2009年06月18日

コミュニケーションをデザインするための本 ガンバレ広告業界

コミュニケーションをデザインするための本 (電通選書)コミュニケーションをデザインするための本 (電通選書)
著者:岸 勇希
販売元:電通
発売日:2008-09-03
おすすめ度:4.5
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電通のカリスマ広告クリエーター杉山恒太郎さんが、先日のダイレクトマーケティングEXPOの基調講演で紹介されていたので読んでみた。

杉山さんといえばこのブログで紹介した「明日の広告」のさとなおさんの上司でもあり、サントリーのランボーとか数々のCMの名作で有名だ。

明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法 (アスキー新書 045)明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法 (アスキー新書 045)
著者:佐藤 尚之
販売元:アスキー
発売日:2008-01-10
おすすめ度:4.5
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広告理論については、「ホリスティック・コミュニケーション」という本で、伝統的なAIDMA(Attention Interest Desire Memory Action)に代わり、今はAISAS(Attention Interest Search Action Share)だと提唱している。

ホリスティック・コミュニケーション
著者:秋山 隆平
販売元:宣伝会議
発売日:2004-01
おすすめ度:3.5
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この本では電通の新進コミュニケーションデザイナーの岸勇希さん(新卒入社ではないが、2004年入社なので5年目!)が、将来に不安を感じている広告業界の人、広告クライアント、そして広告業界を目指す人のために自らのコミュニケーションデザイン作品を紹介している。

次の7例が取り上げられている。

CASE 1 永谷園 「ミス冷え知らず COLLECTION '08」

CASE 2 ワールド通商 「求ム、天才」

CASE 3 フマキラー 「一発命虫!バイラル・キャンペーン」

CASE 4 ロケットカンパニー 「漢字DS プロモーションキャンぺーン」

CASE 5 マリエール 「40人40色の恋愛模様」

CASE 6 メ〜テレ(名古屋テレビ) 「ウルフティッカー」配布キャンペーン

CASE 7 「新聞ブログ」開発プロジェクト


岸さんのブログにこれらの作品が紹介されている。


筆者はどれも知らなかったが、「ミス冷え知らず」は、冷え性の女性向けのカップスープで、OL予備軍の女子大学生をターゲットにキャンペーンを行った。

大学のキャンパスで、”タダコピ”という裏紙が広告となっている代わりに無料でコピーできる機械を大学に設置して、16大学のミスキャンパスの写真とサーモグラフィー写真を裏紙にして宣伝した。

そしてウェブサイトとモバイルサイトでは16人のミスを紹介した。

冷え知らず




冷え知らず2





現在はキャンペーンサイトは閉鎖されているが、CMをつくっているシーンがasahi.comで紹介されている。

さらにブロガーにサンプルを配って、ブログやSNSで紹介してくれるようにして盛り上げた。

結局期間中に目標売り上げの250%を達成し、期間中に100万食を売り上げたという。

その他いろいろなアイデアで消費者とのコミュニケーションを提案している。


電通は数年前から、自らの事業領域を「広告代理業」ではなく、「トータル・コミュニケーション・サービス」と定義しているという。

テレビや新聞などのマス広告の効果がどんどん落ちているので、広告業界もこれからは大変だろう。

若い広告マンの苦悩がわかる本である。

ガンバレ広告業界!


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Posted by yaori at 12:08│Comments(0)TrackBack(0) ビジネス | 広告

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