
著者:角野 史比古
出版:中央公論新社
(2013-02-22)
2010年にチリで開催された第13回世界最優秀ソムリエコンクールを取材したNHKのディレクターが書いたドキュメンタリー。
YouTubeにも表彰式が掲載されている。
チリ大会の時のASI(国際ソムリエ協会)の会長はこのブログでも「生涯ソムリエ」を紹介している小飼一至さんで、現在の会長は知名度抜群の田崎真也さんだ。

著者:小飼 一至
出版:エフビー
(2008-12)
チリ大会の次は2013年3月末に東京で、第14回世界最優秀ソムリエコンクールが開催された。
大会の速報も日本ソムリエ協会のホームページで公開されている。
コンクールのブラインドテイスティングなどの審査員は、過去のソムリエコンクールの優勝したソムリエたちが務める。トップでなければトップの感性を採点することはできないのだ。
チリ大会はチリ最大のワインメーカー、コンチャ・イ・トロの支援を受けて開催された。ランチパーティはコンチャ・イ・トロ社のブドウ畑で開催された。
コンクールの出題内容は、毎回変えられている。
ブラインドテイスティングは準々決勝から決勝まで必須だが、ほかには出されたアルコール飲料の名前を当てるテスト、ワインリストの間違い探し、ブドウ畑の写真を見て、それがどこの産地か当てるテスト、サービング実技コンテストなどがある。
次が2010年チリ大会で出されたアルコール飲料だ。
1.チュニジア ブーカ・ボコブサ オー・ド・フィグ
2.フランス ウィエイユ・プルネ マスネ
3.スコットランド ハイランド・モルト・アンド・モア・ウィスキー
4.フランス コニャック ヘネシー VSOP
5.チリ ピスコ リゼルバ・ド・マル・パソ
6.スウェーデン ウォッカ アブソルート
7.イタリア シナモン・シュウェップス・リカー
8.南アフリカ アマルーラ
決勝進出者はこのうち4〜6品目を当てている。
ワインリストの間違い探しは、Grand CruをPremier Cruと誤記しているなどの例だ。
写真を見て、それがどこの産地か当てるテストで出題されたブドウ畑は、次のような場所だ。
1.南アフリカ テーブルマウンテン
2.スペイン カナリア諸島 ランサローテ
3.アメリカ カリフォルニア オーパス・ワン
4.イタリア リグーリア チンクエテッレ
5.フランス ボルドー シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン
サービングでは、わざとシャンパンの栓を強力な金属のワイヤーで固定して栓を開けにくくして、沈着な対応を見るテストが出題された。
他にもマニアックとしかいいようがない問題ばかりだ。
落とすための試験としか言いようがない。
こんなコンテストを勝ち抜くソムリエは、毎回のように挑戦して、何度かの挑戦の後で、やっと優勝するという人ばかりだ。
2013年の東京大会で優勝したスイスのソムリエも、2010年のチリ大会の決勝進出者だ。
コンテストの細かい内容がわかって面白いが、ディープな理解が求められるマニアックな問題ばかりなので、ワイン好きでないと飽きてしまうかもしれない。
まずは上記で紹介したYouTubeの映像を見て、興味がわいたら一読することをお勧めする。
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