首相のブレーンとして小泉改革を推し進め、よくわからない理由でUFJ銀行を目の敵にして東京三菱銀行と強引に合併させたりしたので、元UFJ銀行に友人がいる筆者としては疑問と反感を持っていた。

そもそも郵政民営化は当初から優先度が低いと思っていたが、これは今でも変わらない考えだ。

しかしこの本を読んで竹中さんに対する認識が変わった。

高級マンションに住んでいる竹中さんの愛車はサニーの11年物というのはできすぎだが、価値観は同じではないかと感じた。また勉強の方法論も重なる部分が多い。

アマゾンではこの本の評価が分かれているようだが、その理由もわかるような気がする。

ひとことで言うと、いわゆる"No frills"(フリル(飾り)のない=実質本位な本だ。

ベストセラーを連発している勝間さんとかレバレッジ勉強法の本田直之さんなどの勉強法の本とは異なり、奇抜な話はない。

この本を読んで、目からウロコとか、新しい勉強法を学んだという人は少ないだろう。だからアマゾンでも低評価の人がいるが、この本で書かれている勉強法を実践している人にとっては、なるほどと同感できる部分が多いと思う。


この本の目次

目次になんと12ページも費やしている。目次だけを見てもこの本の内容が推測できる優れた目次だ。この点でも筆者は好感を持ったが、目次を全部紹介すると長くなりすぎるので、章題と項目だけ紹介しておく。

それぞれの項目が2−4くらいのサブタイトルから構成されており、面白いサブタイトルが並んでいるので、サンプル的に第2章の3.だけ紹介しておく。

第1章 マトリクス勉強法とは
 1. あなたは何を勉強したいのか
 2. 成績表とは関係ない「頭の良さ」がある
 3.「勉強したいこと」が見つかれば、成功したも同然
 4. 努力できることが才能である

第2章 竹中式勉強法9つの極意
 1. 目標は常に2つ持て
 2. 目標から締め切りを逆算しろ
 3. 何事も基本がすべて
   ・阪神が巨人に勝てなかった理由
   ・小泉元総理のワンフレーズはなぜ強い
   ・複式簿記が分かれば、日本経済が分かる
   ・銀行員になってから簿記3級に挑戦

 4. 身近によきライバルを持て
 5. メモを持ち歩け
 6. 時間は自分でつくるもの
 7. バカは何人寄ってもバカである(人と群れるな)
 8. 自分のためにおおいに金を使おう
 9. 健康でなければ勉強はできない(よく寝よ)

第3章 竹中式記憶勉強法5つの極意
 1. 飽きるほど暗記と基礎を繰り返せ
 2. 人より早く始めた者が必ず勝つ
 3. 資格試験は実によくできている
 4. 日本は楽な国だと思う
 5. 人任せにせず、必ず自分でまとめよ

第4章 竹中式英語勉強法7つの極意
 1. 完璧な英語を話すのは、そもそも無理
 2. 暗唱で英語を頭に詰め込む
 3. 分からない単語は必ず辞書を引け
 4. 「英語のうまい日本人」の英語を真似る
 5. 進んで試験を受けよ
 6. 一番前の席で聞いて、一番最初に話せ
 7. 質問しまくる子どもに学べ

第5章 竹中式経済勉強法9つの極意
 1. 生きることは経済、間口は広い
 2. 先は読めない、天井は高いぞ
 3. 耳学問と読み書き、一挙両得の方法
 4. 東京についての記事を読み漁る
 5. 逆転の発想で考えよう
 6. 庭師の発想で考える
 7. 経済は連立方程式で予測する
 8. 情報源は本家本元をたどれ
 9. 自分のこだわりポイントを持とう

第6章 世界に通じる勉強5つの極意
 1. 聞き上手、ほめ上手になりなさい
 2. いつでもどこでも「頭の体操」
 3. できない経験は進んでしよう!
 4. 「誰と働くか」にこだわろう
 5. 誰とでも仲良くする必要はない


竹中さんの経歴

竹中さんは和歌山県出身。商店街でお店を持っている平凡な家庭の次男だという。公立の中学、高校と進学し、高校の先生から”竹中、世の中をよくしたいと思うなら、経済学を勉強しろ”と言われたことがきっかけで、一橋大学経済学部に進学する。

筆者も記憶があるが、当時は近経(近代経済学)の一橋、マル経(マルクス経済学)の東大と言われた時代で、日本の近代経済学は都留重人教授がいた一橋がトップだった。

卒業後は日本開発銀行に入行し、富山支店の総務などの経験もある。ハーバードなどに留学し、大蔵省財政金融研究所、大阪大学経済学部助教授、ハーバード大学客員準教授、慶應大学教授を歴任し、小泉政権では経済財政対策担当大臣、金融担当大臣、郵政民営化担当大臣を歴任した。

現在は慶應大学グルーバルセキュリティ研究所長、日本経済研究センター特別顧問、アカデミーヒルズ理事長などを兼務している。


マトリクス勉強法

竹中さんがいうマトリクス勉強法とは、次の図に示されている通りで、縦軸に武器としての勉強と、人と人を結ぶ勉強、横軸は天井がある・なしで区分する。

竹中式勉強マトリクス



ちなみにこの本にならってつくった筆者のマトリクスは次のようなものになる。

筆者のケース



このマトリクスで整理して、勉強の優先順位をつけて中・長期勉強計画を立てるのだという。


努力できることが、才能である

「努力できることが、才能である」とは、松井秀喜選手がお父さんから教わった座右の銘だそうだが、まさに松井とかイチローの日々の努力を長年にわたってやりとげられる非凡な力が伺える言葉だ。

日本語では”頑張れ”とよく言うが、英語では"You can do it!"だという。竹中さんは瀬古選手がボストンマラソンで優勝したときに、沿道の観客が瀬古選手の応援にこう言っていたことを聞き、初めて頑張れが"You can do it!"だと知ったという。


目標から締め切りを逆算する

竹中さんは目標からスタートして、いつまでに何をやるという"To do list"をつくって、仕事をしろと語る。

竹中さんは働きながら100日かけて最初の本を書いたそうだが、単行本は原稿用紙で300枚前後なので、1日3枚書けば、100日で1冊になると逆算し、毎日3ページづつ書いて「研究開発と設備投資の経済学」を書いたという。

研究開発と設備投資の経済学―経済活力を支えるメカニズム
著者:竹中 平蔵
販売元:東洋経済新報社
発売日:1984-07
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「本を読む時は、初めから終わりへと読む。ビジネスの経営はそれとは逆だ。終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ。」という言葉は、ユニクロの柳井さんが「私の最高の教科書」と呼ぶハロルド・ジェニーンさんの言葉だが、竹中さんの言うこともまさに同じだ。

プロフェッショナルマネジャープロフェッショナルマネジャー
著者:ハロルド・ジェニーン
販売元:プレジデント社
発売日:2004-05-15
おすすめ度:4.0
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スケジュールは月間手帳で管理するとか、簿記3級を取ったとか、常にメモを持ち歩く、本も資料もどんどん「捨てる」ことなど、筆者も同感な事ばかりだ。

特に工程表をつくって、いろいろな仕事、登場人物をコーディネイトするスケジューリング能力は、自分の最も弱い部分だと自覚しているので、筆者は重要なプロジェクトの場合は、専用ソフトのマイクロソフト・プロジェクトを自費で買ってスケジュール管理している。

このソフトは普通だと約9万円と高いので、今は大学生になった息子に数年前にアカデミック版を買わせたものだ。

Microsoft Office Project Standard 2007 アカデミックMicrosoft Office Project Standard 2007 アカデミック
販売元:マイクロソフト
発売日:2007-01-30
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Project Standard 2003Project Standard 2003
販売元:マイクロソフト
発売日:2003-10-24
おすすめ度:4.0
クチコミを見る


アメリカではスケジュール管理というと、このマイクロソフト・プロジェクトを使うビジネスマンが多い。その影響もあって、筆者も使っているものだ。


竹中式記憶勉強法

竹中さんは数学だって暗記科目だという。問題集を暗記してしまうのだと。筆者も同感だ。

筆者は高校1年になった時に、「数学1,000題」という様な参考書を買い、ほぼ毎日1題づつやっていった。

問題を暗記というよりは、解き方のパターンを憶えるという感じだが、おかげで大学入試の面積の難問をタンジェントアルファ=Xと置く方程式で完答した。

「数学1,000題」をやっていたおかげで、タンジェントアルファ=Xと置くという解き方がひらめいたものだ。

二度と同じ問題は解けないが、数学力のピークを高校3年生に持ってこれたことは幸いだった。

竹中さんは人より早く始めた者が必ず勝つと語る。スタートダッシュで差をつけろと。これも同感だ。

筆者は高校受験の時に内申書が良くなかったため苦労したので、高校1年の秋から四谷の駿台の夜間講座で数学と国語などを受講していた。誰にも言わなかったが、高校1年のクラスで予備校など通っていたのは筆者だけだったと思う。

サッカー部だったので、週五日のクラブ活動が終わったあと週1回小田急で新宿まで行き、四谷の駿台で名物講師の一番遅い時間の授業を2コマほど受けていた。

竹中さんは中学3年の時に英語や数学は高校3年分の勉強を終わらせていたという。筆者の場合、そこまではいかないが、いずれにせよスタートダッシュが重要だという考えに同感だ。


日本は「学歴社会」ではなく「入試歴社会」

竹中さんは日本は学歴社会ではなく、入試歴社会だという。どの大学でどういった教育を受けたか、成績はどうだったかは問わず、もっぱらどの入試に受かったかを重視する。

企業はOJT(on the job training)を重視していたので、素直な体育会系学生が好まれていたのだ。


耳学問と読み書きして学んだことの違い

政治家には耳学問の人が多いが、耳学問の知識は、ちょっと突っ込まれるとしどろもどろになってしまう。やはり問題解決の具体案などは、自分で書いてまとめて理解するしかないのだと痛烈に政治家を皮肉っている。

マスコミにも評論家にもこのタイプの人は多いと。

政治家や評論家はよく「たとえ話」をするが、真の知識人は「たとえ話」に頼らない。

「たとえ話」は煎じ詰めると、まるでロジックが通らないデタラメがほとんどだと。

ちゃんと自分で理解ができていないから、たとえ話に逃げるのだ。


竹中式英語勉強法 日本人は「喋れないけど、書ける」は大ウソ

竹中さんに言わせれば、日本人には一般的に書く力も読む力もないのだと。英語を読む量が圧倒的に不足しているからだ。

竹中さんはケネディ大統領やキング牧師の演説を暗記して、英語脳を鍛えたという。音読も良い。竹中さんはいまだに飛行機の中ではブツブツ音読しているのだと。

これについても全く同感だ。筆者はTOEIC945点だが、25年間くらいタイム誌を毎週読んでいたことが英語力をつけるのに大いに役だった。

最近は読むのが面倒なので、もっぱらオーディオブックで読んで(聞いて)いるが、グリーンスパン氏の本など、あまりに英語が格調高すぎて、オーディオブックで聞いていても分からない本はオーディオブックだけでなく、本も読んでいる。

The Age of Turbulence: Adventures in a New WorldThe Age of Turbulence: Adventures in a New World
著者:Alan Greenspan
販売元:Penguin USA (P)
発売日:2008-09-09
おすすめ度:5.0
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竹中さんは、わからない単語は必ず辞書を引けと言っているが、ボキャブラリーを増やすには英語をたくさん読み、新しい単語を一々覚えるしかない。

筆者も25年間タイム誌を毎週読んでいたが、辞書を引かないで1ページ全部読めたことは結局なかった。筆者のやり方は、分からない単語はアンダーラインを引いて、あとで辞書を引くという方式だが、辞書を引くたびにタイム誌の適切な単語選択に感心したものだ。

竹中さんが推薦するのは「英語のうまい日本人」の英語を真似ることだ。竹中さんがハーバードに留学していたときは、当時ハーバードの客員教授だった小和田恒(ひさし)さん(現国連大使。雅子妃の父君)、の英語を参考にしていたという。

外交とは何か外交とは何か
著者:小和田 恒
販売元:日本放送出版協会
発売日:1996-07
クチコミを見る


竹中式経済勉強法 「庭師と植物学者は違う」

「庭師と植物学者は違う」というのはポール・クルーグマン教授の言葉だそうだが、優れた経済学者が優れた政策ができる保証はどこにもない。経済学者は政策実行に関わったことがない人たちが政策の議論をしているからだ。

竹中バッシングの時に、批判的な議論の中にも参考になる意見があると思って、耳を傾けたが、あるのは具体的代案のない批判ばかりで役立つ議論はほとんど皆無だったという。

竹中さんは長年批判され続けた結果、批判には3タイプあるという結論にたどり着いたという。そのいずれも対案のない批判のための批判であると。

一つは「コントラリアン型」で人とは常に反対の意見を言う人。次は「永遠の真理型」で、「長期的な視野に立て」とか言うが、”だからどうする”がない人、最後は「ラベルを貼る」型で、決めつけタイプ、「竹中は市場原理主義者だ」とかいったものだ。レッテルを貼って、問答無用とする。


竹中さんの情報ソース

竹中さんが進める情報ソースの一つがNational Bureau of Economic Research(NBER)の報告書だ。精鋭の経済学者による世界最新の経済レポートで、現在はインターネットでダウンロードできるという。

ハーバード大学、スタンフォード大学などの講義も参考になるという。

iTunesのPodcastで"Standord University"で検索すると150くらいの講義が表示されるので、一度試して欲しい。

Podcast Standford University






竹中式世界に通じる勉強

聞き上手になれと竹中氏は言う。小泉元総理の聞く技術は印象的だったという。小泉さんは大事な話は相づちも打たずに押し黙り、目をつむって聞くクセがあったという。

それだけ神経を集中させて聞いていたのだと。

最後まで聞いて、「それはつまり、こういう意味ですか」と念を押して、「ありがとうございました」と言って引き下がり、一人になって考えて最後は必ず一人で決断するという。

このステップがあったから熟慮の上の判断ができたのだと。


最後に竹中さんは、友人である元アリスの谷村新司さんの「鳥は向かい風の中、飛び立つ」という言葉と、「結局最後は志で決まる」ということを語っている。


「闘う経済学者」というイメージの"sharp-tongued"な部分もあるが、勉強法としてはオーソドックスで、誰でも実行できるものだ。

筆者も実践している勉強法が多く含まれているので、敬遠せずに一読をおすすめする。


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2009年03月04日

脳を活かす勉強法 売れっ子脳科学者 茂木健一郎さんの勉強法

脳を活かす勉強法脳を活かす勉強法
著者:茂木 健一郎
販売元:PHP研究所
発売日:2007-12-04
おすすめ度:3.5
クチコミを見る


テレビに頻繁に出演し、NHKでは「プロフェッショナル 仕事の流儀」というレギュラー番組まで持っている超売れっ子脳科学者茂木健一郎さんの勉強法。

この本は2007年12月に発売され、2008年の総合10位、ビジネスジャンルの1位になったベストセラーだ。2008年末の段階で76万部売れたというから、今年中には100万部を突破すると思う。

アマゾンでもいまだに301位にランクされている。

この本を読んだのは昨年の夏だが、あらすじを書きそびれている間に時間が経ってしまった。内容をだんだん忘れてきたので、今回あらすじを書いて自分の頭にもしっかりたたき込むことにする。

ベストセラーになるだけあって、大変おもしろいし、1時間程度で読めてしまうのも良い。中学生の息子にも読ませている。これを読んで発憤して勉強してくれれば良いのだが…。

茂木さんは東大出身だが、中学でも高校でも最初はトップクラスではなかったにもかかわらず、3年の時には学年トップになっていたという。

それは”勉強のしかた”がわかったからで、新しい知識を得ることがなによりの喜びと感じるようになったので、自分から進んで勉強したからだという。


この本の目次

脳を活かす勉強法はアマゾンのなか見検索に対応しているので、是非目次をチェックしてほしいが、この本の構成は次のようになっている。

はじめに 入学当初の僕は「できない子」だった

第1講 脳は「ドーパミン」と「強化学習」が好き

第2講 「タイムプレッシャー」が脳の持続力を鍛える

第3講 「瞬間集中法」で勉強を習慣化させる

第4講 茂木健一郎流「記憶術」

第5講 茂木健一郎の「読書のススメ」

第6講 脳のコンディションを把握しよう

第7講 自分を変える「一回性」に巡り会うには

第8講 偶有性がさらなる脳の発達を促す

おわりに 知の「オープンエンド」時代がやってきた


茂木さんの勉強法

最初の第1講から3講までで、茂木さんの勉強法の特徴を脳科学の見地から説明している。

問題に正解するたびに、脳には快楽を生み出す脳内物質のドーパミンが分泌される。難しい問題・課題に取り組み、それを解決することによって、問題を解く(勉強すること)が快楽となり、これを繰り返すことにより強化学習ができる。さらに自分で制限時間を決めて、脳にさらにタイムプレッシャーを与えることによって、脳の持続力を鍛える。

そして最後は茂木さんの「鶴の恩返し」勉強法だ。

勉強のスピードを上げながら、すこしづつ分量を増やし、他人が何を言っても聞こえないような没頭して勉強に集中する状態をつくり、瞬時にこの状態に入れるように訓練する。そうすると細切れの時間でも勉強できるようになる。一心不乱に機を織る鶴の姿から「鶴の恩返し」勉強法と名付けたのだという。


茂木流記憶術

茂木さんは高校(東京学芸大附属高校)時代、試験の前には教科書を全文暗記していたという。記憶は脳の大脳皮質にある側頭葉の側頭連合野に蓄えられるが、ここは五感などを司るところなので、耳で聞き、目で見て、声に出して読み、手で書き、様々なモデリティ(五感、第六感)を使って記憶に定着させるのだと。

記憶には短期記憶と長期記憶があり、長期記憶にとどめるためには、海馬(かいば)も活性化させる必要がある。

そのためには見ながら書き写してはダメで、一度原文を見て記憶してから、それを書き写し、これを何度も何度も繰り返すのだと。これが脳の記憶回路を利用して書くということだ。

横道にそれるが、このブログも茂木さんの言われる「モデリティ記憶」で書いているようなものだ。

ブログに書くと、本の内容を記憶に刻み込むことができ、他人にもすらすら説明できる。この他人に説明することが重要で、これによってさらに深く記憶に刻み込めるので、本を「読破」したことになる。

備忘録としてのブログの活用法は「ウェブ進化論」にも書かれていたので、実践している人も多いと思うが、読んだ本のまとめ・要点をブログに書いて覚えれば、理解度が飛躍的に高まること請け合いだ。

勉強する時間帯も重要で、一夜漬けではあまり効果は上がらないので、脳のゴールデンタイムである朝にすることを茂木さんは勧める。

一日の記憶の整理は「レム睡眠」(Rapid Eye Movementの略)中に行われるので、勉強したことをしっかり記憶するためには、しっかり睡眠をとる必要がある。

茂木さんは起きてからの朝の三時間が貴重な仕事の時間だと語っている。


茂木流読書のススメ

文章能力と国語力は勉強や仕事の基本で、これらを鍛えるには読書が良い。茂木さん自身、小学校3年生からSFものや探偵ものを中心に年間100〜200冊読んでいたという。

読書は脳をクールダウンさせる貴重な時間ともなる。

インターネットの普及とともに、大学が独占していた知の情報は、インターネットで公開されるようになってきている。これからは大学に行かなくともインターネットの情報収集でノーベル賞を取る人がいずれ出てくるだろうと。

日本でもインターネットやポッドキャストで、講義を公開している大学もあるが、アメリカの大学、特にインターネットビジネスのメッカ、Stanford大学の授業公開はすごい。

Podcastの検索画面で、"Stanford University"と打ち込んで検索すると、150の講義が表示され、ほとんどが無料で視聴できる。

Podcast Standford University





その気があれば、大学に行かなくとも相当高度な授業を受けられる時代なのだ。

ただし独学で自己満足していては意味がないので、本居宣長と賀茂真淵の「松坂の一夜」というエピソードを紹介している。独学で古事記を研究していた本居宣長が、賀茂真淵に出会ったことで、一生の研究の方向性を決めたという。これが「松坂の一夜」だ。

人とのかかわりを大切にしつつ、重要な情報の取捨選択を行える人がこれからの時代に輝く人だ。

茂木さんは東大理学部と法学部両方を卒業しているが、アメリカでは理系の大学を出たエンジニアでも文系の大学院や弁護士資格を目指す。日本では大学の四年間の勉強だけで、文系理系と人を区分するが、これはナンセンスな話だと茂木さんは語る。


脳のコンディションを把握

茂木さんは当初現代国語が苦手だったという。

現代国語では自分なりの解釈を展開していたが、現代国語の問題が求めていることは、オリジナルで奇抜な発想でなく、文章に即してあっさりと無機的に答えを返すことが求められているのだと気がついてからは得意科目になったという。

正しい勉強法とは実にシンプルだ。自分の欠点、弱点、ミスを直視でき、その原因を自分自身で論理的に突き止め修正できるかどうかが勝負なのだ。

茂木さんが話を聞いた完全無農薬のアイガモ農法を開発した古野隆雄さんも、アイガモを思いつくまで何度も失敗を繰り返しているという。逆境の時に何をやるか、失敗した経験を次に生かせるかで決まってくる。


自分を変える一回性に出会うには

「一回性」とはその後の人生を変えてしまう出来事を経験することだ。茂木さんはケンブリッジのトリニティカレッジに留学していた時に、貴重な経験をしたという。

トリニティカレッジでは様々な分野の教授が食事の時に集まっては活発に議論しているという。全く違った分野の教授達が自由に議論をしてくる環境をみて、こういう環境があるからノーベル賞受賞者を31人も出せるのだと悟った。

ここには「変人であることの自由」=自分の好きなことをとことん追求することが許される自由があるのだ。

たとえばアップルのスティーブン・ジョッブスも、マイクロソフトのビル・ゲイツもいわゆる変人であることで知られているという。日本では変人を平均人にしてしまおうとする周りの圧力があるが、トリニティカレッジでは正反対だったという。

ちなみに茂木さんの高校には、卒業文集に「ラテン民族における栄光の概念について」というエッセーを書いた同級生がいたと。

トリニティカレッジのような環境に身を置くことが必要なのは、人間にはミラーニューロンという1996年に発見された共感回路が備わっているからだという。

他人がある行動をしていると、自分もそのことをしていると思いこむ様な活動のことで、テレビでグルメ番組を見ていると、おなかが空いてくることもその例で、相手の感情や心を推測する力の源泉となっている。

競走馬も同じようなことが起こり、10年連続最多勝を記録している競馬のJRAの調教師藤澤和雄さんに話を聞いた時も、強い馬と弱い馬を一緒に走らせるというそれまでの競馬界のセオリーに反した調教で成功したという。弱い馬は強い馬に追いつこうとし、強い馬は燃え尽き症候群がなくなった。

藤澤さんのモットーは「一勝よりも一生、一つ勝つよりも一生続ける」というものだ。

人間も馬も良い環境に自分を置くことが重要なのだ。


偶有性がさらなる脳の発達を促す

偶有性(contingency)とは、予想できることと予想できないことが混在している状態だという。

予想できることと予想できないことが混ざっているから脳は楽しいと受け取る。

できるかできないかわからない難しいことに成功すると、喜びもひとしおとなる。たとえば難しい入学試験に受かるようなことだ。


知の「オープンエンド」の時代

茂木さんは学問の本質は、「知のオープンエンド性の楽しみを知ることだ」と考えているという。

学問はどんなに学んでも必ず次がある。終わりがない、これがオープンエンドだ。

プラントンは弟子に「オリンピック競技の勝者には賞品が与えられるのに、哲学者には賞品が与えられないのはなぜか」と聞かれ、「賞品とは、その人の業績に比較して、より価値のあるものでないと意味がない。しかし、知識を得る以上に価値があるものなど、この世には存在しない。だから、知恵を得た人には、あげるべきものがないのだ」と答えたという。

江戸時代に本居宣長の元に集まった近江商人たちが、「学問ほどの快楽はないということがよくわかりました」と語ったという話を小林秀雄さんが紹介している。

学習は脳を喜ばせるための最大の快楽なのだと。脳が思うままに教科学習の回路を暴走させろと茂木さんは結んでいる。


わかりやすく、脳科学者だけあって、記憶に残る話が満載だ。ベストセラーを続けている理由がわかる。是非一度手にとってみることをおすすめする。


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2008年05月09日

ドラゴン桜 大学受験以外でも参考になる試験の心得

ドラゴン桜 (13) (モーニングKC (1515))


以前紹介したドラゴン桜シリーズを、時々図書館で借りて読んでいる。

全部で21巻ある。最初は作者の三田紀房氏の独創が元になっている様だが、後半になると様々な受験のプロのアドバイスを紹介する形となり、受験のプロと著書が写真入りで紹介されている。

全巻を読んだわけではないが、東大受験のみならず、試験全般に共通し、参考になる話もある。

この「ドラゴン桜13」で紹介されている「問題文を読めば答えがわかる」というのと、「出題者になったつもりで考える」、「自分で考えるな」というものだ。


問題文を読めば答えがわかる

「問題文を読めば答えがわかる」というのは、マンガでは国語の授業で芥山龍三郎(芥川龍之介のパロディ)がセンター国語対策の授業で、国語の問題文のみを生徒に示して説明するストーリーだ。

芥山龍三郎








出典:ゲームTV「ドラゴン桜DS」ゲームレビュー

長文の本文を読むまでもなく、選択肢を読み比べれば簡単に正解がわかるという。

問題は小説の中の「苦しげな微笑」という言葉の解釈を求めており、全文は紹介しないが、エッセンスは次の通りだ。

1.「ためらいの気持ち」
2.「複雑な心情」
3.「苦しんでいる様子」
4.「呆然となった様子」
5.「苦い思い」

このうちで、2.の「複雑な心情」が「あいまいでごまかしている」様に思え、他の4つがはっきり言っている印象を受けるが、実は正解は2.である。

センター試験の出題者は誰もが納得する解答を用意しなければならない。出題者が「こういう意味だ」と言い切ってしまうことは大変危険なのだと。

ましてや小説からの出題であれば、読む人によって感じ方が違うので、一つに決めると反論されるおそれがある。だから当たり障りのない無難でどうとでもとれる表現にしておくのだ。

試験で時間が足りなくなった時などに使えるテクニックだと思う。


出題者になったつもりで考える

センター国語の出題者になったつもりで考えるというのも、試験一般に通用する考え方だ。

出題者はまず正解をつくる。次にセンター試験の場合は5択問題なので、不正解を4つつくる。それは次の5つの類型なのだ。

1.反対 正解と全く反対のことを言う
2.すりかえ 本文中の言葉を使うが論旨が違う
3.言い過ぎ 本文の内容を誇張している 
4.不足 足りなくて論として不十分
5.勝手なことを言う 本文に書いてないが世間的に正しいことを言う

このうち、「勝手なことを言う」は世間的に正しいから、受験生はひっかかりやすい。「言い過ぎ」もひっかかりやすいが、「常に」、「絶対」、「必ず」、「のみ」、「だけ」、「すべて」などの言葉が使われているから、すぐに見分けがつくという。


自分で考えるな

「自分で考えるな」とは、「他の人は、みんなはどう考えるのか」を考えろということで、いわば「自分の身体から魂が抜け出て受験会場を浮遊する感覚を持て」と。いわゆる「メタ認識」だ。

「みんなはこの問いをとう考え、どう答えるのだろう」と考えるのだと。

この理念を理解し、客観性を身につければ国語だけでなく、すべての教科の問題が簡単に感じるという。

取るに足らない様に思える情報が、時としていかに重要かわかる実験が面白い。

元々は西林克彦氏の「わかったつもり 読解力がつかない本当の原因」という本に載っていることのようだ。

わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書)


次の文は何のことを説明しているかわかるだろうか?

「新聞の方が雑誌よりいい。街中より海岸の方が場所としていい。最初は歩くより走る方がいい。何度もトライしなくてはならないだろう。ちょっとしたコツがいるが、つかむのは易しい。小さな子どもでも楽しめる。一度成功すると面倒は少ない。鳥が近づきすぎることはめったにない。ただ、雨はすぐしみ込む。多すぎる人がこれをいっせいにやると面倒がおきうる。ひとつについてかなりのスペースがいる。面倒がなければ、のどかなものである。石はアンカーがわりに使える。ゆるんでものがとれたりすると、それで終わりである」

筆者は考えても分からなかった。答えを続きを読むに書いておいたので見て頂きたい。

人は自分の持っている知識で考えがちだが、他人が物事をどう考えているかを考える癖をつければ、貴重な情報が得られるという。

その例として、「東大生の親はみんな金持ち」という世間一般で言われている情報が正しいかどうか生徒に検証させている。

東大では学内広報で学生生活実態調査を公表している。親の年収分布のグラフは次の通りだ。

東大生親年収






平均年収は1,000万円を超えているかもしれないが、年収950万円以下が52.2%で、他の私立大学などと変わらないと思われる。

情報の一人歩き、人はみんな自分の信じたい情報を信じるのだと。


有益な情報が盛り込まれている。マンガとバカにできない試験ガイドである。


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Posted by yaori at 13:03Comments(0)TrackBack(0)

2008年04月04日

スタディハック! ストレスフリーの勉強法

2008年4月4日追記:

ライフハッキングブログは小山龍介さんのブログではなかった。小山さんのブログはライフハッキングではなく、IDEA HACKS!公式ページだった。

ifehacking.jpのmehoriさんからメッセージを戴いたので、お詫びして訂正します。m(__)m

それにしてもLifehackingブログも内容が充実していたので、感心しました。


Lifehacking.jp の mehori です。

小山龍介さんのブログは Lifehacking.jp ではなくて、「Idea Hacks! 公式ページ」で検索したら出てくる方です。

でも、Lifehacking.jp もよろしくおねがいします。(´∀`)


STUDY HACKS!


○○○ハックシリーズを出している小山龍介さんの勉強法。

小山さんは大手広告代理店勤務を経てアメリカでMBAを取得、現在は松竹の事業開発室長として新規事業の立ち上げを担当している。アメリカのMBAはサンダーバードということなので、レバレッジシリーズの本田直之さんと同窓だ。

本田さんの「レバレッジ人脈術」に、ライフハッキングが紹介されていたので、この本を読んでみた。

正直小山さんについて、ほとんど知識がなかったので、「○○○ハック」というタイトルで何冊も本を出しているとは知らなかった。

ハッカーというとコンピューター用語の不正侵入とかが思い出されるが、ウィキペディアによると本来の意味のハッカーとは(技術)知識を利用して最小限の手間で最大の効果を上げる人だという。不正侵入者はクラッカーと呼ばれる。

小山さんの言うハックも最小限の努力で最大限の効果を上げることで、その意味では本田直之さんのレバレッジシリーズや、勝間和代さんの10倍シリーズと同じ方向性のハウツー本だ。

内容も近々紹介する勝間さんの「効率が10倍アップする新・知的生産術」と相当かぶっている。

この本の構成は次のようになっている。

第1章ツールハック
いろいろなツールを使っての勉強法が紹介されている。iPodを使っての「ラク耳勉強法」は満員電車などでもiPodを使って、講義のCDやポッドキャスティングでの大学の授業、オーディオブック等を聞いて勉強する方法だ。

CDやオーディオブックが手に入らないものは、自分でICレコーダーに吹き込んで覚えると言う方法も紹介している。

【当店ポイント5倍】サンヨー リニアPCM対応ICレコーダー(ステレオ)Xacti(ザクティ)【税込】 ICR-PS285RM-H [ICRPS285RMH](※「ポイント5倍」は4/3 9:59迄。エントリー要。ルール詳細は当店トップページをご参照ください)【当店ポイント5倍】サンヨー リニアPCM対応ICレコーダー(ステレオ)Xacti(ザクティ)【税込】 ICR-PS285RM-H [ICRPS285RMH](※「ポイント5倍」は4/3 9:59迄。エントリー要。ルール詳細は当店トップページをご参照ください)


このサンヨーの機種はUSBのコネクターが内蔵されているので簡単にPCにつなげ、そのままiTunesで取り込むことも可能で、電源は電池と充電及びUSB電源だという。

またノイズキャンセリング機能付きのヘッドフォンも勉強用の別荘を手に入れる様なものだという。

quiet comfort






筆者は、外でヘッドフォンを掛けて出歩くのは好きではないので、ノイズキャンセリング機能付きのヘッドフォンは持っていないが、自宅ではやはりBoseのTri-portというヘッドフォンを使っている。

超軽量で長時間装着していても耳が痛くならず、通気性がよいから耳がびっしょり汗をかくこともないので快適な上に、音が驚くほどよいので、電器屋で視聴して即購入した。

BOSE Bose around-ear headphones オーディオヘッドホン


その他Mind Managerというマインドマップのソフトが紹介されている。

【新発売・送料無料】Mindjet MindManager Lite7 Windows版(マインドマネージャー ライト 日本語版)マインドマップ・ソフトウェア【新発売・送料無料】Mindjet MindManager Lite7 Windows版(マインドマネージャー ライト 日本語版)マインドマップ・ソフトウェア


ちなみにマインドマップは最近iMind Mapという提唱者トニー・ブザン氏公認のソフトが発売されたようだ。

【当店ポイント5倍 4/3am9:59迄/エントリー要】パソコンソフト ALMA VISTA【税込】Buzans iMindMap日本語版スタンダード・エディション【当店ポイント5倍 4/3am9:59迄/エントリー要】パソコンソフト ALMA VISTA【税込】Buzans iMindMap日本語版スタンダード・エディション


なにやらアフィリエイトブログのようになってきたが、マインドマップにより全体像を意識しながら頭の中を整理でき、勉強内容を構造化できるのだという。

その他Google Documentsというウェブファイリングを利用したり、はてなRSSはてなブックマーク、Technoratiなどで単語を登録したり、RSSで情報をウォッチすることを勧めている。

第2章 環境ハック
環境ハックでは、勉強する環境として、喫茶店や自習室、勉強合宿、アロマテラピー、ハーブティーなど

第3章 時間ハック
時間ハックでは、すき間時間の活用、通勤に時間を掛ける、ながら勉強、早朝アウトプットなど

第4章 習慣ハック
習慣ハックでは、コーチをつけたり、勉強仲間をつくる、ブログやSNSで進捗を報告することなど

第5章 試験ハック
試験ハックでは、資格試験に短期間で合格する方法として、問題集を答えから先に読む「アウトプット勉強法」をすすめている。正解した問題は二度とやらないとか、3色ボールペン、そしてヤマを張ることなどもすすめている。

第6章 語学ハック
語学ハックでは、ペーパーバックを多読するとか、Nintendo DSで単語を暗記する、iTunes Uでバーチャル海外留学することをすすめている。

第7章 キャリアハック
最後のキャリアハックでは、キャリアのブルーオーシャン戦略ということで、他人には真似ることのできないユニークなキャリアをつけることをすすめている。

ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)


独自性があったり、驚く新しい情報があるわけではない。同じような本を何冊も出しているせいかwatered-downという感じの本である。


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Posted by yaori at 22:34Comments(1)TrackBack(0)